【スバル WRX S4 新型試乗】スポーツセダンを好む多くのユーザーが待ち望んだ存在…中谷明彦
スバルが誇るスポーツブランドである『WRX』が進化して登場した。
WRXは1992年にモータースポーツで戦うために誕生し、当初は『インプレッサWRX』と名乗ってWRC(世界ラリー選手権)などで大活躍。その実績は数多く、スバルのスポーツブランドとして確立されている。それから4世代、インプレッサはS4へと進化し、WRX S4として進化し続けているのだ。
長年にわたる活躍で世界中に多くの熱いファンを生み、世界各国でWRXオーナーによるミーティング等も開かれていて、「スバリスト」という言葉を生むほど熱狂的なファンに支えられている。
これまでの『WRX S4』は2リットル水平対向ターボエンジンを搭載し、2014年に登場した。それが今回は、2.4リットルのターボエンジンが搭載されることとなり、世界中のスバリストやスポーツセダンファンの注目を集めている。
ハイパフォーマンスカーとして完成させた3つの価値
今回の新型WRX S4には3つの価値が設定されている。そのまず1つはハイパフォーマンスカーとしての価値。これはパワーと加速や一体感、そして最高峰と言える操縦安定性に、乗り心地や静粛性などの実用性能を持たせること。さらに力強いステアリングでそれを表現することとなっている。
これらを従来スバルが持っているオリジナル性の高い価値であるシンメトリカルAWDレイアウトや衝突安全性、またアイサイトやアイサイトXなどの先進機能と組み合わせて、日常やレジャーで使える実用性を備える使い勝手の良いパッケージングでありながら、オールホイールドライブ(AWD)のハイパフォーマンスカーとして完成させたということだ。
今回はプロトタイプモデルということで、試乗コースは「袖ヶ浦フォレストレースウェイ」のクローズドコースとなった。前日の雨の影響で路面は所々ウェットの状態であるが、四輪駆動のAWDシステムを誇るだけに、むしろその特性を引き出すには好都合の路面状況と言えるかもしれない。
SUVのような出立ちも視点を変えれば
試乗車は「STi SPORT-R」を名乗るグレードだ。まず外観的にWRX S4のスタイリングは非常にバランスが良く好感が持てるものだが、そのフロント下部のスポイラー周り、さらに前後ホイールハウスのアーチ部分、またサイドステップガーニッシュを黒い樹脂製のカバーで覆い、一見「SUV」のような出立ちとなっている。これは好みが分かれそうな部分ではあるが、レーシングカーに見られる“オーバーフェンダー的役割を担っている”と視点を変えると非常に受け入れやすい。
さらにその表面部分には空力テクスチャーとしての役割を与えるノウハウが注ぎ込まれていて、非常に細かなハニカム(蜂の巣状)のヘキサゴンパターン加工が施されている。これはホイールアーチ周りを流れる空気の流れをコントロールして車体からの剥離を抑制することで、空気抵抗を減らす役割をもっている。
前後のホイールアーチモールの後部にはアウトレットが設けられ、ホイールハウス内の高圧エアーを後方へスムーズに流すように工夫がされている。またフロントバンパー下のスポイラーから大型のフロアアンダーカバーを通る空気の流れをスムーズにするための措置が施され、リアエンドのトランクをキックアップ形状としてスポイラー効果を持たせるなど、揚力の低減と前後空力バランスの適正化も行っている。これは非常に低速域から効果が発揮されるもので、その効果を体感することも今回の試乗の目的と言える。
2.4リットルターボと組み合わせる「CVTの逆襲」
エンジンは2.4リットルの直噴ターボ FA24型となり、最高出力は275ps、最大トルクは375Nmとなっている。これまでの2リットルターボエンジンであったWRX S4は、最高出力300ps、最大トルク400Nmといずれも最大値としては勝っていたが、新型は実用域でのトルクをより大きく引き出し、アクセルレスポンスを向上高させるなどして、実質的な加速性能は高まっているという。
例えば、70km/hから加速させ0.5Gの加速Gを引き出すまでの時間で言うと、従来の2リットルターボ車よりも30%ほど向上しており、胸のすく加速感を実現したと言うことだ。
