トヨタ 豊田社長「困っている誰かのために働く人に」…トヨタ工業学園が卒業式

  • トヨタ工業学園卒業式で挨拶する豊田章男社長
トヨタ自動車の企業内学校で、技能者の育成を担っているトヨタ工業学園(愛知県豊田市)は2月15日、同市のトヨタ本館ホールで2021年度(令和3年度)の卒業式を行った。コロナ禍の影響で昨年度に続いて生徒の家族の出席は見送られ、オンラインで式典の模様を中継した。

今年度の卒業生は、中学卒業後に3年間のカリキュラムで学ぶ「高等部」(第74期生)が117人、高校卒業者を対象に実習を主体に1年間学ぶ企業内教育コースの「専門部」(第32期生)が116人。いずれも卒業と同時にトヨタの社員になる。式典ではすでに決まっている配属先とともに、一人ひとりが紹介された。そのうえで、トヨタの豊田章男社長から認定職業訓練修了証書が各部の代表に授与された。また深津敏昭学園長からは、同様に卒業証書が手渡された。

会社を代表して挨拶した豊田社長は「みなさんの行動のベースには。学園生活で徹底して学び、実践してきたトヨタの『思想』と『技』と『所作』があると感じている。思想とはトヨタフィロソフィーで示す『幸せの量産』であり、技はTPS(トヨタ生産方式)、所作はトヨタウェイである。これらを大切に1日1日を過ごしてほしい」と述べた。

そのうえで「困っている誰かのために働く優しい人になっていただきたい。皆さんなら必ずできる。これからはトヨタを支える人材としてその人生が笑顔にあふれ、幸せなものになるよう、私自身、全身全霊でサポートしていく」と表明した。

これに対し、卒業生を代表して高等部の渡邊瑠斗さんが、「常に変わりゆく環境だからこそ、私たちは今までの意識を変えて行動しなければならない。トヨタで1番若い私たちが、よきトヨタパーソンとして職場の原動力、そして即戦力となっていきたい」と応えた。今年度の生徒会会長を務めた渡辺さんは、学園生が主体をもって行動するようにと、任期中に生徒会を「学成会」に改めた狙いについても言及した。

トヨタ工業学園はトヨタ設立の翌年である1938年(昭和13年)に前身の「豊田工科青年学校」が発足し、以来、トヨタのモノづくりを支える人材育成を担ってきた。20年度までの卒業生は約1万8000人となっている。

  • トヨタ工業学園卒業式で挨拶する豊田章男社長
  • トヨタ工業学園卒業式で挨拶する豊田章男社長
  • トヨタ工業学園卒業式 卒業生代表の渡邊瑠斗さん(右)と豊田章男社長

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