新型「ホンダ・シビック」を清水草一が絶賛「若い人にもぜひ乗ってもらいたい!」
シビックは、走らせると「じわっといい」クルマです。
エンジンは4気筒の1.5リッターターボ、最高出力182PS。決してそれほどパワフルではないけれど、じわっとパワーが湧き出てくる。必要なぶんだけ出てくる感じは、源泉かけ流し温泉みたいだ。決して過剰じゃなく、適度に濃いのがチョロチョロ出てきて心地いい。
6段MTなら、その気持ちよさは倍加する。いや2倍じゃ済まないな、10倍だな。シフトフィールが気持ちよくて止まらない! やめられない止まらないとはこのことだ。必要なくてもギアチェンジしたくなる! さすがホンダ。MTが絶滅にひんしていても、MTのつくり込みには妥協できないんだね。その気持ちがうれしいよ!
今回乗ったのは6段MTモデルですが、CVTの出来もいい。3つのドライブモードがあって、気分に合わせて切り替えられる。実際には「ノーマル」だけで十分なので、あんまり切り替えることはないかもしれないけど、「切り替えられる」という可能性は重要だ。「よし、今日はスポーツモードで行くぜ!」とか、「渋滞か……。エコモードでACCだ!」とか。オレのトム・クルーズ機能ですね(前編参照)。
足まわりもじわっといい。じわっと快適でじわっとスポーティー。つまりバランスがいい。コーナリングもじわっといい。決してクイックすぎず、じわっと気持ちよく曲がってくれる。もちろん安全性もじわっと優れている。当然「ホンダセンシング」は標準装備だ。
これといって突出した部分はないんだけど、走らせると、すべてがじわっと染みてくる。いつまでも走っていたくなる。新型シビックは、そんなオレのトム・クルーズに仕上がっている。おっさんも、新型シビックに乗ればトム・クルーズになれる! といいな。
(文:自動車ライター・清水草一)
[GAZOO編集部]
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