自賠責保険が激安? 離島クルマ事情 -その7-
この4月から約7%の保険料引き下げが決まった自賠責保険。公道を走行するすべてのクルマやオートバイに義務づけられていることから「強制保険」と呼ばれることもあるこの保険、離島の車両については掛け金の設定が異なることをご存じだろうか。
離島では2年で約2万円お得
現在は、車検証上の使用者住所が本土に置かれている場合、普通自動車なら27,840円、軽自動車なら26,370円(いずれも24カ月分)が保険料として設定されている。これが離島に置かれている場合、それぞれ、8,810円、7,820円と大幅に異なるのである。このことから、離島で車検を受けると本土と比較して「安い」と感じるようだ。
江ノ島は離島じゃない? 離島の定義
さて、自賠責保険における離島とは、「本土(北海道・本州・四国及び九州)以外の島であって、橋又は隧道による本土との間の交通又は移動が不可能なもの(沖縄県を除く)」(国交省Webサイトより)と定義される。有名なところでは江ノ島(神奈川県)は橋で往来が可能となっているため、島ではあるが本土扱いとなっている。
ちなみに淡路島(兵庫県)は明石海峡大橋で本土とつながっているものの、この橋は高速道路。125cc以下のオートバイなど通行できない車種に限っては離島の掛け金が、通行可能な車種には本土のそれが適用されている。
実は4エリア設定の掛け金
上記、離島の定義に「沖縄県を除く」という但し書きがあるように、自賠責保険の掛け金設定は「本土」「離島」のほかに「沖縄県」、さらに「沖縄県の離島」という4つのエリアにわけられている。普通乗用車の場合、掛け金は「本土>沖縄県>離島=沖縄県の離島」となるが、軽自動車の場合「本土>沖縄県>離島>沖縄県の離島」だ。
軽自動車の場合、本土=26,370円、沖縄県=12,890円、離島=7,820円、沖縄県の離島=5,770円(いずれも24カ月分)と、沖縄県は本土の半分、離島は3割弱、沖縄県の離島は2割程度とかなりの差がある。この理由のひとつとして、原則として島には鉄道がなく移動手段を自家用車に頼らざるを得ないことがあるようだ。
「よし、自賠責保険が安いから離島に引っ越しをしよう」という人はまさかいないとは思うが、本土から離島へ引っ越しをした場合には、車検証上の住所を変更し、離島料金の適用を受けるのが得策と言えそうだ。車検証に書かれた使用者の住所が離島のものだとしても、本土で走ることももちろんできる。
(上泉純+ノオト)
[ガズー編集部]
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