「自分のクルマがほしい!」に応えた国産車専門ミニカーメーカー「one model」

「one model(ワンモデル)」というミニカーメーカーをご存知でしょうか? ホンダ・シビック(EF、EG)やインテグラ タイプR、三菱ランサー エボリューションなど、ちょっと懐かしい国産車を中心にラインナップされると聞けば、気になりますよね。one model日本資本を展開するのは、岐阜県美濃加茂市に本社を構える株式会社フリースタイル。同社にミニカー事業に関わった経緯や思いをフリースタイル営業部の木村さんに聞いてみました。

ミニカーにかける情熱でミニカーショップを出店。そしてメーカーへ

フリースタイルは、ミニカーを始めとしたホビー、古着、時計などの買取りや販売をする会社として2006年に誕生。創業者でもある東弘二社長の「趣味を活かした仕事をしたい」「何かを好きになる想いを通じて、社会貢献ができる仕事をしたい」という思いから、ホビーや古着の買取りセンター、通販サイトのほかに、ミニカー専門店「Boost Gear」(愛知県小牧市)の運営もするようになったそう。

愛知県小牧市にあるフリースタイルのミニカーショップ 「Boost Gear(ブーストギア)」
愛知県小牧市にあるフリースタイルのミニカーショップ 「Boost Gear(ブーストギア)」

そして2016年、グループの事業のひとつとして、ハンドメイド・ミニカーメーカー「one model」の日本資本の設立に関わり、「one model JAPAN」として、拠点を香港に置いているメーカーの国内向け商品である、国産車や国産のカスタムカーに関する企画・ 販売などもおこない、ホビーの展示会などにも積極的に参加。ミニカー業界でも、その名が知られるようになっています。

1/43と1/18、2つのスケールで展開。赤い箱が目印だ。写真は1/43のホンダ・シビック(EG6)
1/43と1/18、2つのスケールで展開。赤い箱が目印だ。写真は1/43のホンダ・シビック(EG6)

「自分が乗っているクルマが欲しい!」という声は多い

ラインナップは、現在のところすべてが国産車。その理由について、木村さんに伺うと、「ハンドメイドで繊細に作られた、“純正の日本車”はミニカーとしての製品化があまりされておらず、クルマ好きの方たちと交流する中で、製品化への要望が強いことがわかりました。クルマが好きな私たちとしても、クルマの魅力を伝えるためにミニカーを作りたい、そしてミニカーを通じて自動車業界を活性化させ、クルマ好きな方を増やしていきたい、そのきっかけのひとつとして『one model JAPAN』としての運営を始めました」との答えをいただきました。

ホンダ・シビック タイプR
ホンダ・シビック タイプR

「自分が乗っているクルマのミニカーが欲しい!」という要望はもちろん、「何年探しても自分のクルマのミニカーを見つけられない」という声も多いそう。

「そうした方たちは、価格よりもクオリティを重視されている方が多く、『one model JAPAN』も実車に近い仕上がりを目指しています。私たちの目標は、『欲しい』と思っている人の喜ぶ顔を見ることですね」(木村さん)

レクサスRC-F
レクサスRC-F

フリースタイルでは、「国産車の中でもなかなか手の届かない高級車や、みんなが憧れるような特別なクルマのミニカー化も手がけていきたい」という思いから、「ホンダ・インテグラタイプR」「三菱・ランサー・エボリューションⅥ トミ・マキネンエディション」といった国産スポーツカーを数多くモデル化。また、one model JAPANができるまでほとんどなかった、国産車のカスタマイズカーをモデル化していることも特徴です。ほかにも、2014年からスポンサーとしてレースにも参加している、スーパーGTマシンのミニカーも生産。

Rocket bunny NSX
Rocket bunny NSX

ミニカーを通じて日本のクルマ文化を発信していく

フリースタイルでは、「日本から、独自のクルマ文化が生まれている」と考えているそう。「海外のイベントなどに行くと、日本人の独特な感性から作られる日本のカスタムカーが、海外でも評価され始めていると感じます。これからも日本のクルマのおもしろさを、ミニカーを通じて発信していけたら」と木村さん。

今後はスーパーGTやWRC(世界ラリー選手権)など、国内外のレースやラリーで活躍したさまざまな国産車のミニカーや、レトロな旧車、新車購入の際のカラーサンプルとしても役立つようなリアルな1/18スケールのミニカーを作ってみたいとのこと。国産車ファンの方もミニカー好きな方も、株式会社フリースタイルとone model JAPANは要チェックです!

(取材・文:斎藤雅道 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]