マニュアル車のBEVをトヨタが発売!? エンストも再現、市販化は「そう遠くない」
トヨタ自動車は、「クルマの未来を変えていこう」をテーマにした技術説明会「Toyota Technical Workshop」を報道向けに開催。次世代BEVバッテリーをはじめとする様々な技術が公開されたが、気になるのは製品としてのトヨタのBEVの姿だろう。
車両面では、いくつかのBEVのプロトタイプ車両が報道陣に公開されたが、ここで掲げられたのは「Fun to DriveなBEVの実現」「クルマ屋ならではのBEV」というメッセージだった。単に環境対策としての白物家電的な移動手段としてではなく、BEVならではの運転する楽しさをトヨタは表現するという。
その中で、特に注目に値するのは以下の3つだ。
◆クラウンBEVで見せた「マルチパスウェイプラットフォーム」
まず1台目が、クラウンをベースとしたBEVだ。多様な電動車の提供を可能にする「マルチパスウェイプラットフォーム」を見せるもので、これにより「すぐにBEVを提供出来る技術力を有している」と説明。2026年に150万台を基準とし、次世代BEV投入前にも、さまざまなラインアップを広げていくとした。
現行「クラウンクロスオーバー」の車体をベースに、ホイールベースを短縮し、前後にモーターを搭載した四輪駆動のBEVとしたプロトタイプで、タイヤとホイールは未発売のSUV『クラウンスポーツ』のものを採用していた。
実際に試乗することができたが、BEVならではの圧倒的な加速力と、前後モーター+四輪操舵によるハンドリング性能は、よりコンパクトなスポーツカーをイメージさせるもの。ハンドリングについては、モーターによる駆動で旋回力を制御することで気持ち良い走りを実現していると星つ名する。詳細なスペックなどは未公表だったが、ベース車よりも重量が増しているであろう車体を軽々と走らせた。
◆LFAからパッソまで、「走りを再現」するBEV
2台目が、「走りをオンデマンドで変更可能な車」として公開されたもので、レクサスのBEV『RZ』のソフトウェアをアップデートしたもの。具体的には、加速感や乗り味、エンジン音などをオンデマンドで変更可能としたもので、BEVながら様々な車種の走りや音を再現可能とした。
プロトタイプ車両では、レクサスのスーパーカー『LFA』、コンパクトカーの『パッソ』、北米などで販売するピックアップトラック『タンドラ』の走りを再現。“天使の咆哮”と言われたLFAのV10エンジンサウンドを響かせ加速したかと思えば、パッソのコンパクトカー然とした走りになったり、アメリカ車を思わせるV8エンジンの音になったり、走りはパッソ、エンジン音はV6、といったような組み合わせも可能で、制御ひとつで個性を変えることができるBEVの可能性を見せつけられた。
◆マニュアル車を再現した驚きのBEV
最後の1台が「マニュアルBEV」だ。通常、BEVはエンジン車とは異なりシフトチェンジをする必要がないためトランスミッションは搭載されていない。エネルギー回生の強さ(効き)を操作することでエンジンブレーキのような走行感覚を味わうことができるものの、回転数や加速に合わせてシフトチェンジをおこなうマニュアル車とは異なるもの。そんなBEVをマニュアル化したのが、レクサスのコンパクトBEV『UX300e』をベースとしたプロトタイプだ。
外観はUX300eそのままに、運転席には6速マニュアルシフトと、クラッチペダルが追加された。6速マニュアルシフトは駆動には直結しない擬似的なものだが、制御によりマニュアル車と同等の運転感覚を楽しむことができるという。
実際に試乗すると、まず始めに驚くのがクラッチの重さ。『GR86』や『GRヤリス』のようにしっかりとした踏み応えがあるもので、クラッチがつながる感触もマニュアル車そのもの。クラッチを踏んだままブレーキを踏み込むと2台目に試乗したオンデマンド車のように擬似的なエンジン音が車内に響く。このとき車外はもちろん無音だ。
そして1速に入れて半クラッチをつないで走り出すと、擬似エンジン音の高まりとともに2速へ。この時点でBEVを運転しているという感覚はすでに薄れ、エンジン車のスポーツカーを操っている感覚になる。シフトダウンを試すとエンジン回転が上がる音とともに、シフトのショックも再現される。極め付けは坂道発進で、回転数をしっかり合わせないとしっかりとエンストまでする。正直なところ、制御だけでここまでマニュアル車を再現できるのかと驚くよりほかない。
また制御でマニュアル車を再現しているので、ATモードでの走行も可能となっていた。渋滞時はAT、走りを楽しむ際はマニュアルと、ある意味マニュアル車乗りの理想とも言えるクルマの実現が近づいたとも言えよう。
◆市販化は「そう遠くない」
