所変わればルールも変わる! 世界の交通事情〜オランダ〜

これまではアジアが多かった「交通事情シリーズ」。いよいよヨーロッパ上陸です。雑多なアジアを抜けだして、今回はオランダから優雅にお送りします。

アムステルダム中央駅

ここ抜きにはオランダは語れないでしょう。
東京駅のモデルになったとも言われる、この堂々たる佇まい。アムステルダムを上空から眺めるとカーブする運河によって扇状になっています。そのちょうど要の部分に位置するのがアムステルダム中央駅。

ハーグやロッテルダム、ユトレヒトなどの国内列車はもちろん、フランスやドイツ、ベルギーなど多種の国際列車も発着しています。駅前は郊外へのバスやトラム(路面電車)の発着地にもなっています。

道幅の狭いアムステルダム旧市街

運河が幾重にも並ぶ旧市街。隣同士がぴったりとくっついた運河沿いの建物は白い窓枠が素敵です。そんな雰囲気のある街に欠かせないのが「小径」。そう、クルマが入れません。
そんなアムステルダムで大人気なのが「自転車」です。オランダの国土は全体的に起伏が少ないため、自転車での移動が便利。平均して1人1台以上持っているというデータがあるほどの自転車大国なのです。

大きめの通りを歩いていると、自転車専用道を頻繁に見ることができます。歩道とも車道とも分離帯でしっかり分かれているので、接触事故が起こりにくい設計。(分離帯がない場所もあります)
みなさん慣れているだけあって、結構スピードを出します。レンタサイクルで、現地の人の波に乗るのは少し大変かもしれません。

自家用ボート

「水の都」として有名なのはベニスですが、オランダも相当なものです。国土の約4分の1が海抜以下という土地柄、川や運河が多く「水のある風景」を楽しむことができます。

運河には観光用ボートもありますが、実は自家用ボートを持っている人が多いのもオランダの特徴。自家用ボートで水上ピクニック、なんて優雅な休日を過ごす人もいます。もちろん移動用としてクルマ代わりに利用している人もいます。「いってきまーす」といってボートに乗り込む光景もめずらしくありません。

クルマ事情は?

ではクルマはどうでしょう。各都市の旧市街は、道幅も狭くクルマで通行するのには適していません。トラムや自転車がメインなので、若干肩身が狭い感もあるのがクルマ。

タクシーも流しでは止められず、タクシー乗り場から乗るか電話で呼び出します。多い車種はベンツ。ドライバー認定制度をクリアしたタクシーには「T☆K]という文字が入った青いステッカーが窓に貼られています。

中心部ではタクシーに乗る機会があまりないかもしれません。しかし世界遺産のキンデルダイク(エルスハウトの風車網)や、チューリップで有名なキューケンホフ公園など、駅から距離がある観光地へ行く際に利用すると便利です。

ヨーロッパの中でもとりわけゆっくりした時間が流れているような国、オランダ。
自転車のスピードには驚かされますが、運河をボートでゆっくり進んでいると、アジアの渋滞が信じられない気持ちになるかもしれません。

(樋口暁子+ノオト)

[ガズー編集部]