トランスミッションはCVTのオートマチックトランスミッションを採用しているが、このCVTにも大きな変更が与えられ、スバルは「CVTの逆襲」と謳っている。1つには、変速比を8段階に設定し、通常無段変速のCVTでありながら意図的に8速ギアのMT車のような扱い方を狙った変更が加えられている。
トランスミッションにはSI-DRIVEというモードの切り替えスイッチが備えられ「I」「S」「S#(シャープ)」「マニュアル」と4つのモードを切り替えることができるが、Iモードでは無段階のCVTとして市街地などでの実用性や燃費を高める。S以上のモードだと変速特性を8段変速とし、シフトアップ速度を高め、またシフトダウンも行うようになる。シフトダウン時にはブリッピングを伴い、まるでDCT車と同じような走行フィールが得られるという。
サーキット走行を楽しむならMT車を待つべき
実際に走り出して1コーナーめがけて加速してみる。今回、ドライブモードの選択が可能となり「コンフォート」「ノーマル」「スポーツ」「スポーツ+」が設定されている。これらは(1)パワーユニットの特性(2)電制ダンパー(3)パワーステアリング特性(4)AWD特性(5)エアコン制御(6)アイサイト、を変化させるものだ。
デフォルトはノーマルで非常にスムーズで滑らかな加速フィールを見せる。このノーマルモードにおいては、特にスポーツ性の高さや性能の向上を感じることはないが、クルマ全体の剛性感やステアリングのしっかり感、レスポンスの良さなどが進化したことがわかる。また空力テクスチャーが確かに車体のふらつきを抑え、しっかりとした接地フィールを生み出しているようだ。
スポーツモードに変更すると、ターボの過給応答性が高まり、よりクイックに加減速ができるようになる。さらにサーキット走行ということでスポーツ+までを試すと、より一層トルクが力強く発揮され足回りも固くなってコーナリング限界特性が高まった。
CVTトランスミッションはトルクコンバーターを介して作動しているが、その内部にロックアップクラッチを装備している。SI-DRIVEのモード変更でその締結力を強め、締結速度も早めて直結感を引き出している。シフトアップに関しては、この機械の制御に任せておけば最大加速Gを維持してサーキットを周回できるが、減速時になるとS#でもシフトダウンがやや物足りない面がある。
一般道におけるスポーツ走行レベルであれば、ブリッピングを伴ったシフトダウンが引き出されスポーツフィールを楽しむことが出来るのだが、サーキットを限界域で攻めるような走りになると、トランスミッションの保護制御から車速が必要充分に落ちていないとシフトダウンが行われない。ブレーキングへの負担を軽めるために、意図的にパドル操作でマニュアルシフトにより変速操作を行っても車速が落ちきっていないと操作自体がキャンセルされてしまうといった具合で、その部分については若干苛立ちを覚えるところだ。
さらにサーキットを連続走行していると油温が高まるせいか、トランスミッションのオイルポンプギアノイズが室内に入ってくる。やはりCVTでサーキットを連続して走るということが非常に過酷な状況と言え、サーキット走行を思いっきり楽しむのであれば、今後登場が予想されるマニュアルトランスミッション搭載車を待つしかあるまい。
2ピニオン式となったパワーステアリングで、バランスの良い特性に
一方でハンドリングに関しては非常にバランスの良い特性を示していた。特筆できるのは2ピニオン式となったパワーステアリングで非常に剛性感が高く、微小な操舵操作に対して正確にレスポンスし、またクイックな反応も見せる。通常の二輪駆動であれば、これほどの過剰なレスポンスを与えてしまうとコーナー部分で車両姿勢が不安定になってしまいそうだが、そこは4WDのトラクションの良さで常に安定方向に力が加わり、決して車が破綻することはない。
それを担っているのはVDCと呼ばれる電子制御であるが、ちなみにこのVDCをオフにしてサーキットを攻めると、タイヤが冷えているような場面、あるいは路面にウェットパッチが残っているような部分においては、ブレーキングオーバーステアが強烈でリアが弾き出されることがあった。4WDゆえ、アクセルオンをすればそのスピンモードから立ち上がることができる。
