第5話 三菱GTO…後ろ姿が印象的なウイング付きのクルマ特集
クルマの空力性能を高めるとともに、そのスタイリングの決め手にもなるのがリアウイング。今回は“立派な羽根”を持つことで知られる名車を週替わりで紹介します。
三菱GTO
GTOとは“Gran Turismo Omologato”の略で、「GT選手権用にホモロゲーションを受けたモデル」を意味する。1962年にフェラーリが250GTOに冠したのが始まりだが、その響きのよさから他社が量産車の名称やグレード名に採用するようになり、三菱も1970年代にギャランGTOと名乗るモデルを擁していた。そのGTOの名を復活させたのが、1990年に登場した三菱GTOである。
ラインナップ上はスタリオンの後継モデルで、シャシーはアッパーミドル級のFFセダンであるディアマンテがベース。その上に、一見したところミドシップ車のようなプロポーションの、リトラクタブルヘッドライトを備えた3ドアクーペボディーをまとっていた。
エンジンは3リッターV6 DOHC 24バルブ。最高出力225PSの自然吸気版と同280PSのツインターボ版があり、後者にはゲトラグ製の5段MTが組み合わされた。駆動方式は、輸出仕様にはFFもあったが、国内仕様はすべてフルタイム4WD。電子制御サスペンションや四輪操舵、前後のスポイラーが可変するアクティブエアロシステムなどのハイテク装備もふんだんに盛り込まれた。
1993年以降、ヘッドランプをプロジェクター化し、ツインターボエンジンのトランスミッションをゲトラグ製6段MTにするなど、改良やフェイスリフトが重ねられた。その度にリアスポイラーが大型化していき、1998年に登場した最終型のツインターボモデルでは写真のような姿となった。
[ガズー編集部]