ところ変わればルールも変わる! 世界の交通事情~トルコ~

東洋と西洋の交差点・トルコ。黒海、エーゲ海、地中海に囲まれ、中央部には世界遺産カッパドキアもある人気の観光大国です。
そんなトルコの交通事情を探ってみましょう。

長距離バスが活躍

トルコの国土は日本の約2倍と広大です。その割には鉄道がそこまで発達していません。そこで地元の人にも観光客にも利用価値が高い交通手段が高速バスです。
3大都市のイスタンブール、アンカラ、イズミールなどの大都市間はもちろん、世界遺産のカッパドキアやパムッカレまでも細かく網羅。4列シートが基本ですが、座席幅は広めで快適です。メルセデス・ベンツの車両も多いんですよ。
乗車してしばらくすると、大抵の路線で飲み物とお菓子が配られます。日本ではあまりないサービスですね。

休憩は2~3時間に1回。これは乗客のためというよりは、ドライバーのため。トルコでは長距離バスドライバーの規定が細かく決められており、日中・深夜関係なく一定の時間で休憩をとる決まりになっています。

乗り合いタクシー“ドルムシュ”

これは日本にはないシステム。ドルムシュとは8~9人乗りのバン。出発地点にある程度お客さんが集まれば出発、となかなかアバウト。路線内であれば降りたいところで降りることができます。途中から乗るのもOK。「D」と書かれた停留所で、ドルムシュが来たら人差し指を立てます。空席があれば止まってくれるので乗車できます。

バスよりは少し高いですが、タクシーよりはかなり安く、路線が充実している都市部では便利な交通手段です。

渋滞が激しいイスタンブール

トルコの首都はアンカラです。しかし経済・文化の中心は、ご存じイスタンブール。人口は東京よりも少し多く、万年渋滞に悩まされています。通勤、帰宅時は特にひどく「渋滞で遅刻」もよくあることです。

地図を見るとわかりますが、トルコはボスポラス海峡を境に「アジア側」と「ヨーロッパ側」に分かれています。とはいえ、国土の96%が「アジア側」。イスタンブールは両方にまたがっています。そんな土地の事情でアジア側からヨーロッパ側のイスタンブールに通っている人たちもたくさんいるわけです。アジア側からヨーロッパ側に行くにはボスポラス海峡を渡るしかありません。全長約30kmの海峡に架かっている橋は現在2本のみ。(鉄道用海底トンネルはあり)渋滞もするはずです。

おすすめは「船」

ボスポラス海峡を渡る定期船は15~20分ごとに出ており、乗船時間は30分弱。
「ドルマバブチェ宮殿」「ボスポラス大橋」「ルメリ・ヒサル要塞」など名所を眺めながらの移動もいいものです。
ほかにも10分ほどで到着するモーター船もありますので、時間と相談して選択を。
観光客の方には、まったく動かないクルマでイライラするよりも、風に吹かれながらのクルーズがオススメです。

世界一の渋滞といわれるイスタンブール。運転は粗く、レンタカーでの移動はおすすめできません。でも芸術的なモスクがいくつかあり、コーランが響く美しい街。トルコならではの交通手段を駆使すれば快適に移動できるでしょう。

(樋口暁子+ノオト)

[ガズー編集部]