今回、新型WRX S4に採用されたセンタートランスファーは、前後トルクバランスをフロント45、リア55と設定していて、ハンドリングの良さを狙ったセッティングとなっているのだが、特にスポーツモード以上で強力なターボトルクを引き出すとプッシュアンダーが示される場面もある。コーナーの入り口からクリッピングポイントの前後、そして立ち上がり区間で車両姿勢に 一貫性がなく、オーバーステアからアンダーステアへの切り替わりが度々起こることが若干気になる部分ではあった。それも含めてスバルAWDの乗り味としてスバリストの多くは受け入れ楽しんでいるのだろう。
スポーツセダンを好む多くのユーザーが待ち望んだ存在
室内は非常にスポーティかつ豪華に仕上げられ、黒をベースに赤いステッチが織り込まれたダッシュボードやセンターコンソール、そしてオプションだが、黒と赤のツートンからなるレカロの専用シートなどを装着すると、より一層スポーティな雰囲気が醸し出されてくるのである。
タイヤはダンロップ社製245/40R18であり、幅広い接地面積が確保されてサーキット走行でも充分なグリップパフォーマンスを発揮していた。
新型WRX S4の登場は、スバリストだけでなくスポーツセダンを好む多くのユーザーが待ち望んだもの。2リットルの枠を超えて2.4リットルのキャパシティーが与えられたことで、より多くの愛好家にとって気になる存在となったことだろう。
三菱の『ランサーエボリューション』が廃止されて以降、孤軍奮闘しているとも言えるスバルWRX S4。電動化モデルが増える中で、WRXブランドの役割はより一層マニアックで熱烈なファンに支えられていくことになるだろう。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★
中谷明彦|レース&テストドライバー/自動車関連コンサルタント大学在学中よりレーサー/モータージャーナリストとして活動。1988年全日本F3選手権覇者となるなど国内外で活躍。1997年よりドライビング理論研究会「中谷塾」を開設、2009年より東京大学と自動車新技術の共同研究に取組む。自動車関連の開発、イベント運営など様々な分野でのコンサルタントも行っている。
WRXは1992年にモータースポーツで戦うために誕生し、当初は『インプレッサWRX』と名乗ってWRC(世界ラリー選手権)などで大活躍。その実績は数多く、スバルのスポーツブランドとして確立されている。それから4世代、インプレッサはS4へと進化し、WRX S4として進化し続けているのだ。
長年にわたる活躍で世界中に多くの熱いファンを生み、世界各国でWRXオーナーによるミーティング等も開かれていて、「スバリスト」という言葉を生むほど熱狂的なファンに支えられている。
これまでの『WRX S4』は2リットル水平対向ターボエンジンを搭載し、2014年に登場した。それが今回は、2.4リットルのターボエンジンが搭載されることとなり、世界中のスバリストやスポーツセダンファンの注目を集めている。
ハイパフォーマンスカーとして完成させた3つの価値
今回の新型WRX S4には3つの価値が設定されている。そのまず1つはハイパフォーマンスカーとしての価値。これはパワーと加速や一体感、そして最高峰と言える操縦安定性に、乗り心地や静粛性などの実用性能を持たせること。さらに力強いステアリングでそれを表現することとなっている。
これらを従来スバルが持っているオリジナル性の高い価値であるシンメトリカルAWDレイアウトや衝突安全性、またアイサイトやアイサイトXなどの先進機能と組み合わせて、日常やレジャーで使える実用性を備える使い勝手の良いパッケージングでありながら、オールホイールドライブ(AWD)のハイパフォーマンスカーとして完成させたということだ。
今回はプロトタイプモデルということで、試乗コースは「袖ヶ浦フォレストレースウェイ」のクローズドコースとなった。前日の雨の影響で路面は所々ウェットの状態であるが、四輪駆動のAWDシステムを誇るだけに、むしろその特性を引き出すには好都合の路面状況と言えるかもしれない。
SUVのような出立ちも視点を変えれば
