自転車旅+バス旅が一緒に楽しめる! 北海道・道南地方を走るサイクリングバス

旅行先でのサイクリングは、楽しい行楽のひとつですよね。もし、サイクリングと一緒にバス旅を楽しむことができたら……? そんな希望が叶うバスが北海道に実在するんです。

2019年4月、北海道・道南地方に、自転車をそのまま積載できるサイクリングバスが登場しました。全国でも数少ないサイクリングバスを運行する函館バス株式会社 バス事業部営業課 伊藤龍一さんにお話を伺いました。

自転車10台積載OKの広々とした車内

――サイクリングバスを運行することになったきっかけは?

道南地方でも自転車の競技会が立ち上がったり、サイクリングを楽しむ方が増えたりと自転車に関することが活発になってきたという背景がありまして。その一助と言いますか、一緒に道南地方を盛り上げていけたら……という思いでサイクリングバスを運行することを決めました。

――車内はどのようになっているのですか?

積載スペースには最大10台載せられる
積載スペースには最大10台載せられる
整理券発行機よりも後ろ側の座席を全て取り外し、固定ベルトを設置しています。最大で自転車を10台積むことができます。自転車はそのまま積み込むことができますので、自転車を折りたたむ必要はありませんし、輪行袋(※注)に納めなくても大丈夫です。最大10台とうたってはいますが、11台以上になった場合は手荷物としてお客様自身でしっかり押さえて空きスペースに乗っていただくことも可能です。
自転車を安全に積み込めるよう工夫されている
自転車を安全に積み込めるよう工夫されている

実は弊社にも自転車乗りがおりまして、その者に設計に関して率直な意見を出してもらいました。

(※注)輪行袋=自転車を公共交通機関などに持ち込む際に収納するための大型バッグ

観光シーズンに合わせコースを変えて

――コースとしては、どのあたりを走っているのですか?

スタート時の4月は、函館―江差間を土日祝日のみ1日2往復で運行していました。最初は試験的な意味もあり、実際に走らせてみて、どのような反響があるかの様子を見ました。

その結果を踏まえて、8月4日からはコースを変更しました。

函館市内の湯の川温泉から函館駅や北海道新幹線の玄関口である新函館北斗駅、津軽海峡フェリーのターミナルを通って大沼公園までを1日1往復するコースとなっています。

運行日は土日祝日。朝9:00頃に湯の川を出発し、大沼国定公園には10:00過ぎに到着。大沼国定公園でサイクリングを楽しんでもらい、14:30には函館方面に向けて出発するという設定にしています。料金はバス運賃にプラス自転車積載料金として一律500円をいただいています。

8月4日からは、より観光にぴったりなコースに変更となっている
8月4日からは、より観光にぴったりなコースに変更となっている

実際の運行では意外な利用者も

――乗車したお客様の反応はいかがですか?

「自転車の旅が楽になったうえ、移動時間が自動車と同じくらいまで短縮できた」、「江差からの帰り道のトンネルや夜間の自転車の安全性が向上した」、「自転車の安全性を考慮されたバスで大変良かった」……などうれしい反響をいただいています。

意外だったのは、いわゆるママチャリで乗車するお客様もいらしたことです。私たちの想定ではスポーツタイプの自転車に乗るサイクリストが中心になるのではと考えていたものですから。しかも、頻繁にご利用いただいていましたので、非常にうれしかったですね。

――ホテルなどの貸自転車で利用するのもOKですか?

もちろんOKです。この函館市内から津軽海峡フェリーのターミナルを経由して大沼へというコースはこれまで弊社になかった路線なので、むしろ、これを機に自転車に乗る方以外にもぜひ乗車していただきたいと思っています。

また、貸し切りバスとしてサイクリングバスを利用していただくこともできます。サイクリングのサークルや仲間同士でお使いいただけたらうれしいですね。

低床車などのユニバーサルデザインのものが主流になりつつあるバスですが、発想をアクティブな方向に向けるのも地域の活性化の元になるのだと感じました。サイクリングバスは、雪で自転車に乗れない冬の時期には別形態にトランスフォームをする予定だそう。どんなバスに変化していくのかが楽しみです。

(取材・文:わたなべひろみ 編集:ミノシマタカコ+ノオト)

<取材協力>
函館バス株式会社
http://www.hakobus.co.jp/

[ガズー編集部]

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