「Fun to DriveなBEVの実現」に向け、開発を進めるトヨタ。中嶋裕樹副社長は「(マニュアルBEVについて)出せると思っている。どこまで作り込んで商品化するかは検討していくが、そう遠くはない」と名言。上記の3要素を盛り込んだ、走りが楽しいトヨタBEVの市販化に期待したい。
車両面では、いくつかのBEVのプロトタイプ車両が報道陣に公開されたが、ここで掲げられたのは「Fun to DriveなBEVの実現」「クルマ屋ならではのBEV」というメッセージだった。単に環境対策としての白物家電的な移動手段としてではなく、BEVならではの運転する楽しさをトヨタは表現するという。
その中で、特に注目に値するのは以下の3つだ。
◆クラウンBEVで見せた「マルチパスウェイプラットフォーム」
まず1台目が、クラウンをベースとしたBEVだ。多様な電動車の提供を可能にする「マルチパスウェイプラットフォーム」を見せるもので、これにより「すぐにBEVを提供出来る技術力を有している」と説明。2026年に150万台を基準とし、次世代BEV投入前にも、さまざまなラインアップを広げていくとした。
現行「クラウンクロスオーバー」の車体をベースに、ホイールベースを短縮し、前後にモーターを搭載した四輪駆動のBEVとしたプロトタイプで、タイヤとホイールは未発売のSUV『クラウンスポーツ』のものを採用していた。
実際に試乗することができたが、BEVならではの圧倒的な加速力と、前後モーター+四輪操舵によるハンドリング性能は、よりコンパクトなスポーツカーをイメージさせるもの。ハンドリングについては、モーターによる駆動で旋回力を制御することで気持ち良い走りを実現していると星つ名する。詳細なスペックなどは未公表だったが、ベース車よりも重量が増しているであろう車体を軽々と走らせた。
◆LFAからパッソまで、「走りを再現」するBEV
2台目が、「走りをオンデマンドで変更可能な車」として公開されたもので、レクサスのBEV『RZ』のソフトウェアをアップデートしたもの。具体的には、加速感や乗り味、エンジン音などをオンデマンドで変更可能としたもので、BEVながら様々な車種の走りや音を再現可能とした。
プロトタイプ車両では、レクサスのスーパーカー『LFA』、コンパクトカーの『パッソ』、北米などで販売するピックアップトラック『タンドラ』の走りを再現。“天使の咆哮”と言われたLFAのV10エンジンサウンドを響かせ加速したかと思えば、パッソのコンパクトカー然とした走りになったり、アメリカ車を思わせるV8エンジンの音になったり、走りはパッソ、エンジン音はV6、といったような組み合わせも可能で、制御ひとつで個性を変えることができるBEVの可能性を見せつけられた。
◆マニュアル車を再現した驚きのBEV
最後の1台が「マニュアルBEV」だ。通常、BEVはエンジン車とは異なりシフトチェンジをする必要がないためトランスミッションは搭載されていない。エネルギー回生の強さ(効き)を操作することでエンジンブレーキのような走行感覚を味わうことができるものの、回転数や加速に合わせてシフトチェンジをおこなうマニュアル車とは異なるもの。そんなBEVをマニュアル化したのが、レクサスのコンパクトBEV『UX300e』をベースとしたプロトタイプだ。
外観はUX300eそのままに、運転席には6速マニュアルシフトと、クラッチペダルが追加された。6速マニュアルシフトは駆動には直結しない擬似的なものだが、制御によりマニュアル車と同等の運転感覚を楽しむことができるという。
実際に試乗すると、まず始めに驚くのがクラッチの重さ。『GR86』や『GRヤリス』のようにしっかりとした踏み応えがあるもので、クラッチがつながる感触もマニュアル車そのもの。クラッチを踏んだままブレーキを踏み込むと2台目に試乗したオンデマンド車のように擬似的なエンジン音が車内に響く。このとき車外はもちろん無音だ。
そして1速に入れて半クラッチをつないで走り出すと、擬似エンジン音の高まりとともに2速へ。この時点でBEVを運転しているという感覚はすでに薄れ、エンジン車のスポーツカーを操っている感覚になる。シフトダウンを試すとエンジン回転が上がる音とともに、シフトのショックも再現される。極め付けは坂道発進で、回転数をしっかり合わせないとしっかりとエンストまでする。正直なところ、制御だけでここまでマニュアル車を再現できるのかと驚くよりほかない。
また制御でマニュアル車を再現しているので、ATモードでの走行も可能となっていた。渋滞時はAT、走りを楽しむ際はマニュアルと、ある意味マニュアル車乗りの理想とも言えるクルマの実現が近づいたとも言えよう。
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