【トヨタ アルファード/ヴェルファイア 新型】ヴェルファイアはなぜ、アルファードより大幅に値上がりしたのか? おすすめのグレードは?
トヨタは2020年5月に、国内の販売方法を全面的に見直した。以前は4つの販売系列によって取り扱い車種を分けていたが、2020年5月以降は、全店が全車を扱う。
この目的はリストラだ。取り扱い車種が系列によって異なると、店舗を閉鎖すればその地域に供給できない車種が生じるが、全店が全車を扱えば周辺の店舗でカバーできる。
◆姉妹車の統廃合、カギは「性格の違いの明確さ」
同時に車種のリストラも行える。以前はトヨペット店で扱う『アルファード』、ネッツ店の『ヴェルファイア』という具合に姉妹車で区分していたが、全店が全車を扱えば1車種で済む。売れ行きが低い方を廃止すれば良い。コンパクトカーの姉妹車、『ルーミー』と『タンク』は、マイナーチェンジで後者を廃止した。
ところが姉妹車でも性格の違いが明確で、販売台数も多く、両立の可能な場合もある。『ノア』と『ヴォクシー』は、全店が全車を扱うようになった後も姉妹車関係を継続させている。
アルファードとヴェルファイアは、先代型の段階では、後者のグレード数を減らした。2022年のヴェルファイアの売れ行きは、アルファードの3%まで下がっていた。そうなるとアルファードを残してヴェルファイアは廃止すると思われたが、実際は両方ともに残している。
◆アルファードは豪華指向、ヴェルファイアはスポーツ性を強化
その理由は、アルファードの売れ行きがヴェルファイアを上まわったのは先代型のマイナーチェンジ後で、ヴェルファイアが好調に売られた時期が長いからだ。ヴェルファイアは先代型を含めて保有台数も多く、廃止するのは惜しいと判断された。
ただし今は全店でアルファードとヴェルファイアを販売するから、両車を残すなら選び分けられる性格の違いが必要だ。
そこでアルファードはLサイズミニバンの典型とされる豪華指向、ヴェルファイアは個性的なスポーツ指向に仕上げた。パワーユニットも、アルファードは2.5Lのノーマルエンジンと2.5Lハイブリッド、ヴェルファイアにはノーマルエンジンがなく、動力性能の高い2.4Lターボと2.5Lハイブリッドになる。
グレード構成は、アルファードがZとエグゼクティブラウンジ、ヴェルファイアはZプレミアとエグゼクティブラウンジになる。
ヴェルファイアはフロントマスクがブラックで精悍な印象だ。走りのスポーツ指向も強く、ボディの前側にはフロントパフォーマンスブレースを装着して、ボディとステアリングの支持剛性も向上させた。ショックアブソーバーもヴェルファイアは減衰力を高めて、全グレードが周波数感応型になる(アルファードはエグゼクティブラウンジだけが周波数感応型)。タイヤサイズは、ヴェルファイアは全グレードに19インチを標準装着した。
◆足回りにも大きな違い
対するアルファードは乗り心地を重視しており、標準装着されるタイヤサイズはZが18インチでエグゼクティブラウンジは17インチだ。ここで注意したいのは、アルファードエグゼクティブラウンジに、19インチタイヤがオプション設定されること。
しかしヴェルファイアと違って、フロントパフォーマンスブレースや減衰力を高めたショックアブソーバーは装着されず、単純にタイヤだけが19インチに変わる。従ってヴェルファイアに比べると走りのバランスは低下する。ディーラーオプションでは、両車に20インチタイヤを用意するが、これを装着する場合もボディ剛性やショックアブソーバーの減衰力を高めたヴェルファイアの方がバランスが良い。
価格は両車に共通するハイブリッド同士で比べると、アルファードZは620万円、ヴェルファイアZプレミアは70万円高い690万円だ。ヴェルファイアは価格が高い代わりに、タイヤサイズが19インチになってフロントパフォーマンスブレースも加わり、ショックアブソーバーも変わる。
さらにヴェルファイアZプレミアには、アドバンストパーク+パーキングサポートブレーキ(アルファードZのオプション価格は13万9000円)、ムーンルーフ(同13万2000円)、カラーヘッドアップディスプレイ(同5万5000円)なども加わり、シート生地はプレミアムナッパの本革に上級化される。
◆800万円以下で本革シートを欲しければヴェルファイア
これらの価格換算額が合計すると約70万円だから、ヴェルファイアも割高ではないが、本革シートやムーンルーフはユーザーによってニーズが異なる。800万円以下で本革シートなどが欲しければヴェルファイアZプレミアを選び、そうでない場合は、アルファードZにアドバンストパーク+パーキングサポートブレーキなど必要な装備をオプション装着すれば良い。スポーティな外観や走りと上級装備が欲しければヴェルファイア、価格の求めやすさと乗り心地を重視するならアルファードだ。
難しいのは、アルファードZに19インチタイヤや本革シートを装着したいとか、スポーティなヴェルファイアに価格の安いノーマルエンジンを搭載して欲しいといった希望が生じた時だ。そこは今後、ユーザーの希望に応じて充実させるはずだ。
結論をいえば、現状ではアルファードハイブリッドZ・2WDが最も買い得なベストグレードだ。ノーマルエンジンのアルファードZに比べて80万円高いが、100V・1500Wの電源コンセント(4万4000円相当)が標準装着され、購入時に納める税額は19万4000円安い。実質価格差は約56万円に縮まる。
そこでレギュラーガソリン価格が160円/Lとすれば、9万~10万kmを走ると、燃料代の節約で実質価格差を取り戻せる。しかも新型のハイブリッドはシステム最高出力が250馬力で、先代型の197馬力に比べると大幅に増強された。設計の新しいクラウンクロスオーバーの234馬力と比較してもパワフルで、アルファードハイブリッドZ・2WDは選ぶ価値を高めている。
