トヨタ 内山田会長「本格的な社会実装を推進」…88社が水素バリューチェーン推進協議会を設立

  • JH2A 設立の背景
トヨタ自動車やエネルギー関連企業など88社は12月7日、水素社会の構築・拡大に取り組むため、「水素バリューチェーン推進協議会」(JH2A)を設立した。今後、需要の拡大といった社会実装への取り組みを強化していく。

協議会の設立は、トヨタをはじめ岩谷産業、ENEOS、川崎重工業、関西電力、神戸製鋼所、東芝、三井住友フィナンシャルグループ、三井物産の9社が今秋、準備委員会を立ち上げ、参画企業を募っていた。協議会は水素の生産、物流、利用といった関連分野で構成され、CO2(二酸化炭素)削減による地球温暖化対策の推進のため、グローバルな連携や水素サプライチェーンの形成を推進していく狙いだ。

具体的には(1)水素バリューチェーン構築のための横断的な取り組み、(2)水素社会実現のための社会実装に向けた動きの加速化、(3)金融機関との連携による資金供給の仕組みづくり―を図っていく。実現には水素需要の創出や、各分野でのコスト低減、事業者への資金供給などが課題となる。このため、協議会は既存団体や事業者との協力を通じ、バリューチェーンの構築に関する事業化や渉外、調査などの機能を担う予定としている。

7日に都内で開いた設立イベントには協議会の共同会長であるトヨタの内山田竹志会長や岩谷産業の牧野明次会長兼CEOら、さらに来賓として梶山弘志経済産業大臣らが出席した。

挨拶に立った内山田会長は「協議会は設立趣旨にご賛同いただいた88社のご支援・ご協力で本日を迎えた。弊社は今月、第2世代となる新型の燃料電池車(FCV)『MIRAI(ミライ)』を発売し、お客様にFCVならではの魅力や可能性を感じ取っていただきたいと願っている。水素の本格的な社会実装には、規制緩和などの課題解決のため、これまでの延長線を超えた不連続なイノベーションが必要となる」と訴えた。

また、梶山大臣は「日本は世界で初めてFCVを商業化するなど、水素社会で世界をリードしてきたが、この一年でドイツやEUなどが水素の国家戦略を策定しており、安泰ではない。2050年までのカーボンニュートラルをめざすなかで、水素の社会実装の動きを加速することが重要だ。協議会は幅広いプレーヤーを巻き込んでおり、水素利用拡大の担い手として高い期待を寄せている。経済産業省は企業の皆様の取り組みを全力で応援していく」と、政府のサポートを約束した。
  • JH2A 設立の背景
  • JH2A 活動テーマ
  • トヨタ自動車の内山田竹志会長(参考画像)
  • トヨタ MIRAI 新型(米国仕様)

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