レクサス、「日本の地方の魅力・日本の今後」を感じさせる3作品を選定…ショートショート フィルムフェスティバル&アジア 2020

レクサスインターナショナルのJブランディング室長・沖野和雄氏、映画監督の安藤桃子氏、SSFF&ASIA代表の別所哲也氏(左から)
9月16日、アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア 2020」(以下SSFF&ASIA )が開幕。東京原宿の明治神宮からオンラインによる世界同時ライブイベントを行った。最終日となる27日には、3つのオフィシャルコンペティション部門の受賞者で競うグランプリ“ジョージ・ルーカス アワード”が決定する。

毎年独自の視点を持つユニークなショート作品を世界からセレクトしていることで人気を集めるアカデミー賞公認映画祭「SSFF&ASIA」だが、新型コロナウィルスの影響で通常の6月開催が延期され、苦難を乗り越えてこの時期の開催を迎えた。

ひときわ特別な思いが詰まった今年の映画祭。話題の一つが、レクサスによる若手クリエイターを支援するための新プロジェクトだ。レクサスは2013年より映画祭をサポート。今回からは、日本を再発見し人々がもっと旅する喜びを感じられるようにとの願いも込めて、SSFF&ASIAに応募された作品の中から、「日本の地方の魅力・日本の今後」を感じさせるという観点で作品を選定する企画『LEXUS OPEN FILM』をスタートさせた。

オープニングセレモニーでは、レクサスインターナショナルのJブランディング室長・沖野和雄氏、セレクションを担当した映画監督の安藤桃子氏が登壇。テーマである“ジャパン インスピレーション”を感じさせた3作品が発表された。

選ばれたのは、長崎にある潜伏キリシタンの離島・黒島を舞台に、一組の男女が共有する秘密をみずみずしく描いた『リッちゃん、健ちゃんの夏。』(大森歩監督)、若手サイエンスライターが宇宙飛行士へのインタビューを任されたことを機に思いもよらない宇宙観に遭遇する『アストロエイジ』(小川貴之監督)、アイヌの女性が旅を通して未来を切り開く姿を描くドキュメンタリー『Future is MINE -アイヌ、私の声』(富田大智監督)。

沖野氏は本プロジェクトに寄せる思いをこう語った。「今年はコロナ禍ということで、皆さんの生活全般が変わってしまって、一人一人が様々なものを見つめ直す時を過ごしていると思います。我々は日本のラグジュアリーブランドですから、やはり日本を元気にしたいという思いが強くありました。そこで“日本らしさって何だろう”と考えていただいたらどうかと考え、今回そのようなお題で若手クリエイターに活躍の場をご提供しました」。作品については、「どれも素晴らしく、見応えがあり、考えさせられた」と絶賛した。

企画趣旨に賛同したという安藤氏は、「日本らしさって何だろうと思った。今まで考えてきたようで、意外と考えてきていなかった」とコメント。「それについて考えたときに、”日本の心“ではないかなと思ったんです。それは目に見えないもの。今だからこそ、内側に内側に目線を向けて時間が大事。そして日本の心について考えていたら、人類の心というところに勝手に行き着いたんです。コロナ後も変わらず、私たちの心が普遍であるとより強く感じさせてくれた作品と、この先私たちはどこへ行きたいのかなとそういうものを感じさせてくれる作品をセレクトさせていただきました」と選定理由を語った。

また、オープニングセレモニー後には、SSFF&ASIA代表の別所哲也氏、安藤桃子氏、そして見事セレクトされた作品の監督を迎えたオンライントークイベント『LEXUS OPEN FILM TALK EVENT』も東京・青山のINTERSECT BY LEXUSで実施された。

大森歩監督、小川貴之監督、富田大智監督の3監督もリモートで参加。別所氏、安藤氏が作品を選定した背景にからめ、各監督に「日本らしさ」について問いかけると、それぞれが作品の製作意図を通して見えてきた日本の良さについて回答した。さらには、「コロナ禍におけるクリエイション」について熱く語り合う場面も。大森監督は「自粛が始まってから、役者に抱き合うシーン、キスシーンなどをお願いできなくなった。あと何年かはそれが続くのでは。そうなると、手を触れる、目線が合うといった初々しい部分で、人がぐっとくるんじゃないかなと思います」と新時代の表現について前向きに発言。対して、安藤氏は「コロナ禍を機に、安易になっていた表現を見直すことになるかもしれませんね」と表情を輝かせた。また、別所氏の「制限があるからこそ、創作意欲に火がつく」という意見に全員が同調。クリエイター魂を再確認し、新しい時代の映画製作の可能性や未来についてまで踏み込んで語り合う、濃厚な1時間となった。

3作品は、映画祭公式サイト内「LEXUS OPEN FILM」の特設ページで映画祭期間中公開されている。会期後はレクサスのサイト「VISIONARY MAGAZINE BY LEXUS」で年末まで視聴可能だ。

(レスポンス 牧口じゅん)

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