トヨタ 86(ハチロク) 商品概要(インテリア) 2012年2月

インテリアデザインのコンセプト

エクステリア同様、「NEO FUNCTIONALISM」をデザインコンセプトとし、クルマと一体となる、運転の楽しさを堪能する、という目的のために操作性、機能性を徹底的に追求しました。そのため、ドライバー本位の視点から、機能部品に重点を置いた開発アプローチをとり、ステアリングホイール、メーター、操作レバー・スイッチ類などすべてにおいて形状・配置・素材の最適化を図っています。

一方、インストルメントパネルでは、車両の姿勢変化をドライバーにダイレクトに伝えるデザインにこだわるとともに、トヨタの歴代スポーツカーに実現されてきた、ドライバーと助手席乗員がともに走りを楽しめる空間づくりにも取り組みました。具体的には、運転席をドライビングの空間として独立性を高めながら、運転操作に配慮した低めのコンソールを活かし、左右の連続感を確保、運転席・助手席で走りの体感を共有できるよう配慮しました。

インストルメントパネル

インストルメントパネルは、水平に軸を通した左右対称の構成とし、車体の姿勢変化が瞬時に判断できるデザインとしました。また、車両の中心を直感的に判断できるよう、インストルメントパネル上部中央にマーキングを施しました。さらに、インストルメントパネル上面に、フロントガラスへの映り込みを抑制する表面処理を採用するとともに、ソフトパッド化して質感を高めました。

また、助手席側ダッシュボードには高い質感を付与したカーボン調パネルを設定し、トヨタ独自のパターンとして新規開発したTメッシュパターンを施しました。

メーター

運転に必要な情報を瞬時に読み取れるメーターを開発しました。表示・配置の最適化とともに、目盛り、書体にまで走行中に求められる視認性を追求しています。

三連中央のタコメーターに、瞬間燃費・平均燃費、外気温、ODO/TRIPメーター、シフトポジションを表示するマルチインフォメーションディスプレイを設定しました。

また、REVインジケーターをタコメーター内に配置。エンジン回転数を予めセットしておくとランプとブザーで知らせ、直感的なシフトアップ操作をサポートします。さらに、デジタルスピードメーターも設定。ひと目でエンジン回転数と速度を同時に把握できます。

ステアリングホイール

俊敏な操作に配慮し、トヨタ車最小径365mm、真円のステアリングホイールを採用しました。また、テストドライバーとの確認を重ねて親指の安定性を考慮し、握りやすさを追求した断面形状を決定しました。

最適なドライビングポジションの確保に寄与する、チルト&テレスコピック機構を採用しました。

シフトレバーまわり

よりスポーツドライビングを楽しめるよう、ハンドブレーキをシフトノブのすぐ横のドライバー側に配置。また、ひじの干渉を防いで快適なシフト操作を実現するために、最適なセンターコンソールの高さを設定するとともに、脱着式で前後に移動できるカップホルダーを採用しました。さらに、走行制御スイッチは、シフトレバーまわりに集約して操作性に配慮しています。

センターコンソール

ヒーターコントロールは、つかみやすく、回した操作量が把握しやすい、メカニカルな八角形のダイヤル形状スイッチと、1列に配置した手で押した感覚のよいピアノタッチ式スイッチを採用し、直感的な操作を支えます。

また、ドライバーの手がエンジン始動からシフト操作へとスムーズに移行できるよう、エンジンスイッチはシフトレバー前のセンタークラスター内に配置しました。

ドアトリム

ユーザーがカスタマイズすることを想定したデザインを採用。ドアトリムのニーパッド、ショルダーパッドは取り外しが可能な別体構成としました。また、ドアハンドルノブは、ロールバーを装着した際、干渉しないよう位置を決めました。

スポーティアイテム

ドライバーのパフォーマンスを支えるとともに、室内の質感向上にも寄与するアイテムを採用しました。

MT車のアクセルペダルは、ヒール&トゥのしやすい、せり出す形状のスポーツペダルとしました。また、サーキット走行時などにひざを支えてより安定した運転姿勢の保持を助けるニーパッドをドアトリム、センターコンソール側面に設置しました。

ホーンパッドには、ドリフト走行のイメージに基づいて開発された86のシンボルマークを配しました。

さらに、トヨタのスポーツカーの独自アイテムとして、ハニカムやクロスなどの従来のメッシュではなく、トヨタの「T」をモチーフにしたTメッシュパターンを新規開発し、フロントバンパーグリルやドアスイッチベースなど、内外に統一した造形アイテムとして取り入れ、こだわりと遊びを表現しています。

※ヒール&トゥ:ヒール(かかと)とトゥ(つま先)でアクセルとブレーキを同時に操作し、ブレーキングをしながらアクセルでシフトダウン時のエンジン回転を合わせる運転テクニックのひとつ。

内装飾

内装色は、赤いステッチやシルバー調パネルが映える、落ち着きのあるブラックと、手が触れる機能・操作部位に赤を配して、よりエモーショナルなスポーティさを追求したレッドの2色を設定しました。