ガソリンスタンドもない!? 離島クルマ事情 -その2-

島の数だけ暮らしがある。暮らしの数だけ文化がある。そして、島ならではのカーライフがあるものだ。前回の「信号がない!? 離島クルマ事情 -その1- 」に続いて、カーライフに欠かせない離島のガソリンスタンド事情にスポットを当ててみたい。

離島のガソリンは案外高くない

離島はおしなべて物価が高い。本土から航空機や船舶で物資を輸送している以上、それはいたし方ないことだ。しかし、ガソリンはそれほど高くなく、本土の価格と変わらないことが多い。これは離島振興法のおかげである。

離島振興法とは、ハンディのある離島での生活を少しでも暮らしやすくするために制定された法案だ。ここには、携帯電話のエリア整備、保健・医療対策、就学支援制度など生活サポートのほか、公共交通の確保・維持、そしてガソリン流通コスト支援など、カーライフをサポートする内容も含まれる。そのため、離島住まいといえども本土と変わらぬコストで給油することができるのだ。

セルフじゃないのに人がいない?

離島のガソリンスタンドには、人がいないことも多い。少人数で運営しているにもかかわらず、業務が多岐にわたることが理由のひとつだと考えられる。たとえば、灯油は各家庭に設置された灯油タンクに配達されることが多いうえ、マイカーならぬ「マイ船」も一般的で、ガソリンスタンドの従業員が港まで燃料を配達に行くこともあるのだ。

また、クルマだけでなく、バイクや自転車、船舶の修理を手がけているガソリンスタンドもあり、給油は業務のひとつに過ぎないことも多い。燃料計がE(エンプティ)を指してからガソリンスタンドに向かうと、足止めを食らう恐れもある。日曜日や夜間は開いていないことも多いため、離島でクルマに乗る機会があったら、早めの給油を心がけておきたい。

そもそもガソリンスタンドがないことも!?

しかし、「ガソリンスタンドがない島」というのもある。鹿児島県の南方に位置する十島村は、トカラ列島と呼ばれる12の島々からなる。ここには7個の有人島が含まれるが、いずれの島にもガソリンスタンドがない。

ガソリンの入手については、各個人が鹿児島市内に注文し、ドラム缶単位で取り寄せているのだ。また、フェリーでクルマを運んできた観光客には、「民宿でわけてもらうしかありません」と自治体がホームページで呼びかけている。

街では「優待カードを使いたい」、「1円でも安いところで給油したい」などの理由で、ガソリンスタンドを「えり好み」することも可能だ。しかし、離島ではドライバーが望むタイミングで燃料補給を受けられるだけで「ありがたい」という気持ちが生まれる。

意図せず日々が小さな感謝で満たされてしまうのも「離島ならでは」といえるのかもしれない。

(上泉純+ノオト)

[ガズー編集部]