どうする?運転免許。離島クルマ事情 -その3-

「離島のクルマ事情」と題して、島のカーライフを紹介しているこのシリーズ、第1回目の信号事情、第2回目のガソリンスタンド事情に続いて、今回は離島での運転免許事情をお伝えしたい。

免許取得は高校生のうちに合宿で

離島には、電車はもちろんバスもあまりないため、18歳になると同時にほとんどの人が運転免許を取得する。しかし、離島には自動車学校がない島も少なくない。離島では、3学期を自由登校とする学校が多く、学業のめどがついた学生たちは本土へ向かう。合宿で運転免許を取得するためだ。自動車学校側もそれを心得ているため、島の高校生に向けたPRも行われている。

免許の更新は警察署で行うのが一般的

免許を取得すると、免許の色ごとに期限が設けられ、更新をする必要があるのはご存じの通り。また紛失した際は、再交付の手続きが必要になる。通常は都道府県の運転免許センターや試験場、または最寄りの警察署に出向くが、運転免許センターや試験場がない離島に住む人たちは、警察署で行うことが多い。

しかし、警察署で手続きを行うと、交付まで2週間程度かかる。即日交付を希望する場合は、本土の運転免許センターまで足を運ぶという。一方、南西諸島など、島間の距離が離れた島々では、各島の警察署で即日交付を受けられる場合もあるそうだ。

高齢者講習はどうしてる?

今は、70歳以上の運転者が免許更新をするとき、「高齢者教習」を受けることが義務づけられている。この高齢者講習では、座学と適性検査、実際に乗車しての運転指導が行われる。街では自動車学校の協力を得て行われるが、離島の多くは自動車学校が存在しない。

このような場合は、その土地に応じてさまざまな方法が採られている。例えば、4つの有人離島が属する島根県では、警察署がこの役割を担う。3カ月に1度、「高齢者教習の日」が設けられ、島内の対象者を振り分け、受講するよう通知を行っているそうだ。3カ月に1度とは頻度が低いと思われるかもしれないが、高齢者講習は更新期日の6カ月前から受講することができる。また、それほど人口の多くない離島でのこと。実施頻度はさほど問題にならないようだ。

中には自ら本土に渡り、自動車学校で自発的に講習を受ける高齢運転者もいるそうで、その場合警察署での講習は申し込まれない。そんなときは「○○さん、高齢者講習の申し込みないねぇ。ちょっと聞いてみて」というように、個別の確認も行われているそう。顔見知りの多い離島ならではの緩やかな運用が行われているのだ。

(上泉純+ノオト)

[ガズー編集部]