レクサスUX シートの形状とラゲージスペースのアレンジ

レクサスUXは、ボディサイズこそコンパクトだが、室内の居住性、そしてそのデザインについては強いこだわりを持って開発されている。本項では、乗員の体を包み込むシートや使い勝手の要となるラゲージスペースについて、ライバル車と比較しながら解説する。

比較車両:レクサスUX200“version L”/トヨタC-HR G-T/アウディQ2 1.4 TFSIシリンダーオンデマンド スポーツ(以下、Q2 1.4 TFSIと記述)/BMW X2 xDrive20i M Sport X

運転席および助手席

レクサスUX(UX200“version L”)
レクサスUXの前席はライバル車と同様に、スポーティな運転感覚を求めてSUVとしては低めの着座位置とされている。標準タイプのシートは、乗員の脇腹をしっかりサポート。コーナリング中は体をしっかり保持できる一方、背もたれの上部や座面は側部の張り出しが控えめであるため乗降性にも優れる。電動調整機能やシートヒーター/ベンチレーション機能も設定されている。

なお、スポーティグレード“F SPORT”の専用シート(写真)は標準仕様とは異なる専用設計で、全体的にサイドサポートの張り出しが大きい。まるでスポーツカーのシートのように体を包み込む感覚が得られ、コーナリング中もしっかりと体を保持する。

トヨタC-HR(C-HR G-T)
TNGAの設計思想に基づくシートフレームは複数あるが、C-HRのそれは「スポーティタイプ」と呼ばれる左右の張り出しが大きなタイプ。圧力の分布や骨盤を支えて位置を安定させるための調整が綿密に行われた設計で、座った瞬間からフィット感のよさが得られる。グレードによりシートヒーターも内蔵する。

アウディQ2(Q2 1.4 TFSI)
スポーツ系グレードの前席には、サイドサポートを強化したスポーツシートが採用される。スポーツとはいうものの、左右の幅は広めに取られているので、窮屈感はなくゆったりと座れる。ベーシックグレードを除きヒーターを内蔵。レザー仕立てはオプションでの設定となる。

BMW X2(X2 xDrive20i M Sport X)
サイドサポートを強化したスポーツシート(写真)はM Sport Xの専用デザインで、着座時の体を包み込む感覚は強い。表皮はクロス×アルカンターラのコンビネーションで、本革もオプションとして用意される。他のグレードにはスタンダード仕様として、より控えめなデザインのシートが備わるが、いずれも着座位置は低め。オプションとして電動調節機能を追加できる。

リヤシート

レクサスUX(UX200“version L”)
平均的な体格の大人が座っても狭さを感じることのない十分なスペースを確保。フロアと座面の高低差も適切で、良好な着座姿勢が取れる。前席と同様に、中央で上下に分割された背もたれのデザインが特徴的。

トヨタC-HR(C-HR G-T)
C-HRのリヤシートは、サイドウインドゥが小さいため、開放感よりは安心できる包まれ感が得られるといえる。定員としては3人掛けだが、左右席に座ることを前提にした設計。適切な着座姿勢が取れ、大人が座って快適に移動できるだけの空間が確保されている。4WD車の場合、2WD車比でフロアトンネルが約60mm高くなる。

アウディQ2(Q2 1.4 TFSI)
左右席は背もたれをややラウンドした形状とすることで、乗員に良好な包まれ感をもたらす。座り続けても着座姿勢が変化しにくく、ワインディングロードなど車体が左右に振られるシーンでも体が揺れにくいのがメリットだ。膝まわりのゆとりはさほど大きくはないが、着座姿勢が適正なこともあって、狭さを感じにくい空間作りとなっている。

BMW X2(X2 xDrive20i M Sport X)
頭上部分の余裕を含め、空間的な広さでライバルをリードしている。その違いは乗り込んだ瞬間から感じられるほどで、膝まわりのスペースもしっかり確保した巧みなパッケージングが効いている。ファミリーユースでも不満なく使えるはずだ。

ラゲージスペース

レクサスUX(UX200“version L”)
リヤシート使用時のUXのラゲージスペース(床上)は全車共通で220リットル。床下には仕様によって7~51リットルと広さの異なるサブトランクを用意している。現実的には、日常生活や小旅行程度での使用に適した広さである。後席を倒せばほぼフラットな床面となり、容量は995リットル(床下含まず)に。ゴルフバッグなども積載可能だ。ソフトな素材でできたトノカバーは小さく折りたたんで床下に収納できる。

トヨタC-HR(C-HR G-T)
床上の広さは全車共通の318リットルで、リヤシートを倒すことでさらに拡大できる(格納はワンタッチで可能)。背もたれは完全にフラットな状態にはならないが、フロアそのものには段差が生じない設計になっている。ハードタイプのトノボードも装備。床下にもスペースがあり、駆動方式やスペアタイヤ積載の有無などで広さと形状は異なる。

アウディQ2(Q2 1.4 TFSI)
5名乗車時で405リットルという広さがあり、最大で1050リットルにまで拡大できる。フロアボードは上段と160mm低い下段とに切り替えてセットでき、上段にした場合は、倒した後席背もたれとの間に段差が生じない設計となっている。床下にはパンク修理キットやオーディオのサブウーファーなどが置かれる。トノカバーも装備。

BMW X2(X2 xDrive20i M Sport X)
リヤシート使用時の容量は470リットル。このクラスとしてはトップレベルの広さである。フロアは可動式のボードによる二重底になっている。リヤシートの背もたれは左右と中央に分かれた3分割式。例えば、左右席に乗車しながら、中央部分だけを倒してスキー板や釣り竿といった長尺物を積むことが可能だ。

[ガズー編集部]

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