細かい部分も忘れずに! 仕上げにひと手間かけるだけで見た目もグンとアップ
足まわり、ガラスも含めてボディ全体をきれいにしたところで、外装のお手入れは基本的に完了となる。洗ってワックスをかけて、汚れが目立つホイールもきれいにしてやれば愛車も見違えるようになっているハズ。
ただし、満足できるレベルとはいえ、なんだかパリッとしないことがある。その原因は細かい部分がまだ汚れていることが多く、細かい部分が締まって見えないから、全体もぼんやりしたイメージになってしまう。
クルマに限らず、「魂は細部に宿る」と言われるように、ボディケアも細かい部分のクリーニングがじつは大切。アメリカでは「ディテーリング」という言葉があるほどで、専門のプロもいるほど。
もちろん素人レベルでは複雑なことはできないので、できる範囲で行えばいい。まっさらの新車ではないので仕方がないと思わずに、ボディケアの仕上げとしてぜひトライしてみてほしい。
目次
手順1 開けられるところはすべて開けて拭く
クルマのボディというのはパネルを組み合わせて作られている。合わさっている部分はすき間になっていて、黒い線のように見える。それが汚れていると、スッキリと黒く見えなかったり、幅が均等でなく見えたりする。
これを防ぐための心得が「開けられるところはすべて開けて拭く」だ。洗車のときの水分を拭き上げる時も行いつつ、ワックスやコーティングがけでも影響があるので、最後に仕上げ確認として、今一度開けて、拭き上げてやる。
この際に陥りやすいのが、ドアだけになりがちということ。開けられるのはボンネット、リヤハッチ、さらには給油口のフタもあるので、すべてをキッチリと拭き上げる。ボンネットのすき間はとくに汚れがちなので、忘れずに行いたい。
手順2 輪郭をクッキリとさせてやる
ボディに付いているものといえばエンブレムで、よく見るとこの周りや付け根などには汚れが溜まっていることが多い。
表面はメッキがかけられているので、汚れていても落とすのは簡単。問題は周りで、デコボコしているため、ワックスカスや水アカなどが溜まりやすいうえに、落としにくいのも問題だ。
では、細かい部分の汚れをどう落とすか? 布やブラシを使っても落とすことは難しい。外すことができれば話は早いのだが、基本的に最近のエンブレムは両面テープで付いているので、取ってしまうと再装着が大変だ。
そこで使うのが綿棒と爪ようじで、これらを使って輪郭をなぞるようにして汚れを掻き出していく。落としにくい場合は水を付けてやるといいだろう。チマチマと手間はかかるが、簡単に汚れを取り除くことができる。ワックスが入り込みやすいウォッシャーノズルなども同様だ。
手順3 外せない部分は歯ブラシを使う
エンブレムで使ったテクニックはそのほかの箇所でも使える。たとえば、ドアミラーの付け根やバンパーの取り付け部分など。さらにフェンダーとピラーの間、ライト周辺など、開けたり、外したりできない部分に有効なのだが、綿棒や爪楊枝の欠点は一度にやれる範囲が小さいということで、つまりは効率が悪いとも言える。
そこで使うのが歯ブラシだ。毛足が柔らかいもので、使い古しのもので十分。毛の量が多いので、一度にできる範囲も広くて作業は進む。この場合も汚れが落ちにくいなら、水もしくは石鹸を少し付けてやると簡単に落とすことができる。
手順4 黒いところは黒くしてやる
ボディ全体が薄ぼんやりとして見える大きな原因に、黒いところが白くなってしまっていることが挙げられる。黒いところがビシッと黒いと、全体のイメージも引き締まる。ガラスクリーニングで紹介したように、最近のガラスは黒い縁取りがされているので、まずここを磨く。ガラスなのでツルツルしていて、汚れていても簡単に落とすことができるハズだ。
問題は黒い樹脂で、一時使用が減っていたものの、最近はSUVを中心にして採用がまた増えてきている。これ、ご存知の方も多いと思うが、時間が経つと、紫外線などの影響で白くなってきて、かなり目立つのがネックだ。
どうやって復元するかというと、樹脂の保護ツヤ出し剤を使用すればいい。ただスプレーを直接すると塗装面に飛び散ることもあるので、一度タオルなどに出してから拭くといい。こうすることによって、余分に液剤を塗ることも防げるので、イヤなギラツキも抑えることができる。それでもギラついているなら、乾拭きしてやればいい。
手順5 細かいグリルはどうきれいにする?
最近のクルマはグリルの造詣がかなり凝ってきていて、デコボコが多くて、無数に穴が空いていたりする。ひとつひとつ手を入れてやればいいとはいえ、非常に面倒だったりする。その場合は家庭用のモップを利用すると効率アップだ。
100均でも毛足が長いブラシなどが売っているのでこちらでもいい。いずれにしても、長い毛を活かして、一気に細かい部分をきれいにするのが大切なポイントになる。
[付録] 洗車時に忘れがちなナンバープレート
冒頭で黒いところは黒く、と紹介したが、忘れがちなのが白いところ。つまりナンバープレートだ。
ここが白いと全体の印象もグッと締まるので、洗車時に忘れたら、仕上げのときにきれいにしておこう。文字部分の盛り上がったところは汚れが溜まりやすいので、意識して拭き上げる。
(文、写真:近藤暁史)
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