車検の費用相場はどのくらい?業者ごとの目安や安く抑える方法
これから車検を控える方は、費用相場がどのくらいか気になりますよね。車検費用は車の種類や依頼する業者などにより、異なります。今回は、車検の費用相場についてご紹介。業者ごとの車検費用の目安やできる限り安く抑える方法、費用以外にも車検を行ううえで注意しておきたい点などを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
※本記事では、一般的な車の車検費用相場をご紹介しています。プレミアムカーに関しては車検の費用が異なりますので、ご注意ください。
目次
そもそも車検を受けるのは義務?
車検は、自家用乗用車の場合新車登録から3年後、それ以降は2年ごとに必ず受ける義務があります。車検が切れた車で公道を走ると、罰金や免許停止などの処分の対象に。車検については法律で以下のように定められているので、確認してみましょう。
第五十八条 自動車(国土交通省令で定める軽自動車(以下「検査対象外軽自動車※」という。)及び小型特殊自動車を除く。以下この章において同じ。)は、この章に定めるところにより、国土交通大臣の行う検査を受け、有効な自動車検査証の交付を受けているものでなければ、これを運行の用に供してはならない。
第百八条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一 (省略)第五十八条第一項、(省略)の規定に違反した者
(出典:国土交通省『道路運送車両法』)
道路運送車両法によって、車検を受けない車を公道で運転すると6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が課されると定められています。さらに、違反点数6点の加算と、最低でも30日の免許停止処分を受けるため注意しましょう。
車検では、主に以下のような項目を検査します。
ちなみに検査項目は?
- 車検証と同じ車かどうか
- 各性能・状態検査
(サイドスリップ、ブレーキ、スピードメーター、ヘッドライト、下回りなど)
なお、排気量250㏄以下の軽二輪や軽特殊車は、「検査対象外軽自動車」に指定されるため、車検を受ける必要はありません。
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車検の費用相場【法定費用を含む総額】
車種 | 費用相場(目安) |
---|---|
軽自動車 | 約5〜8万円 |
普通自動車(車両重量1〜1.5t以下) | 約8〜10万円 |
普通自動車(車両重量1.5〜2t以下) | 約10〜15万円 |
※費用相場は目安です。
一般的な車の車検費用の値段は、車種や使用年数、選ぶ車検業者などによって大きく変わります。基本的には重量が重い車ほど税金が高いため、車検費用も比例して高額に。車検費用の詳しい内訳は、後述で解説しますので参考にしてください。
なお、こちらで紹介しているのは一般的な車の車検費用の相場です。プレミアムカーの場合、車検の費用は異なりますのでご注意ください。
車検にかかる費用【内訳】
車検代には、法定費用、車検基本料金、整備・部品交換代が含まれています。車検にかかる費用の主な内訳についてみていきましょう。
✓車検の費用の内訳をざっと解説
- 法定費用:必要な費用
- 車検基本料金:車検依頼店に支払う
- 整備・部品交換代金:次の車検までを考慮した整備費用※
※車検をパスするだけの整備は推奨できません
法定費用
約30,000円~70,000円
法定費用は、車検の際に必ず支払わなければならない費用です。車検費用のうち多くの割合を占めます。法定費用の内訳は、車体の重量・排気量・新規登録からの年数によって金額が変動する自動車重量税と、自賠責保険料、検査手数料の3つです。
自動車重量税
自動車重量税は、500㎏単位で3,000kgまで定められている全国一律の金額です。車両重量が大きいほど高くなります。
車両の重量に加えて、その車の環境性能や新車登録からの年数によっても料金は変動。排気量が少ないなど環境性能が高く、新車登録からの年数が浅い車ほど負担額が軽減されます。
自賠責保険料
加入期間 | 36ヶ月 | 24ヶ月 |
---|---|---|
自家用自動車 | 23,690円 | 17,650円 |
軽自動車 | 23,520円 | 17,540円 |
※令和5年4月1日以降始期の契約で、離島以外の地域(沖縄県を除く)に適用する保険料
自賠責保険料は、公道を走るすべての車両に支払いが義務づけられている法定料金です。新車は3年分、それ以外は2年分の保険料をまとめて支払います。