この目的はリストラだ。取り扱い車種が系列によって異なると、店舗を閉鎖すればその地域に供給できない車種が生じるが、全店が全車を扱えば周辺の店舗でカバーできる。
◆姉妹車の統廃合、カギは「性格の違いの明確さ」
同時に車種のリストラも行える。以前はトヨペット店で扱う『アルファード』、ネッツ店の『ヴェルファイア』という具合に姉妹車で区分していたが、全店が全車を扱えば1車種で済む。売れ行きが低い方を廃止すれば良い。コンパクトカーの姉妹車、『ルーミー』と『タンク』は、マイナーチェンジで後者を廃止した。
ところが姉妹車でも性格の違いが明確で、販売台数も多く、両立の可能な場合もある。『ノア』と『ヴォクシー』は、全店が全車を扱うようになった後も姉妹車関係を継続させている。
アルファードとヴェルファイアは、先代型の段階では、後者のグレード数を減らした。2022年のヴェルファイアの売れ行きは、アルファードの3%まで下がっていた。そうなるとアルファードを残してヴェルファイアは廃止すると思われたが、実際は両方ともに残している。
◆アルファードは豪華指向、ヴェルファイアはスポーツ性を強化
その理由は、アルファードの売れ行きがヴェルファイアを上まわったのは先代型のマイナーチェンジ後で、ヴェルファイアが好調に売られた時期が長いからだ。ヴェルファイアは先代型を含めて保有台数も多く、廃止するのは惜しいと判断された。
ただし今は全店でアルファードとヴェルファイアを販売するから、両車を残すなら選び分けられる性格の違いが必要だ。
そこでアルファードはLサイズミニバンの典型とされる豪華指向、ヴェルファイアは個性的なスポーツ指向に仕上げた。パワーユニットも、アルファードは2.5Lのノーマルエンジンと2.5Lハイブリッド、ヴェルファイアにはノーマルエンジンがなく、動力性能の高い2.4Lターボと2.5Lハイブリッドになる。
グレード構成は、アルファードがZとエグゼクティブラウンジ、ヴェルファイアはZプレミアとエグゼクティブラウンジになる。
ヴェルファイアはフロントマスクがブラックで精悍な印象だ。走りのスポーツ指向も強く、ボディの前側にはフロントパフォーマンスブレースを装着して、ボディとステアリングの支持剛性も向上させた。ショックアブソーバーもヴェルファイアは減衰力を高めて、全グレードが周波数感応型になる(アルファードはエグゼクティブラウンジだけが周波数感応型)。タイヤサイズは、ヴェルファイアは全グレードに19インチを標準装着した。
◆足回りにも大きな違い
対するアルファードは乗り心地を重視しており、標準装着されるタイヤサイズはZが18インチでエグゼクティブラウンジは17インチだ。ここで注意したいのは、アルファードエグゼクティブラウンジに、19インチタイヤがオプション設定されること。
しかしヴェルファイアと違って、フロントパフォーマンスブレースや減衰力を高めたショックアブソーバーは装着されず、単純にタイヤだけが19インチに変わる。従ってヴェルファイアに比べると走りのバランスは低下する。ディーラーオプションでは、両車に20インチタイヤを用意するが、これを装着する場合もボディ剛性やショックアブソーバーの減衰力を高めたヴェルファイアの方がバランスが良い。
価格は両車に共通するハイブリッド同士で比べると、アルファードZは620万円、ヴェルファイアZプレミアは70万円高い690万円だ。ヴェルファイアは価格が高い代わりに、タイヤサイズが19インチになってフロントパフォーマンスブレースも加わり、ショックアブソーバーも変わる。
さらにヴェルファイアZプレミアには、アドバンストパーク+パーキングサポートブレーキ(アルファードZのオプション価格は13万9000円)、ムーンルーフ(同13万2000円)、カラーヘッドアップディスプレイ(同5万5000円)なども加わり、シート生地はプレミアムナッパの本革に上級化される。
◆800万円以下で本革シートを欲しければヴェルファイア
これらの価格換算額が合計すると約70万円だから、ヴェルファイアも割高ではないが、本革シートやムーンルーフはユーザーによってニーズが異なる。800万円以下で本革シートなどが欲しければヴェルファイアZプレミアを選び、そうでない場合は、アルファードZにアドバンストパーク+パーキングサポートブレーキなど必要な装備をオプション装着すれば良い。スポーティな外観や走りと上級装備が欲しければヴェルファイア、価格の求めやすさと乗り心地を重視するならアルファードだ。
難しいのは、アルファードZに19インチタイヤや本革シートを装着したいとか、スポーティなヴェルファイアに価格の安いノーマルエンジンを搭載して欲しいといった希望が生じた時だ。そこは今後、ユーザーの希望に応じて充実させるはずだ。
結論をいえば、現状ではアルファードハイブリッドZ・2WDが最も買い得なベストグレードだ。ノーマルエンジンのアルファードZに比べて80万円高いが、100V・1500Wの電源コンセント(4万4000円相当)が標準装着され、購入時に納める税額は19万4000円安い。実質価格差は約56万円に縮まる。
そこでレギュラーガソリン価格が160円/Lとすれば、9万~10万kmを走ると、燃料代の節約で実質価格差を取り戻せる。しかも新型のハイブリッドはシステム最高出力が250馬力で、先代型の197馬力に比べると大幅に増強された。設計の新しいクラウンクロスオーバーの234馬力と比較してもパワフルで、アルファードハイブリッドZ・2WDは選ぶ価値を高めている。
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