異次元の回転性能を実現! ヤマハのEVフォーミュラカーと最新トルク制御
大学生や専門学生などが製作した独自フォーミュラカーの走行性能や製作コンセプトを競う「学生フォーミュラ」。今人気を集めるこのイベントには多数のメーカーやサプライヤーがブースを構える。中でも新たな取り組みが満載で注目を集めていたのがヤマハ発動機だ。
◆スーパーセブンのEV化で会場の注目を集める
ヤマハ発動機は自動車は製造していないが、置かれていたのはスーパーセブン『Seven160』。その理由を聞くとモーターの制御を研究しているという。このスーパーセブンはエンジンを取り外しEV化されている。そして、左右リアタイヤには独立したモーターを装備している。
モーターの利点はこの左右タイヤそれぞれに取り付けることができるので、より細かい左右トルクの制御ができること。
通常のクルマではデファレンシャルからドライブシャフトを通して駆動力を左右タイヤに伝えているので、基本的に左右タイヤには同じトルクが伝わる。
ところが左右タイヤに異なるトルクを伝えられれば、戦車のように左右のクローラの回転差によって向きを変えることができる。これはトルクベクタリングと呼ばれていて、意図的に片側のタイヤだけにパワーを掛ければそちらだけ前進しようとして、クルマ自体に回転力を起こすことができる。すると極端に言えばハンドルを切らずに向きを変えることができる。もしくはハンドルを切る量を最小限にしつつ、クルマの向きを変えることができるのだ。
ヤマハ発動機ではスーパーセブンの前後に取り付けたGPSによってクルマの走行方向や角度を感知。その位置情報を活用しながら左右タイヤに異なるトルクを掛けることでクルマを曲がりやすくするための制御の研究を行っている。広場でのテストでは、アクセルは全開のまま緩いハンドル操作だけで定常円旋回を可能にしているという。こういった車体の制御などに着いても研究開発を行っているという。
◆注目の電動バイクや水素エンジンで未来のモビリティを提案
電動ビークルとしてもうひとつ注目なのは電動バイク。ヤマハではエボルビングR&D活動という制度がある。これは業務時間の5%の時間を自由に使えるルールで、そのなかから様々なチャレンジがされている。そこから生まれたのが電動トライアルバイクの開発である。2018年にこの制度から生まれた「TY-E」がFIM Trial-E CUPに参戦。見事優勝を果たしている。
トライアルはいかに足をつかずに、山や障害物を登っていけるかを競う競技。ライダーの意図通りにトルクが発生することが必要。しかも、そのトルクが大きいほど
2023年からは全日本選手権にエンジン車に混ざって参戦。モーターは瞬時に大きなトルクを発生させられる特性があり、その制御が重要。200種類ものマップをテストしながら、モーターによる出力の出し方を研究している。
そしてもうひとつ注目なのが水素エンジン搭載のレーシングカートである。ヤマハは古くからレーシングカートを製造していて、そこから育ったレーシングドライバーも多い。そんなカートを水素で走らせられないかというトヨタ自動車からら委託を受けてヤマハ発動機で開発。
モトクロスバイクのYZ250Fをベースに、水素を直接燃焼室に噴射できるように直噴化。水素は燃焼範囲が広く、インポート方向に火が広がるバックファイヤをしやすいので、ポート噴射よりも直噴化が適しているとのことで、ヘッドを改造。出力はガソリン使用時よりも数割落ちるというがすでにデモランなどが行われている。課題は水素を入れる高圧タンクが肉厚があり、たくさんの水素を積んで走ることができずどうしても航続距離が短くなってしまうという。そういった面での新たな課題を克服しつつ、次世代のモータースポーツに向けて開発に黒組んでいる。
◆スーパーセブンのEV化で会場の注目を集める
ヤマハ発動機は自動車は製造していないが、置かれていたのはスーパーセブン『Seven160』。その理由を聞くとモーターの制御を研究しているという。このスーパーセブンはエンジンを取り外しEV化されている。そして、左右リアタイヤには独立したモーターを装備している。
モーターの利点はこの左右タイヤそれぞれに取り付けることができるので、より細かい左右トルクの制御ができること。
通常のクルマではデファレンシャルからドライブシャフトを通して駆動力を左右タイヤに伝えているので、基本的に左右タイヤには同じトルクが伝わる。
ところが左右タイヤに異なるトルクを伝えられれば、戦車のように左右のクローラの回転差によって向きを変えることができる。これはトルクベクタリングと呼ばれていて、意図的に片側のタイヤだけにパワーを掛ければそちらだけ前進しようとして、クルマ自体に回転力を起こすことができる。すると極端に言えばハンドルを切らずに向きを変えることができる。もしくはハンドルを切る量を最小限にしつつ、クルマの向きを変えることができるのだ。
ヤマハ発動機ではスーパーセブンの前後に取り付けたGPSによってクルマの走行方向や角度を感知。その位置情報を活用しながら左右タイヤに異なるトルクを掛けることでクルマを曲がりやすくするための制御の研究を行っている。広場でのテストでは、アクセルは全開のまま緩いハンドル操作だけで定常円旋回を可能にしているという。こういった車体の制御などに着いても研究開発を行っているという。
◆注目の電動バイクや水素エンジンで未来のモビリティを提案
電動ビークルとしてもうひとつ注目なのは電動バイク。ヤマハではエボルビングR&D活動という制度がある。これは業務時間の5%の時間を自由に使えるルールで、そのなかから様々なチャレンジがされている。そこから生まれたのが電動トライアルバイクの開発である。2018年にこの制度から生まれた「TY-E」がFIM Trial-E CUPに参戦。見事優勝を果たしている。
トライアルはいかに足をつかずに、山や障害物を登っていけるかを競う競技。ライダーの意図通りにトルクが発生することが必要。しかも、そのトルクが大きいほど
2023年からは全日本選手権にエンジン車に混ざって参戦。モーターは瞬時に大きなトルクを発生させられる特性があり、その制御が重要。200種類ものマップをテストしながら、モーターによる出力の出し方を研究している。
そしてもうひとつ注目なのが水素エンジン搭載のレーシングカートである。ヤマハは古くからレーシングカートを製造していて、そこから育ったレーシングドライバーも多い。そんなカートを水素で走らせられないかというトヨタ自動車からら委託を受けてヤマハ発動機で開発。
モトクロスバイクのYZ250Fをベースに、水素を直接燃焼室に噴射できるように直噴化。水素は燃焼範囲が広く、インポート方向に火が広がるバックファイヤをしやすいので、ポート噴射よりも直噴化が適しているとのことで、ヘッドを改造。出力はガソリン使用時よりも数割落ちるというがすでにデモランなどが行われている。課題は水素を入れる高圧タンクが肉厚があり、たくさんの水素を積んで走ることができずどうしても航続距離が短くなってしまうという。そういった面での新たな課題を克服しつつ、次世代のモータースポーツに向けて開発に黒組んでいる。
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