試乗車は「STi SPORT-R」を名乗るグレードだ。まず外観的にWRX S4のスタイリングは非常にバランスが良く好感が持てるものだが、そのフロント下部のスポイラー周り、さらに前後ホイールハウスのアーチ部分、またサイドステップガーニッシュを黒い樹脂製のカバーで覆い、一見「SUV」のような出立ちとなっている。これは好みが分かれそうな部分ではあるが、レーシングカーに見られる“オーバーフェンダー的役割を担っている”と視点を変えると非常に受け入れやすい。
さらにその表面部分には空力テクスチャーとしての役割を与えるノウハウが注ぎ込まれていて、非常に細かなハニカム(蜂の巣状)のヘキサゴンパターン加工が施されている。これはホイールアーチ周りを流れる空気の流れをコントロールして車体からの剥離を抑制することで、空気抵抗を減らす役割をもっている。
前後のホイールアーチモールの後部にはアウトレットが設けられ、ホイールハウス内の高圧エアーを後方へスムーズに流すように工夫がされている。またフロントバンパー下のスポイラーから大型のフロアアンダーカバーを通る空気の流れをスムーズにするための措置が施され、リアエンドのトランクをキックアップ形状としてスポイラー効果を持たせるなど、揚力の低減と前後空力バランスの適正化も行っている。これは非常に低速域から効果が発揮されるもので、その効果を体感することも今回の試乗の目的と言える。
2.4リットルターボと組み合わせる「CVTの逆襲」
エンジンは2.4リットルの直噴ターボ FA24型となり、最高出力は275ps、最大トルクは375Nmとなっている。これまでの2リットルターボエンジンであったWRX S4は、最高出力300ps、最大トルク400Nmといずれも最大値としては勝っていたが、新型は実用域でのトルクをより大きく引き出し、アクセルレスポンスを向上高させるなどして、実質的な加速性能は高まっているという。
例えば、70km/hから加速させ0.5Gの加速Gを引き出すまでの時間で言うと、従来の2リットルターボ車よりも30%ほど向上しており、胸のすく加速感を実現したと言うことだ。
トランスミッションはCVTのオートマチックトランスミッションを採用しているが、このCVTにも大きな変更が与えられ、スバルは「CVTの逆襲」と謳っている。1つには、変速比を8段階に設定し、通常無段変速のCVTでありながら意図的に8速ギアのMT車のような扱い方を狙った変更が加えられている。
トランスミッションにはSI-DRIVEというモードの切り替えスイッチが備えられ「I」「S」「S#(シャープ)」「マニュアル」と4つのモードを切り替えることができるが、Iモードでは無段階のCVTとして市街地などでの実用性や燃費を高める。S以上のモードだと変速特性を8段変速とし、シフトアップ速度を高め、またシフトダウンも行うようになる。シフトダウン時にはブリッピングを伴い、まるでDCT車と同じような走行フィールが得られるという。
サーキット走行を楽しむならMT車を待つべき
実際に走り出して1コーナーめがけて加速してみる。今回、ドライブモードの選択が可能となり「コンフォート」「ノーマル」「スポーツ」「スポーツ+」が設定されている。これらは(1)パワーユニットの特性(2)電制ダンパー(3)パワーステアリング特性(4)AWD特性(5)エアコン制御(6)アイサイト、を変化させるものだ。
デフォルトはノーマルで非常にスムーズで滑らかな加速フィールを見せる。このノーマルモードにおいては、特にスポーツ性の高さや性能の向上を感じることはないが、クルマ全体の剛性感やステアリングのしっかり感、レスポンスの良さなどが進化したことがわかる。また空力テクスチャーが確かに車体のふらつきを抑え、しっかりとした接地フィールを生み出しているようだ。
スポーツモードに変更すると、ターボの過給応答性が高まり、よりクイックに加減速ができるようになる。さらにサーキット走行ということでスポーツ+までを試すと、より一層トルクが力強く発揮され足回りも固くなってコーナリング限界特性が高まった。
CVTトランスミッションはトルクコンバーターを介して作動しているが、その内部にロックアップクラッチを装備している。SI-DRIVEのモード変更でその締結力を強め、締結速度も早めて直結感を引き出している。シフトアップに関しては、この機械の制御に任せておけば最大加速Gを維持してサーキットを周回できるが、減速時になるとS#でもシフトダウンがやや物足りない面がある。
