自動車メーカーの国別まとめ~イギリス編~

世界の自動車メーカーを国別にまとめてみると、その国の文化やクルマが生まれてきた背景が浮かび上がってくるもの。今回は、イギリスのメーカー(ブランド)を紹介します。

ロールスロイス

高級車の代名詞ともいえるロールスロイス。現在は、トップレンジのファントムシリーズに、一回りコンパクトな(といってもセンチュリーより大きい!)セダンのゴーストとクーペのレイスというラインナップを持っています。もっとも安いゴーストでも3000万円以上(!)の「超」がつく高級車ですが、多くの顧客がボディカラーから細かい装飾に至るまで、自分だけの1台を叶えるビスポークオプションを注文するそうです。
http://www.rolls-roycemotorcars-cornes.jp/

ベントレー

長らくロールスロイスの姉妹車を製造してきたベントレーは、フォルクスワーゲン傘下となって以降、オリジナルのモデルを開発。セダンの「ミュルザンヌ」、「フライングスパー」、クーペの「コンチネンタルGT」と、そのコンバーチブルの4車種をラインナップしています。2003年発売の初代コンチネンタルGTは、高い信頼性と従来よりも低めの価格(といっても1990万円ですが)でヒット。新しいユーザーを開拓しました。
http://www.bentleymotors.jp

ジャガー

古くから高級サルーンやスポーツカーを作ってきたジャガーは現在、セダンの「XF」、「XJ」、クーペの「XK」、ピュアスポーツカーの「Fタイプ」をラインナップ。「ドイツ車ではない高級車」として、こだわりのある人たちに選ばれています。2014年9月8日に新型「XE」をワールドプレミアすることを発表。メルセデスベンツCクラスやBMW3シリーズ、レクサスISなどに対抗します。
http://www.jaguar.co.jp/index.html

ランドローバー

ローバー社のオフロードモデルを起源とするランドローバーは、当時から今に至るまで一貫してオフロードを重視したクルマ作りをするメーカーです。「フリーランダー2」、「ディスカバリー」、「レンジローバー」と、レンジローバーの名を冠した「レンジローバー・イヴォーク」、「レンジローバー・スポーツ」をラインナップ。高級SUVの世界で、独自のポジションを確立しています。
http://www.landrover.com/jp/ja/lr/

アストンマーティン

2004年に日本デビューを果たしたDB9がヒットして以降、華やかなデザインの高級スポーツカーブランドのイメージを確立したアストンマーティン。2ドアモデルの「DB9」、「ヴァンテージ」、「ヴァンキッシュ」を中心に、4ドアモデルの「ラピードS」もラインナップ。イギリスらしいエレガントなスタイリングと高いパフォーマンスが、ポルシェやフェラーリ、AMGなどとは違うユーザーに支持されています。
http://www.astonmartin.com/ja/aston-martin-ja

ロータス

「エリーゼ」、「エキシージ」、「エヴォーラ」をラインナップするロータスは、古くからライトウェイト(軽量)スポーツカーを作ってきたメーカーです。全モデルともオールアルミモノコックのシャーシにFRPのボディが組み合わされ、もっともベーシックな「エリーゼ」の車重は、たったの900kg。製造するのはシャーシとボディのみで、現在、エンジンはトヨタのものが使われています。
http://www.lotus-cars.jp/

マクラーレン

F1のチームで知られる「マクラーレン」が設立したスーパーカーメーカーが、「マクラーレン・オートモーティブ」です。2011年より「MP4-12C」の製造を開始し、2013年には世界限定375台の「P1」を発表。現在は「MP4-12C」とオープンモデルの「MP4-12Cスパイダー」、MP4-12Cの進化系となる「650Sクーペ/スパイダー」を販売。フェラーリ、ランボルギーニとともにスーパーカー市場を盛り上げます。
http://www.tokyo.mclaren.com
http://www.mclaren-hakko.com/

ケータハム

極めて軽量かつクラシックなスポーツカーを生産するケータハム。そのルーツは、1957年から生産された「ロータス・セブン」で、1973年に製造権をロータスから買い取って以来、改良を加えながら生産を続けています。2013年末には、スズキ製エンジンを搭載し軽自動車規格に合わせた「130」を発売。130は2014年に「160」にアップグレードされ、64馬力から80馬力にパワーアップしました。
http://www.caterham-cars.jp/index.html

モーガン

1908年に設立された少量生産スポーツカーメーカーは、世界一のご長寿車「モーガン4/4(フォーフォー)」を生産するメーカーでもあります。そのデビューはなんと1936年! 時代に合わせて変化はしているものの、一度もモデルチェンジすることなく、今も現役です。最近では、4/4以前に生産されていた「スリーホイラー」のリバイバルモデルを発表するなど、伝統を重んじながらも新しい挑戦も忘れていません。
http://www.morganauto.co.jp/

ここまですべてイギリスのメーカー(ブランド)として紹介してきましたが、資本関係からいうと、純粋なイギリス資本のメーカーは、マクラーレン、ケータハム、モーガンのみ。例えば、ジャガーとランドローバーはインドのタタ・モーターズ傘下ですし、ロータスはマレーシアのプロトン傘下です。しかし、外国人の方が日本文化に詳しかったりするように、海外資本になったからこそ残っている「イギリスらしさ」もあるのだと思います。

(木谷宗義/テヌール+ノオト)

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road