新型フリードの2列目がベストな理由
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ホンダ・フリード
ミニバンの「2列目ゴージャス化」が止まらない状況が続いています。「アルファード/ヴェルファイア」クラスだけでなく、「ノア/ヴォクシー」でもオットマンやシートヒーターが2列目に装備された時は「ついにきたか」と思ったものです。でもこの新型「フリード」は、別のアプローチから2列目シートへのこだわりが詰め込まれたミニバンだと感じました。
聞けば、フリードのユーザーにアンケートをとったところ、運転する人が一番気にかけているのが「2列目に座る家族が快適かどうか、乗り心地がいいかどうか」だという結果が出たそう。そこで開発チームは、従来にも増して「2列目ベストのクルマ」にしようと力を入れ、サスペンションやタイヤ、音や振動に関する性能もすべて、2列目シートに座ってどうか、という点に主眼を置いてセッティングしたというのです。
特に2列目のキャプテンシートは、骨格そのものは変わっていませんが、シートパッドの形状設計をやり直し、お尻がしっかりと座面の奥におさまり、膝裏までサポートされるようにしたのだとか。そのため座ってみると、まるで座面長が延びたかのように掛け心地がアップしていて、ゆったり座ることができるのが印象的でした。
私自身、子どもがチャイルドシートを使っている時には、お世話をするためその隣に座ることが多く、ミニバンの2列目シートというのはこんなにも揺れて、音もうるさいものなのかと、がくぜんとした経験があります。しかも、夏はエアコンの風がなかなか回ってこなくてものすごく暑い! 汗っかきで体温が高い子どもは、チャイルドシートに囲まれているためなおさら暑いはずで、それが原因でグズってしまうこともたびたびありました。
ですから、新型フリードに後席用のリアクーラーが新設定されたと聞いて、この「2列目ベスト」への本気を表していると感心。実際、外気温37℃の猛暑日に試乗してみましたが、とても涼しくて、強く利かせると3列目シートにいても寒くなるくらいの威力でした。
そんな新型フリードは、家族の居心地の良さを一番に考える人が選ぶミニバンにふさわしい実力を備えていると思います。
(文:カーライフ・ジャーナリスト・まるも亜希子)
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