学生たちと共に、クルマをもっと好きになる/ネッツトヨタ兵庫レーシングチーム vol.1 ~86/BRZ Race現場レポート~

9月22日(土)23日(日)にツインリンクもてぎにて開催されたTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 第7大会第8戦に行って来ました。

モータースポーツの現場で、自動車専門学校の学生さんたちが、「学ぶ」という目的で各エントラントのお手伝いをするというスタイルを、ここ10年くらい見かけるようになりました。私が仕事でお邪魔しているSUPER GTやスーパーフォーミュラのプロカテゴリーでは、その光景はもはや全く珍しくありません。

憧れの現場を実際に目にし、学ぶ事は、数年のうちに社会へ独り立ちして行く若者たちにとって、非常に刺激になる場だと思いますし、クルマ業界を目指している学生さんたちには、身近な指標となると思います。今回、このカテゴリーでは初めて学生を起用し、共に参戦することを始めた「ネッツトヨタ兵庫レーシングチーム」へ、お邪魔して参りました。

ネッツトヨタ兵庫レーシングチームは、今シーズン、プロフェッショナルシリーズに121号車 蒲生尚弥選手、813号車 坂裕之選手、クラブマンクラスへは、713号車 松原怜史選手をエントリーしています。

  • プロフェッショナルシリーズに参戦している坂裕之選手
    プロフェッショナルシリーズに参戦している坂裕之選手
  • クラブマンシリーズに参戦している松原怜史選手
    クラブマンシリーズに参戦している松原怜史選手

ネッツトヨタ兵庫レーシングチーム公式ホームページ
https://www.netzhyogo-racing.net/

今般、取材の為、チームのテントを幾度か訪問していたのですが、チームディレクターさんがいらっしゃるという事で、急遽、インタビューの時間を設けていただきました。つまりが、ネッツトヨタ兵庫株式会社の西村卓也社長にお会いできるという、まさかのいきなりトップのお話が聞けるというチャンス!
取材するこちら側としては、非常に緊張いたしますが、直にトップの声を聞けるのは、願ってもないチャンスですよね!今季、本腰を入れて参戦を始めたネッツトヨタ兵庫レーングチームについて、お話を伺って参りました。

蒲生尚弥選手とネッツトヨタ兵庫株式会社の西村卓也社長
蒲生尚弥選手とネッツトヨタ兵庫株式会社の西村卓也社長

――― 今年から、御社はモータースポーツ室を新設されたそうですが、それはなぜでしょうか

西村卓也社長(以下、西村):
ネッツトヨタ兵庫レーシングチームとなり、このカテゴリー参戦2年目を迎えた今年は、モータースポーツに参戦することも、もう少しきっちりやりたく、自分でやるぞ!と決め、弊社のマーケティング部のみんなと始めました。会社として始めた活動を内外にアピールすること、活動をこれから拡大していく際も、社内の人員を確保し、しっかりした組織として動くことも必要になると思いましたので、「室」としての活動を始めました。

――― そもそもモータースポーツを始めた理由は何でしょう

西村:
以前は、ヴィッツレースに出ておりましたが、モータースポーツを始めたのは、エンジニアがお店の中のルーティンワークだけで動くことに、いろいろ課題が見えて来ました。そこで、彼らに出来るだけたくさんの経験を積ませてあげたいと思っていたんです。他のチームの方々と話してみて、必要性も実感したので、参戦することにしました。昨年参戦してから、前戦までで若手から中堅のエンジニアたちに、現場での仕事をある程度経験させることができました。

――― 86/BRZ Raceを選んだ理由は

西村:
メーカーが頑張っていらっしゃるところで、我々も一緒に経験を積みたいと思いました。そこで、86/BRZ Raceへスイッチしました。

――― 今般、トヨタ神戸自動車大学校と共に戦う事にした理由は何でしょう

西村:
我々の地元にトヨタ神戸自動車大学校があります。費用は全てこちらで持つので、カリキュラムの一環として参加されませんか?と、声をかけさせていただきました。レースに参戦することで、各店舗から現場にエンジニアが一週間ほど出張すると、お店も人出不足で困るところも実はあります。特に、土日居なくなるのは、少し大変なんです。そこで、現場で我々の専任以外のエンジニアの代わりとして、学生さんが実習するのはどうかと考え、チームから大丈夫と了解をもらい、学生の参加の取り組みを始めました。

ここで、学校の生徒さんたちを青田買いするつもりはないのですが、仕事を体験していただくことで、将来のビジョンが見える学生もいるかもしれません。また、実践としてクルマを触る機会を与えてあげることも、良い経験になると思いました。もちろん、就職先に希望してくれたら、それはうれしい事です。学生さんの為、学校の為になればと思いますが、もちろん自分たちの為にもなればという思いですね。

――― モータースポーツをやっているディーラーというのは、就活のアピールになると思いますか?

西村:
もちろん、就職してから全員の方にモータースポーツを経験していただくのは無理ではありますが、モータースポーツで経験する生の体験は、仕事に非常に役に立つと思います。ですので、モータースポーツ好きな学生さんに就職先として選択肢に入れていただけるとうれしいです。弊社のモータースポーツ活動は、リクルーティングの一環でもありますので、就職の説明会では積極的にお話をさせていただいております。

――― 西村社長は、モータースポーツはお好きですか?

西村:
僕は、昔F1とか見たことはありますが、モータースポーツというより、もっと広く“クルマ好き”ですよ! 今は、トヨタ自動車さんがモータースポーツを一生懸命やっているので、我々もそういう思いを一緒に体験していき、もっとクルマを好きになる責任もあるだろうとも考えていて、まさに今、一生懸命頑張っています!

ありがとうございました。トップの理解は大事ですし、トップが積極的なら言うことなし。モータースポーツの活動は、机上だけでは分かりきれないクルマに関するあらゆることの学びになると、勝手に思っている私。もちろん、机上で完結することもたくさんありますが、クルマを扱うお仕事なら、モータースポーツに造詣を深めるのは、けっして寄り道ではないと思うのですよ。資金のかかるお話なので、簡単には言えませんけどね。
(vol.2に続く!)

(写真:折原弘之・大谷幸子 / テキスト:大谷幸子)

[ガズー編集部]

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