【DS 4 クリーンディーゼル 試乗】さりげない上質感の裏に、確かな燃費性能と実用性がある…島崎七生人
今はシトロエンから独立したDS。“ダブルシェブロン”が外された最新モデルは「どちら様でしたっけ?」と、ミステリアスな印象がより強まったともいえる。
試乗車は現行DSラインアップの中核モデルの『DS 4』のBlueHDi、すなわちクリーンディーゼル搭載モデル。DS 4自体、あとから「クロスバック」が加わっているが、それより全高で30mm、ロードクリアランスで20mm低いのがこちらのベースモデル。とはいえ(話はややこしいが)そもそもSUV風味のクロスオーバーなスタイリングとフォルムを持つだけに、クロスバックから乗り換えたとしても、見晴らし感覚の乗車ポジションから眺める街の風景は、いつもと違って“絵”のようにも見える…といったら言いすぎか?
室内のデザインは上級の『DS 5』より凝りようこそ控えめ。けれどインパネやドアトリム、シート表皮など、普段触れる部分の素材のちょっとしたこだわりが、さり気なく上質感を味わわせてくれる。そのあたりの使い心地のよさは“DS”ならではだ。
ちなみにちょうとサンバイザーの幅程度ルーフを後方に押しやることで頭上の視界がさらに開ける“パノラミックフロントウインド”は、相変わらずユニークな装備のひとつ。通常のガラスルーフはどちらかといえば後席の乗員用という場合も多いが、こちらは正真正銘、前席用のアメニティだ。他方で後席ドアのガラスが固定式なのは、このクルマを見た誰もが指摘する部分。確かに、走り出して室内の空気を一気に入れ替えたい場合など効率の点でハンデがある。けれどスタイリングのため迷わずそうした…そんな狙いが文字通り肌で感じられる設計でもある。
乗り味はトガったところが控えめな穏やかなものだ。ここ最近のシトロエン(とプジョー)の乗り味は、ひと頃に較べ個性抑えめ。そんな感触はあるものの、高速走行でなめらかさが一段と増すなど、侮れないクルマとしてのポテンシャルの高さを実感させてくれる。
そしてディーゼルエンジンの乗りやすさ。2リットル・ターボで180ps/400Nmの性能をもつこのユニットは、街中から高速走行まで一切のストレスなく軽やかに回る。6速ATとの組み合わせも洗練されており、スムースな変速を実行してくれる。さらに借り受けて400km走行した際の実燃費は実に20.0km/リットルだった。カタログ数値(19.2km/リットル)を僅かながら上回った結果だったが、安心感のある走りっぷり、実用性を考えれば納得がいく経済性もモノにしているという訳だ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
試乗車は現行DSラインアップの中核モデルの『DS 4』のBlueHDi、すなわちクリーンディーゼル搭載モデル。DS 4自体、あとから「クロスバック」が加わっているが、それより全高で30mm、ロードクリアランスで20mm低いのがこちらのベースモデル。とはいえ(話はややこしいが)そもそもSUV風味のクロスオーバーなスタイリングとフォルムを持つだけに、クロスバックから乗り換えたとしても、見晴らし感覚の乗車ポジションから眺める街の風景は、いつもと違って“絵”のようにも見える…といったら言いすぎか?
室内のデザインは上級の『DS 5』より凝りようこそ控えめ。けれどインパネやドアトリム、シート表皮など、普段触れる部分の素材のちょっとしたこだわりが、さり気なく上質感を味わわせてくれる。そのあたりの使い心地のよさは“DS”ならではだ。
ちなみにちょうとサンバイザーの幅程度ルーフを後方に押しやることで頭上の視界がさらに開ける“パノラミックフロントウインド”は、相変わらずユニークな装備のひとつ。通常のガラスルーフはどちらかといえば後席の乗員用という場合も多いが、こちらは正真正銘、前席用のアメニティだ。他方で後席ドアのガラスが固定式なのは、このクルマを見た誰もが指摘する部分。確かに、走り出して室内の空気を一気に入れ替えたい場合など効率の点でハンデがある。けれどスタイリングのため迷わずそうした…そんな狙いが文字通り肌で感じられる設計でもある。
乗り味はトガったところが控えめな穏やかなものだ。ここ最近のシトロエン(とプジョー)の乗り味は、ひと頃に較べ個性抑えめ。そんな感触はあるものの、高速走行でなめらかさが一段と増すなど、侮れないクルマとしてのポテンシャルの高さを実感させてくれる。
そしてディーゼルエンジンの乗りやすさ。2リットル・ターボで180ps/400Nmの性能をもつこのユニットは、街中から高速走行まで一切のストレスなく軽やかに回る。6速ATとの組み合わせも洗練されており、スムースな変速を実行してくれる。さらに借り受けて400km走行した際の実燃費は実に20.0km/リットルだった。カタログ数値(19.2km/リットル)を僅かながら上回った結果だったが、安心感のある走りっぷり、実用性を考えれば納得がいく経済性もモノにしているという訳だ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
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