下限料金300円!? 首都高の料金体系はどう変わる?

2016年4月から首都圏の高速道路料金が変わり、首都高速道路(首都高)に300円で乗ることができるというウワサが……。そこで、首都高の新しい料金体系について、首都高速道路株式会社に直撃しました!

――首都高の料金体系が今年の4月から変わるというのは本当ですか?

「はい。首都高は、高速道路の通行料金の変更について、道路整備特別措置法第3条に基づき、2016年3月1日に国土交通大臣の事業許可を受けました。これまで圏央道とその内側の首都圏の料金体系は、整備の経緯の違いなどから、料金水準や車種区分などが異なっていました。それが統一され、対距離制を基本とした利用重視の料金体系へ2016年4月1日(金)午前0時から移行します」

――なぜ料金体系が変わるのですか?

「2015年7月30日の国土幹線道路部会の中間答申で、首都高速中央環状線が全線開通するなど、三環状を中心としたネットワーク整備が進展したことを踏まえて、東京オリンピック・パラリンピックの開催時期を念頭におきながら、抜本的見直しにより、賢く使うための料金体系へと変革すべきであると示されました。また、『首都圏料金の賢い3原則』である(1)利用度合いに応じた公平な料金体系、(2)首都高、NEXCOなど複数存在する高速道路会社の管理主体(事業エリア)を超えたシンプルでシームレスな料金体系を基本として、2015年9月11日に国交省から料金の具体方針が示されました。それを受け、新しい料金体系についての検討を進め、新料金体系を導入するに至りました」

――具体的にどのように変わるのですか?

「ETC車の基本料金は、現行の『6km毎の料金距離に応じて加算される料金体系』から、『0.1km毎の料金距離に応じて10円単位で加算される料金体系』になります。なお、激変緩和措置として上限及び下限料金を設定していて、普通車の場合、下限料金は300円、上限料金は1,300円、となります」

ETC車(普通車)の料金変化を表したグラフ

――現金車はどうなるのですか?

「現金車は、ご利用いただく入口から利用可能な一番遠い出口までの距離に応じて料金をいただきますので、一部の区間を除いて、普通車の場合、1,300円となります。なお、現金車のお客さま向けにETC2.0車載器導入助成などのお得なキャンペーンも期間限定で実施中です。この機会にぜひご検討ください」

――新料金体系では、短い距離がおトクということですよね?

「新料金体系では、ETC車(普通車)の場合、概ね20km以下の走行で料金が値下がりとなります」

短距離の走行例
※料金は全てETC車(普通車)の場合。現在の料金→新料金を記載

・大井→臨海副都心 1.8km 510円→300円
・渋谷→霞が関 5.1km 510円→320円
・新都心→浦和北 5.7km 410円→340円
・中央道→新宿 7.8km 610円→410円
・東名高速→芝公園 14.8km 720円→600円 ※都心流入割引を適用
・みなとみらい→東扇島 16.3km 720円→680円
・京葉道路→霞が関 17.9km 720円→590円 ※都心流入割引を適用

――車種区分も細かくなるようですが……

「現行の普通車、大型車の『2車種区分』に軽・二輪、中型車、特大車の3車種が加わった『5車種区分』に移行します。利用の車種に応じて、距離あたりの料金が異なります。例えば、現在軽自動車と普通車は同じ料金体系ですが、4月からの新料金体系では、軽自動車は普通車の約2割引になります」

2016年4月1日から2021年3月31日までの車種間料金比率

――ほかにもおトクな情報があったら教えてください!

「割引については、新たに『都心流入割引』と『都心流入・湾岸線誘導割引』を導入します。現行の割引のいくつかは2016年3月31日をもって終了となりますが、『環境ロードプライシング割引』や『大口・多頻度割引』などは継続します。詳しくは首都高ドライバーズサイトを確認ください」

都心部の渋滞解消のため。そして圏央道や外環道の利用を促すために、ETC車の場合、出発地と目的地が同じであれば、どの経路で利用しても最短距離の同一料金となる場合があるそう。ただし、首都高経由の料金が高い場合には、首都高経由の料金は引き下げとならないとのこと。状況に応じて、賢く利用したいですね!

(平野友紀子+ノオト)

[ガズー編集部]

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