匠から子どもたちへ、水引の「あわじ結び」でミサンガ作り…レクサスオンラインワークショップレポート

小学生が作ったミサンガを拝見。「初めてでも作品として仕上がるのがうれしい!」
「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT」とは、レクサスが主催となり、日本の各地で活動する伝統工芸の若き「匠」に対し、地域から日本全国へ、そして世界へ羽ばたくサポートをするプロジェクト。日本を代表する放送作家である小山薫堂氏をプロデューサーに迎え、2016年に発起、イベントの開催や商談会など、これまで47都道府県から150名を超える若き「匠」を支援してきた。

この夏、本プロジェクトに参加した「匠」たちが講師となり、小学校高学年から中学生の子どもたちを対象とする、オンラインワークショップ「Lexus Summer Workshop ~once in a summer time~子ども達へ贈る日本各地の友達やモノづくりの「匠」との一期一会の体験」が開催された。「奈良・吉野の手すき和紙」で作るランプ 、石川・加賀水引の「あわじ結び」でミサンガ作り、「千葉・つまみ細工」の髪飾り作り、「京都・風彩染」のせんす作り、4人の匠によるモノづくり体験のなかから、今回は水引を使ったミサンガ作りのワークショップをリポートする。


◆水引とは、日本の伝統的なラッピング

今回の水引ワークショップでは、石川県・金沢市で立体的な水引細工・折型の創始者の家系に生まれた 5 代目である津田六佑さんが講師として登場。水引について馴染みのない子どもたちに向けて、「水引の歴史は古く、遣隋使として隋(現在の中国)に渡った小野妹子が持ち帰った贈り物に結ばれていたのがはじまり。嵐や海賊に遭わずに無事に帰ってほしいという魔除け、両国の関係が結ばれますようにという縁結び、未開封であるという印という3つの意味があります」と、その歴史と意味について教えてくれた。

明治頃までは平面的な折り方が主流だった水引に、平たく折り畳まない、ボリュームをもつ立体的な水引を考案したのが、津田さんの曽祖父にあたる津田左右吉さん。そのアイデアを発端に、「立体的な和紙の包み方(折型)」と、鶴亀や松竹梅などの「立体的な水引の結び方(水引細工)」、それに「美しい書」が交わったものが「加賀水引」と呼ばれ、世紀を超えて、石川県金沢市の伝統工芸「加賀水引細工」として親しまれているという。

平面的な水引折型から「折り畳まずに立体的に作る」ことへの着想が、現代の水引細工のルーツとなっているという


◆伝統的な結び方“あわじ結び”を体験

制作キットのなかから好きな色の水引を選び、さっそくミサンガ作りがスタート。まずは曲げやすいように水引をしごき、1つ目のあわじ結びを結んでいく。画面にクローズアップされた津田さんの手元を参考にしながら、輪を作り、上下の重なりに気をつけながら水引を通していくと…あわじ結びの形が出現! これを好みのサイズに整えながら、くり返し編んでいくことで、ミサンガが完成する。

結び目が出来上がるたびに、少しずつ完成に近づいていくのがワクワク! これぞモノづくりの楽しさだ。子どもたちは、慣れない水引の扱いに苦戦しながらも、作品作りに夢中。その真剣さが画面からも伝わってくる。画面越しに、津田さんが「ちょっとずつ交互に引っ張ってみて。そうそう、きれいに出来ているね」と直々に指導してくれるのも子どもたちにとっては嬉しいところ。全国各地から参加している友達と声をかけ合いながらミサンガ作りは進み、場所は離れているけれど、ひとつのものを作っている…そんな“つながり”を感じながら、モノづくりの楽しさを体感できる有意義な時間となった。

あっという間に時間が過ぎ、参加者同士の作品を見せ合う。色の合わせ方や、結び目の大きさ…同じ編み方でもそれぞれ個性が出てくるのも魅力だ。最後に、全員で記念撮影をしてワークショップは終了! 参加者からは、「あわじ結びが難しかった。これからもいろいろ作ってみたいと思いました」「水引というとご祝儀袋に結ぶイメージしかなかったけれど、きれいなミサンガが作れて楽しかった。友達にもプレゼントしたい」といった、大満足の感想を聞くことができた。


◆日本のコミュニケーション文化を知ってほしい

今回、オンラインでのワークショップを行ったのは初めてという津田さん。「オンラインでも子どもたちの顏を見ながら一緒に作ることができて良かったです。水引はこんなふうにアクセサリーとしても楽しめるけれど、“贈り物を渡すためのラッピング”というのが本来の意味合いでもあります。大切な人にものをあげるときに、“品物よりも、気持ちを贈る”という日本の奥ゆかしいコミュニケーションの心や文化があることを頭の隅に入れておいてほしいですね」と、参加者の子どもたちにメッセージを伝えてくれた。


◆子どもたちに、日本のモノづくりの心を感じてもらえたら

コロナ禍による移動や接触制限で、新しいモノや人と出会う機会が減ってしまった子どもたち。レクサスが今回、そんな子どもたちに向けのワークショップを開催した理由は3つある。次世代を担う子どもたちに、ものづくりの「心」を伝えたいから。ものづくりに挑戦する人を応援したいから。そして、日本のものづくりを守りたいから。そんな、レクサスの思いをレクサスブランドマネジメント部・神薗友香さんが語ってくれた。

「私たちは、どうすればお客様に楽しく運転してもらえるか、乗りご心地が良くなるか、お客様が車に乗ってから降りるまで、使う人の気持ちを想像して細かい部分まで考えながら一つひとつの車や部品を作っています。今回登場してくれる伝統工芸の匠と呼ばれる先生たちも、使う人の気持ちを考え抜くモノづくりの心を大切にして美しいものを作っている方たちです。レクサスはそんな思いを大切にしながら、モノづくりに挑戦する人たちを応援しています。世界中に素敵なものはたくさんありますが、そのなかでも日本生まれのブランドとして日本の文化や自然、習慣から生まれた日本ならではのモノづくりを守っていきたいと思っています。今日のワークショップを通して、物作りって楽しいな、日本のモノづくりっていいなと思ってもらえたら嬉しいです」。

(レスポンス 吉野清美)

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