今年は嬬恋で開催!公道を走るモータースポーツ「浅間ヒルクライム2018」
11月3日(土)~4日(日)の2日前、群馬県吾妻郡嬬恋村をぐるりと囲む「つまごいパノラマライン」で、「浅間ヒルクライム2018」が開催されました。
「浅間ヒルクライム」は、地域振興と自動車文化の育成を目的に2012年より行われているイベントで、2014年から公道を封鎖した競技を開催。日本国内で数少ない“公道を使ったモータースポーツイベント”として注目されているイベントです。
「ヒルクライム」の名のとおり、一定区間の“上り道”を駆け上がる、そのタイムを競うもの。戦前のヒストリックカーから最新のEV(電気自動車)まで、約130台のクルマが参加し、峠を駆け抜けました。
「速く走ればいい」わけではない
競技ルールは、コースとなる「つまごいパノラマライン」を2日間で3回走行し、主催者が設定する平均速度「59km/h」にいかに近づけるかを競います。カーブもゆるく走りやすいコースは、うっかりしているとかなり速度が乗ってしまうので、いかにスピードを自制できるかがポイントです。
参加資格は「2輪自動車(3輪)・4輪自動車のナンバー有り車両及びサーキット専用車両」で、競技は、戦前~1960年代車両の「ヒストリッククラス」、1970年~1990年代の「ネオヒストリッククラス」、2000年以降の現代車による「モダンタイムスクラス」の3クラスにわかれて行われます。
- ヒストリッククラス(戦前~1960年代):ボルボ アマゾン
- ネオヒストリッククラス(1970年~1990年代):スバル・インプレッサ
- モダンタイムスクラス(2000年代以降):アルピーヌA110
年代の幅の広ければ、ジャンルの幅も広いのが浅間ヒルクライムの特徴。日本での公道走行初披露となったジャガーのピュアEV「I-PACE」がジェット機のような風切り音をたてて駆け抜けていったと思いきや、ランボルギーニのレーシングカー「ウラカンGT3」が快音を高原に響き渡らせながら疾走したり、日産「シルビア」がベースの光岡「ラ・セード」が豪快なドリフト走行を披露したりと、見どころ満載でした。
- ジャガー・I-PACE
- ランボルギーニ・ウラカンGT3レーシングカー
- 光岡 ラ・セード(ドリフト仕様)
総合優勝は、「BALLYHOO MANTARAY(バリーフー・マンタレイ)」。このクルマは、「ルノースポール・スパイダー」というライトウェイトスポーツカーをベースに手作業で作られたカスタムモデルで、車名の通り「イトマキエイ」のような低く美しいデザインのスポーツカーです。こんな珍しいクルマの“走る姿”が見られるのは、浅間ヒルクライムならではですね。
クルマは“走る姿”がもっとも美しい
それまでの高峰高原から、「つまごいパノラマライン」へと場所を移して行われた浅間ヒルクライム。安全上の問題もあり、観戦ポイントが1箇所しかなかったのは、やや物足りなさを感じる部分ではありましたが、そのあたりは来年以降の展開に期待したいところ。日本でもこうした公道を封鎖して行われる競技が増えると、よりクラスやモータースポーツが身近になりそうですね。クルマは“走る姿“が一番美しいですから。
(取材・文・写真:クリハラジュン 編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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