【トヨタ bZ4X】開発責任者「バッテリーEVならではの快適性を提供」

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トヨタ自動車は10月29日、新たにグローバル展開する電気自動車(バッテリーEV、BEV)シリーズの第1弾として、ミディアムSUV『bZ4X』を2022年央に発売すると発表した。SUBARU(スバル)と共同開発したBEV専用プラットフォームを採用し、一充電走行距離500kmを実現しているという。

bZ4Xの開発責任者を務めるトヨタZEVファクトリーの井戸大介主査は「インテリア、スタイリング、運転感覚、走行性能などそれぞれの分野で革新にチャレンジ、単なる移動手段ではなく、気の合うパートナーだと感じさせるようなワクワク感や楽しさを追求した。これらを実現するために重視したのが、全席等価価値という考え方。BEVならではの快適性を乗る人すべてに提供する」と語る。

まず室内空間について井戸主査は「前席と後席の距離、タンデムディスタンスをDセグメントセダン並みの1000mmを確保した。前席の足元の広さもクラストップレベルを確保している。加えて低い位置のインストルメントパネル、大開口パノラマルーフなどにより解放感を演出。インストルメントパネルをファブリック巻きにすることで落ち着いたリビングに居るような居心地を実現する」と解説。

一方、走行性能に関しては「エンジンのような熱源のないBEVにとって、とくに冬場の暖房性能と航続距離の両立は大きなチャレンジ」とした上で、「冬場の暖房による消費電力を低減するため新たにヒートポンプ式エアコンや直接空調を採用した。直接空調とは車室内の空気全体を温めるのではなく、シートヒーター、ステアリングヒーター、(前席乗員足元の)輻射熱ヒーターなどにより乗員を直接的に早く温める機能」とのことだ。

bZシリーズの導入にあたりトヨタは、新たにBEV専用プラットフォームをスバルと共同開発した。井戸主査は「BEV専用プラットフォーム『e-TNGA』では低重心化、高剛性化を徹底して推し進めた。低重心化では薄型大容量電池パックを床下に平置きで配置。モーター、トランスアクスル、インバーターを一体化したe-Axleや、充電機能と電力分配機能を集約したエレクトリシティサプライユニット(ESU)を新開発した」と説明。

またスバルとの協業の成果としては「スバルのAWD技術、X-MODEを採用、さらに(車両統合制御技術)X-MODEの新たな機能としてグリップコントロールを新開発した。これらの技術により日常ユースからライトオフロード以上の走行まで、BEVの期待を超える高い走破性を実現した」と井戸主査は述べた。
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