印紙代
新規検査 | 継続検査 | |
---|---|---|
普通自動車 | 2,600円 | 2,300円 |
小型自動車 | 2,500円 | 2,200円 |
軽自動車 | 2,300円 | 2,200円 |
※令和5年1月1日以降の金額
上記表は持込検査の場合の印紙代です。いずれの印紙代も、国・協会への手数料が500円含まれています。
なお、車検の手数料は頻繁に変更されます。国土交通省のホームページなども参考に、常に最新の情報を入手しましょう。
車検基本料金
車検基本料金とは、定期点検料や測定検査料、代行手数料を合計した費用です。車検業者の整備内容や事務手数料、人件費などの内訳により金額は異なります。
整備・部品交換代金
車検の際に、法定で定められた点検箇所の部品が劣化・故障などしている場合、または次の点検まで持たない部品などを交換するために支払う費用です。修理する箇所によって費用は変動しますが、劣化・故障が多いほど高くなります。
自動車販売店で車検を行う場合、当然ですが純正のパーツ使います。一方、他のショップなどでは、品質より費用を抑えるために、サードパーティの部品を使うこともあります。一番大事なことは、命を預ける車だあるため、費用だけでなく、しっかりと相談でき信頼のおけるサービススタッフがいるお店を選ぶことです。
車検業者ごとの費用目安
車検代は、依頼するディーラーやショップによって異なります。車検を受けられるお店は自動車販売店や整備工場、ガソリンスタンドなどがあり、取り扱う部品や技術費などの諸費用もさまざまです。
車検業者は、費用とあわせて信頼できるサービススタッフが在籍しているかどうか、特に最近の車はシステムも高度化しているため、あなたの車についてよく知っているかが特に大事です。費用だけでなく、安心できるお店であるかどうか、じっくり相談ができるかどうかなどを考慮して選んでください。車検業者ごとの目安の費用をご紹介します。
車検業者 | 車検費用 |
---|---|
自動車販売店 | 6万〜20万円 |
整備工場 | 5万~17万円 |
車検専門店 | 5万~13万円 |
ガソリンスタンド | 4万~14万円 |
カー用品店 | 4万~13万円 |
※各業者の車検費用は目安です。
自動車販売店
自動車販売店では、技術力の高いスタッフによる高品質な車検が受けられます。そのクルマの知識も十分で、技術力の高い専門スタッフに車検をお願いしたい方、安心して車に乗りたい方は、自動車販売店で車検を受けることがおすすめです。
整備の質が高いこと、先を読んだ点検を行うことが最大の魅力です。部品交換も純正パーツを使うケースが多いため、安心です。
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整備工場
整備工場の車検は、車検基本料が自動車販売店よりも安く、ガソリンスタンドやカー用品店よりも高い傾向にあります。高い技術者、先を読んだ整備を心がけている整備工場であれば、信頼ある点検が任せられるでしょう。ただし信頼のおけるスタッフがいるかどうかを見極めることができることが前提になります。
車検専門店
車検を専門に扱うお店であるため、点検整備がスピーディです。お店によっては、2〜3時間で車検が完了する場合も。特にチェーン店の場合は、車検に特化しており費用が安く、車検に立ち会いできるお店もあります。
ただし、車検用点検は行いますが、予防的な点検は言及されないことが多いです。車検をパスするだけの最低限の点検となることがあります。そのため、車について詳しくない人にはあまり向かない可能性があります。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドは、全国にありいつでも車を持ち込めるため便利です。一般的に、車検作業は提携先の整備工場が受け持つことが多いですが、スタンド内に整備工場を備えているところもあります。中には、優遇サービスとして燃料割引や洗車サービスなどの特典をつけているガソリンスタンドも。
ただし、点検の品質はお店によってばらつきが見られることもあるので、安心して車に乗りたい人、品質重視の方には向かないでしょう。
カー用品店
カー用品店の車検は、他の業者に比べて車検費用が安い傾向にあります。交換部品や整備内容のオプションが多く、多様な車種に対応できる品揃えもメリットのひとつ。
会員割引やリピーター割引などが使えるお店も見られますが、予約状況によっては日数がかかることがあります。品質は高いですが、自動車販売店と比べると低い傾向にあるでしょう。
車検費用を安く抑える方法