一般道におけるスポーツ走行レベルであれば、ブリッピングを伴ったシフトダウンが引き出されスポーツフィールを楽しむことが出来るのだが、サーキットを限界域で攻めるような走りになると、トランスミッションの保護制御から車速が必要充分に落ちていないとシフトダウンが行われない。ブレーキングへの負担を軽めるために、意図的にパドル操作でマニュアルシフトにより変速操作を行っても車速が落ちきっていないと操作自体がキャンセルされてしまうといった具合で、その部分については若干苛立ちを覚えるところだ。
さらにサーキットを連続走行していると油温が高まるせいか、トランスミッションのオイルポンプギアノイズが室内に入ってくる。やはりCVTでサーキットを連続して走るということが非常に過酷な状況と言え、サーキット走行を思いっきり楽しむのであれば、今後登場が予想されるマニュアルトランスミッション搭載車を待つしかあるまい。
2ピニオン式となったパワーステアリングで、バランスの良い特性に
一方でハンドリングに関しては非常にバランスの良い特性を示していた。特筆できるのは2ピニオン式となったパワーステアリングで非常に剛性感が高く、微小な操舵操作に対して正確にレスポンスし、またクイックな反応も見せる。通常の二輪駆動であれば、これほどの過剰なレスポンスを与えてしまうとコーナー部分で車両姿勢が不安定になってしまいそうだが、そこは4WDのトラクションの良さで常に安定方向に力が加わり、決して車が破綻することはない。
それを担っているのはVDCと呼ばれる電子制御であるが、ちなみにこのVDCをオフにしてサーキットを攻めると、タイヤが冷えているような場面、あるいは路面にウェットパッチが残っているような部分においては、ブレーキングオーバーステアが強烈でリアが弾き出されることがあった。4WDゆえ、アクセルオンをすればそのスピンモードから立ち上がることができる。
今回、新型WRX S4に採用されたセンタートランスファーは、前後トルクバランスをフロント45、リア55と設定していて、ハンドリングの良さを狙ったセッティングとなっているのだが、特にスポーツモード以上で強力なターボトルクを引き出すとプッシュアンダーが示される場面もある。コーナーの入り口からクリッピングポイントの前後、そして立ち上がり区間で車両姿勢に 一貫性がなく、オーバーステアからアンダーステアへの切り替わりが度々起こることが若干気になる部分ではあった。それも含めてスバルAWDの乗り味としてスバリストの多くは受け入れ楽しんでいるのだろう。
スポーツセダンを好む多くのユーザーが待ち望んだ存在
室内は非常にスポーティかつ豪華に仕上げられ、黒をベースに赤いステッチが織り込まれたダッシュボードやセンターコンソール、そしてオプションだが、黒と赤のツートンからなるレカロの専用シートなどを装着すると、より一層スポーティな雰囲気が醸し出されてくるのである。
タイヤはダンロップ社製245/40R18であり、幅広い接地面積が確保されてサーキット走行でも充分なグリップパフォーマンスを発揮していた。
新型WRX S4の登場は、スバリストだけでなくスポーツセダンを好む多くのユーザーが待ち望んだもの。2リットルの枠を超えて2.4リットルのキャパシティーが与えられたことで、より多くの愛好家にとって気になる存在となったことだろう。
三菱の『ランサーエボリューション』が廃止されて以降、孤軍奮闘しているとも言えるスバルWRX S4。電動化モデルが増える中で、WRXブランドの役割はより一層マニアックで熱烈なファンに支えられていくことになるだろう。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★
中谷明彦|レース&テストドライバー/自動車関連コンサルタント大学在学中よりレーサー/モータージャーナリストとして活動。1988年全日本F3選手権覇者となるなど国内外で活躍。1997年よりドライビング理論研究会「中谷塾」を開設、2009年より東京大学と自動車新技術の共同研究に取組む。自動車関連の開発、イベント運営など様々な分野でのコンサルタントも行っている。
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