【動画】レクサスUX300e 試乗インプレッション 車両紹介編

今回ピックアップするのは、レクサスブランド初の電気自動車(EV)「UX300e」。前編では、EVならではの特徴的なメカニズムや、デザインの注目すべきポイントについて解説する。

レクサス最小のSUVとして3年前に発表されたUXはまず、チーフエンジニアが女性であることが注目された。最近の東京2020大会組織委員会会長の女性蔑視発言などを考えれば、女性というだけでスポットを当てること自体、時代錯誤も甚だしいと思うだろう。それだけ自動車業界が男社会だったことを示したエピソードでもある。

そのUX、デザインもそれまでのレクサスとひと味違っていた。全体的にエッジを効かせた造形は、当時の他のレクサスにも共通していたけれど、フロントマスクはセダンの「IS」ほどアグレッシブな表情ではなく、穏やかな雰囲気を醸していた。

驚いたのはその後、セダンのISと「LS」が相次いでマイナーチェンジして、このUXに似たフロントマスクになったことだ。今のカーデザインのトレンドは、電動化という流れもあって、ダイナミックからシームレスへの移行が目立つ。UXは今のレクサスデザインの方向性を示したモデルでもあったのだ。

さらに目につくのは左右のリアコンビランプをつないだ後ろ姿だ。その後ISや「アウディQ8」、「トヨタ・ハリアー」なども似たような造形で登場。先日デビューした新型「ホンダ・ヴェゼル」では、その点がハリアーに似ていることを指摘する人もいた。

でもこれらの中で最も早く登場したのはUXであるわけで、トレンドセッター的な存在といえる。

インテリアはインパネの一部に和紙の風合いを再現し、シートには刺し子をモチーフにしたステッチを用いるなど、和のエッセンスを取り入れているが、いずれもこれ見よがしではなく、さり気なく取り入れているのが好印象だ。

今回試乗したEVのUX300eも、基本的なデザインはガソリン車やハイブリッド車と変わらない。違う点を挙げればアルミホイールの造形やボディーサイドの「ELECTRIC」ロゴぐらいである。

でもそれでいいと思う。UXのデザインは今のトレンドを絶妙に取り込み、レクサスブランドの方向性をうまく表現していると思うからだ。そしてこのボディーは少なくともガソリン車よりEVのほうが似合うことも、試乗で明らかになった。

(文:モータージャーナリスト・森口将之)

[ガズー編集部]

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