車検費用は、節約できない法定費用以外の基本料金で大きく差が出ます。ここでは、できる限り車検費用を抑えたい方に向けて、心がけておくとよいポイントをご紹介。
なお、お店によって車検の費用だけでなく、点検の品質も大きく異なります。より安心して車に乗るためにも、費用の安さだけを考えて車検を受けるのは控えましょう。
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リビルト品を扱う業者で車検する
修理の費用を抑えるために、部品交換を想定してリビルト品を扱う業者を選ぶとよいでしょう。リビルト品とは、中古パーツを分解して新品のように再生したものです。安価で手に入り、多くは保証も付帯しています。
ただし、純正部品で交換する場合と比べると、品質は劣ります。リビルト品での交換を希望する方は、信頼のおけるサービススタッフとしっかり相談したうえで依頼するのがおすすめです。というのも、リビルト品はどんな部品を使っているかがわかりにくく、部品に品質の差もあります。なお、どこのショップでも取り扱っていますが、車検で交換する部品にはあまり該当しません。
ユーザー車検を受ける
ユーザー車検とは、運輸支局などへ行き、自分の手で行う車検です。法定費用は必要ですが、点検作業を自分で行うため車検基本料金はかかりません。
ただし、検査ラインを通過して合格するために、整備の心得や基準を満たすための技術が求められます。整備に不備があると改善後、再度検査ラインに並ぶ必要もあるため、業者に依頼するよりも手間がかかる場合も。
なお、ユーザー車検は、車検の瞬間だけは検査を通過できますが、次の車検まで安全性や機能などが保証されるわけではありません。そのため、車の知識がよほど豊富でない限りは、控えておくのがおすすめです。
車検の費用についてよくあるQ&A
車検費用について、多くの人が疑問に感じる点をまとめてみました。これから車検を控える方は、ぜひ参考にしてください。
Q.車検費用が安い車の特徴は?
A.軽量・年式の新しい・環境性能が高い車などです。
法定費用は、車の重量と年式に比例します。軽自動車や軽量でさらに年式の新しい車は、車検費用を安く抑えることができるでしょう。
また、環境性能に優れた車は、法定費用の車両重量税を軽減できる場合もあるため、費用を安く抑えられます。
Q.車検費用が高くなるケースは?
A.重量が高い・年式が古い車などです。
一般的に、新車よりも長く乗っている車の方が費用は高くなります。新車登録から13年を超えると、グリーン化特例により法定費用が増額。
また、年式が古い車は劣化や修理箇所も多くなり、整備や部品費用がかさんで車検費用が多額になる傾向が見られます。
Q.車検費用はクレジットカードで支払える?
A.法定費用は基本的に現金払いですが、クレジットカード対応の業者もあります。
車検費用のうち、法定費用に関しては現金支払いしかできないとこが多いです。お店によっては、法定費用以外の料金をクレジットカードで支払えるところも。詳しくは、車検を依頼するお店に問い合わせてみるのが安心です。
Q.車検費用は分割払いできる?
A.車検ローン、または、クレジットカードで分割払いできます。
車検ローンを取り扱っているお店であれば、分割払いが可能です。クレジットカードが利用できるお店でも、多くの場合分割払いにも対応しています。詳しい支払い方法に関しては、車検を依頼するお店に確認してみましょう。
車検費用の目安を知り、安心して乗れるよう良質な点検を受けよう
車検費用の総額は、車の種類や年式、修理が必要な箇所など、さまざまな要素によって大きく変わります。一概に、「こうであれば安い・高い」と言い切れるものではありません。
車検を安く提供しているお店もありますが、最近の車は機能が複雑に電子化しているものも多いため、費用の安さだけで車検業者を選ぶのは控えましょう。費用や車についてじっくりと相談できるような、信頼のおけるサービススタッフがいるお店に依頼するのがおすすめです。また新車で車を購入したのであれば、そのお店に1年点検、車検を依頼すれば信頼関係もうまれ、ホームドクターのように整備してくれます。車について詳しくない、そして高品質の点検を求める方は、メーカー系自動車販売店で車検を受けるのが安心でしょう。
なお、今回ご紹介したのは、一般的な車の車検費用相場です。プレミアムカーに関しては車検の費用が異なりますので、ご注意ください。
ご紹介した車検費用を参考に、より安心して車に乗れるよう、お店と信頼関係を築き、あなたが信頼のおけるお店で車検を受けましょう。
(GAZOO編集部)
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