所変わればルールも変わる! 世界の交通事情〜タイ〜
日本との時差は2時間。タイの首都バンコクには有名な寺院がたくさんあります。巨大な黄金の涅槃仏が横たわるワット・ポー、王宮寺院のワット・プラケオ、三島由紀夫の小説「暁の寺」の舞台となったワット・アルンなど、観光名所には事欠きません。
物価は安く、ごはんもおいしい。バンコクから足を延ばせば、世界遺産のアユタヤやスコタイもあるので、近年日本人にも人気です。そんなタイの交通事情をチェックしてみましょう。
万年渋滞のバンコク
アジアの他都市に負けず劣らず慢性的な渋滞に悩まされる首都・バンコク。渋滞が特にひどいのは朝夕ですが、中心部のシーロムやスクンビット、サイアムはそれ以外の時間帯でも常に混んでいます。1時間で1kmしか進まない、なんてことも。基本的にクルマを利用すると時間が読めません。
それでもクルマに乗る場合
まず、バンコクのタクシーは色が派手。
「そこ?」と思うかもしれませんが、カラフルなタクシーを観察するのもなかなか面白いですよ。ショッキングピンク、緑、黄色、ブルー。特にピンクは日本ではなかなかお目にかかれない色味です。東京のタクシーも結構派手ですが、さすがに完敗ですね。
乗る時には、手を斜め下に出し振ります。タクシーが止まったら、左後方のドアから乗り込みます。タイは日本と同じ左側通行です。海外では当たり前のことですが、メーターを使ってもらうように交渉しましょう。残念ながらタイではボッタクリ被害もあります。
渋滞を考えると、目的地までの料金を定額で交渉するのもひとつの手。ただし日本人には高い値段を言ってくることも多いため、相場は確認しておきましょう。
バイクタクシー
タイにはバイクタクシー(モタサイ)が多く走っています。渋滞している街中でもスイスイ。ソイと呼ばれるわき道への移動にも便利です。
ただし! 注意点があります。
・ヘルメットがない
用意されていないことが結構あります。タイではノーヘルOK! というわけではないので、最悪捕まることも。なにより危険ですね。ヘルメットを装備しているモタサイをつかまえるのが無難です。
・メーターがない
こうなると交渉するしかありません。ただし基本的に近距離を走る手段なので、法外な料金を請求されることはないでしょう。もちろん相場の確認を。
・荷物は最小限
バイクなので当たり前ですが、大きいものや両手がふさがってしまう荷物は持って乗れません。斜めがけバッグかリュックがベスト。
また、ミニスカートで横乗りをしている現地の女の子も見かけますが、危険ですね。スカートを履いている時はモタサイは避けましょう。
注意事項はあるものの渋滞がひどいバンコクではよく使われている交通手段です。
トゥクトゥク
屋根と荷台がついた三輪自動車。「世界の交通事情~インド~」で紹介したオートリキシャーとほぼ同じですが、トゥクトゥクの方が少し車体が大きいです。
移動手段というよりは、観光客がタイの雰囲気を味わうために利用することが多いのも特徴。実際、タクシーよりも高い料金を提示されることがほとんどです。屋根はあるけどドアも窓もない。トゥクトゥクからの景色と爽快感、独特のエンジン音はまさに「THE・東南アジア」です。
トラックの荷台を利用して
バンコクでは見かけませんが、パタヤやチェンマイに行くと「ソンテウ」という乗り物を目にすることがあります。これはトラックの荷台を改良した乗り合いタクシー。荷台に屋根がついていて、横長のベンチが向かい合っています。シートベルトはありません。日本人の感覚だと公道を走ることができるのが不思議なくらい。
しかしこちらもトゥクトゥクと同じくタイを肌で感じることができる交通手段。現地の人も利用しています。料金も一律で明朗。利用価値は高いです。バンコク以外に訪れる機会があればぜひ。
チャオプラヤーエクスプレス
バンコクを南北に流れるチャオプラヤー川を行き来する高速ボート。ボートからは、オリエンタル、ペニンシュラなどの高級ホテルやワット・アルン(暁の寺)を見ることができ、旅情が高まります。オリエンタルホテルのロビーでアフタヌーンティを楽しみ、その後にチャオプラヤーエクスプレスで王宮や寺院へ移動するというプランもオススメです。
タイには様々な交通手段があります。
今回は紹介できませんでしたが、場所によってはBTS(スカイトレイン)やMRT(地下鉄)が時間も読めるため、無難な交通手段になります。またスカイトレインの駅から目的地まで少し離れている場合は、駅からモタサイに乗り換え。かなり離れている場合はタクシーで、観光地間であればトゥクトゥクと使い分けることができます。
最高気温が30℃を下回ることはめったいないタイ。「このくらいの距離なら」と歩こうとすると、想像以上に体力が奪われることに。
ボッタクリ被害と安全には十分に注意し、上手に交通手段をチョイスしましょう。
(樋口暁子+ノオト)
[ガズー編集部]
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