キャラクターフィギュアで有名な「グッドスマイルカンパニー」が作る「いすゞ・エルガ」路線バスのミニカー。その誕生の背景とは?

まるで実車が並んでいるかのように精巧なバス(いすゞ・エルガ)のミニカー。どこのメーカーの製品かというと、キャラクターフィギュアメーカーとして知られる「グッドスマイルカンパニー(以下:GSC)」です。

GSCは、SUPER GT「GT300」クラスに、「初音ミク」カラーのAMG GTで参戦するグッドスマイルレーシングの運営会社でもあります。なぜ、フィギュアメーカーがバスのミニカーを? 株式会社グッドスマイルカンパニー・事業本部の塚本康仁さんに、製品化のきっかけなどを聞きました。

実は昔からミニカーの開発も行っていた

キャラクター関係のフィギュアやホビーで有名なGSCが、なぜ路線バスのミニカーを開発することになったのか、単刀直入に伺ってみると……。

「意外に思われるかもしれませんが、弊社では10年以上前からミニカーの開発・販売をやっており、当時からコブラなど、アメ車のミニカーを出していました。弊社の代表である安藝(あき)が、世代的にクルマ、特にアメ車やスーパーカーが好きで、スタッフにも好きな者が多いこともあり、ミニカーも取り扱っています」(塚本さん)

とのこと。しかし、その中でも路線バスというのはちょっと異質に思えます。しかも、同社では現在の路線バスシリーズは、いすゞ・エルガの1車種のみ。それには、塚本さんが深く関わっているそうです。

「この企画は、安藝からではなく、いすゞさんの方からオファーがあったんです。4年前の東京モーターショーだったでしょうか。そのとき、いすゞさんが新型エルガを発表したんですね。実はエルガは、私がクルマの趣味でのつながりがある方が設計に関わっていて、お声がけいただきました」(塚本さん)

なんとエルガが発表前から関わりがあり、2015年の東京モーターショーでは、レジン製のエルガのミニカーを限定販売したそう。このときの反響がよかったことから、正式に製品化を決めたのだと言います。

いすゞ自動車の展示施設「いすゞプラザ」で限定販売される試作車バージョンのミニカー
いすゞ自動車の展示施設「いすゞプラザ」で限定販売される試作車バージョンのミニカー

「東京モーターショーの会場限定でレジンモデルを販売したところ大変好評で、そのあともお問い合わせをたくさんいただきました。ですが、レジンだとどうしても数が作れないんですね。そこで、金型を作ってプラスティック製として量産しようという話になりました」(塚本さん)

なおスケールは、バスのミニカーとしては珍しい1/43。レジン製の会場限定モデルを作るときから、このサイズに決めていたそう。

「1/43はミニカーの標準的なスケールで、乗用車やスポーツカーの製品でよく採用されているサイズです。しかし、観光バスを除けば、バスのミニカーではほとんどありませんでした。そこで、路線バスファンの方々に、おもちゃではなくホビーのミニカーとしてお届けできるのでは? とこのスケールに決めました」(塚本さん)

路線ごとの違いも再現したこだわりに注目!

こうして生まれたエルガの1/43ミニカー。「本格的な路線バスのミニカーを作りたい」というこだわりから、その再現度はかなりのものです。

「可能な限り納車時の姿の再現をしています。各バス会社さんによって違う方向幕やミラーの配置も再現しました。あと、窓には注目して欲しいですね。通常ミニカーは内装を見せたいので透明にしがちですが、路線バスは乗客への日差しの配慮で若干、色が入っているんです。こうした部分も再現しました。内装に関しては金型の都合で、いすゞさんのものと同じ配列になっています。ですが、シートの柄はバス会社さんに順守しました」(塚本さん)

実車と同様、ウインドウガラスに色が入っているのがわかる
実車と同様、ウインドウガラスに色が入っているのがわかる
ナンバープレートは各バス会社の納入1号車の番号を採用している
ナンバープレートは各バス会社の納入1号車の番号を採用している
バス会社によって少しずつ異なるルーフの形状も再現
バス会社によって少しずつ異なるルーフの形状も再現

ラインナップ第1弾は、いすゞ自動車の展示施設「いすゞプラザ」で限定販売される試作車バージョンで、2017年4月に発売。その後、続々とラインナップが増え、現在は企画中のものと合わせて12種類があります。

「路線バスバージョンでは、国際興業バス、東急バス、神姫バスからラインナップしました。実車のエルガの納車時期と重なっていたことと利用者が多い路線であることが、当初ラインナップした理由です。その後は、バスマニアの方からの『どこどこ交通に新型が納車された』という情報を元にバス会社に問い合わせたりバス会社さんからアナウンスをもらったりして、ラインナップを増やしています」(塚本さん)

リリースすると意外なファン層に驚いたときも

いざリリースしてみて塚本さんが驚いたのが、ファン層だったとのこと。実は想定していたファン層ではなく、意外のところからの反響が強かったそうです。

価格は20,370円~23,148円(税別)。2019年3月には「神奈川中央交通 ふ88」もラインナップに加わる
価格は20,370円~23,148円(税別)。2019年3月には「神奈川中央交通 ふ88」もラインナップに加わる

「従来のクルマファン以上に、鉄道ファンからの反応が多くて驚きました。運転するのではなく、車両そのものを鑑賞するという面では、公共交通機関ということを考えれば、鉄道ファンの延長上にあるのでしょう。初めて気づかされたことでした。あと、アニメやキャラクターのファンの方もいましたね。鉄道とアニメは親和性が高いのか、私どものTwitterアカウントをフォローしているフォロワーさんのプロフィールをみると『アニメと〇〇線が好き!』という人を結構、見かけます」(塚本さん)

初めてエルガの情報をホームページに載せたときは、『Fate』や『初音ミク』と並んでエルガが載っており、それまでのキャラクターフィギュアファンから驚かれたようですが、今やすっかりグッドスマイルカンパニーの製品として定着しており、「エルガのミニカーは今後も続けていく」とのことでした。いすゞといえば「走れ~走れ~いすゞのトラック~の」歌もあるように、トラックのメーカーでもあります。そのあたりの製品化にも期待したいところです。

▼グッドスマイルカンパニー
URL:https://www.goodsmile.info/

(取材・写真.文:斎藤雅道 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

あわせて読みたい!

  • 12台入りBOXも発売予定!人気を博したカプセルトイ「1/64 サンバーコレクション」の魅力とは?
    12台入りBOXも発売予定!人気を博したカプセルトイ「1/64 サンバーコレクション」の魅力とは?
  • 1980年代の「グループBカー」が今になって続々とモデル化されるワケ
    1980年代の「グループBカー」が今になって続々とモデル化されるワケ
  • 新作ミニカーやプラモデルが続々登場した「宮沢模型展示会 2018秋」をレポート
    新作ミニカーやプラモデルが続々登場した「宮沢模型展示会 2018秋」をレポート
  • 都バスに取材! 路線バスが安全に運行するための秘訣
    都バスに取材! 路線バスが安全に運行するための秘訣
  • 『日本模型新聞』編集長に聞く、今クルマ系プラモデルが盛り上がっているワケ
    『日本模型新聞』編集長に聞く、今クルマ系プラモデルが盛り上がっているワケ

コラムトップ

  • コラムトップ
    コラムトップへ