信号がない!? 離島クルマ事情 -その1-

海に囲まれた国、日本。北海道・本州・四国・九州以外に400島もの有人島があり、人が暮らし、クルマが走る日常がある。なかでも、人口千人クラスの島々には独特のクルマ文化が根付いているようだ。そんな小さな離島のクルマ生活をのぞいてみたい。

信号がない! あっても24時間黄色の点滅

信号がない、もしくは、あっても1つ。そしてその目的は、子どもたちに「信号とはどういったものか」を教えるためであり、小学校の前などにあることが多い。しかし交通量が少ないため、常時黄色の点滅。街から来たドライバーはたいてい戸惑ってしまうようだ。というのも、教習で習ったものの市街地では滅多に目にすることがないからだと思われる。黄色の点滅は「注意して進行」。赤の点滅のように一時停止してしまうと追突される恐れがあるので、法令に準じた判断が求められる。

クルマがタダ?

クルマが欲しいときは周りの人に声をかけておくと、どこからともなく声がかかり格安、もしくは譲って貰えることも。「クルマがタダ!」と色めき立つが、そこは離島。潮風にさらされ、ボディにサビが浮いた走行距離10万kmを超えたMTの箱バンか軽トラが登場する。ちなみに島内で走っているクルマの半数以上はMT。レンタカーならATが選べるが、移住するなら運転免許のAT限定は解除しておくのが吉。

クルマは現物を見ずに購入!?

ATじゃないと無理、もしくはクルマを選びたい方のために、本土からクルマを仕入れる方法も。本土側港近辺の中古車ショップの在庫をネットで検索。港まで送って貰うことが可能だ。クルマのみをフェリーに載せることを「無人航送」と呼び、各フェリー会社では車長に応じて金額を設定している。中古車ショップもそれを心得ているので、無人航送料金プラス数千円の手間賃でやってくれる店舗も。「中古車を見ずに買うなんて!」と思われるかもしれないが、大丈夫。島内で流通しているクルマよりまともなことは確かだ。

そんな離島のクルマ生活。同じ日本の暮らしのひとつとしてとらえてみると、まだまだ知らない世界があるものだ。

(上泉純+ノオト)

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road