取り付けミスを減らす「ISOFIX」対応のチャイルドシートを知っていますか?

6歳未満の子どもをクルマに乗せるとき、チャイルドシートやジュニアシートを使うことが義務付けられているのはご存知ですよね(バスやタクシーなど例外もある)。その理由はもちろん、万が一の事故の際に、子どもの安全性を高めるためです。しかし気をつけたいのは、クルマに装着して子どもを座らせているだけでは安心できないこと。実は、「正しい使い方」ができていない人が少なくないのです。

「正しい使い方」ができていない要因の多くは「取付けのミス」

JAF(日本自動車連盟)が実際にチャイルドシートユーザーの使い方を確認した2017年の調査によると、チャイルドシートユーザーの5割以上、ジュニアシートユーザーの6割以上が「正しくない使い方」をしているそう。「正しくない」の大半は、なんと「取付けのミス」というのだから意外ですよね。

では、どんな取り付けミスが多いのでしょうか? トップは「腰ベルトの締め付け不足」。2017年調査では、ミスユース(正しく装着できていない)のあるチャイルドシートユーザーのうちの67.8%、ジュニアシートユーザーのうち75.3%が「腰ベルトの締め付け不足」と判断されています。この数字、とても高いと思いませんか? チャイルドシートを使っている人のうち3人にひとりが、ジュニアシートを使っている人のうち半分近くが「腰ベルトの締め付け不足による取り付け不良」なのですから。

でも、実際にチャイルドシートを使ったことのある人なら、なんとなく納得できるかもしれません。チャイルドシートは、グラグラしないように強固にシートに取り付けるのが正しい装着方法ですが、シートベルトを使って固定する場合は、チャイルドシートを力強く押さえつけながらグイグイとシートベルトを締め付けなければならず、これが結構難しい。多くの人は、正しい装着方法を見ると「こんなに強固に締め付けないといけないのか!」と驚くことでしょう。

簡単で確実に装着できるのがISOFIXの魅力

しかし、簡単に装着できるうえに強固に締め付ける必要がないチャイルドシートやジュニアシートも存在します。それが「ISOFIX(イソフィックス)」と呼ばれるシステムです。

ISOFIXは、シートベルトで締め付けて固定するのではなく、チャイルドシートやジュニアシートに備わる「バー」を車両側の金具に結合する方法。ガッチリと機械的に固定するので取り付けミスが起きにくい、すなわちミスユースを防いで安全性が高まる仕組みです。また力やコツを必要とせず簡単に脱着できるのもISOFIXのポイント。より確実に使えるチャイルドシート/ジュニアシートといって差し支えないでしょう。

チャイルドシートやジュニアシートに備わる「バー」をシートの隙間にある金具に連ける
チャイルドシートやジュニアシートに備わる「バー」をシートの隙間にある金具に連ける
金具でしっかりと固定するので、確実かつ強固に取り付けできるのが特徴
金具でしっかりと固定するので、確実かつ強固に取り付けできるのが特徴

そんなISOFIXのチャイルドシート/ジュニアシートを使うにはどうすればいいでしょうか? 実は2012年7月以降に発売された新型車はすべて、このISOFIX取り付けに対応した構造になっています。

一方でチャイルドシートやジュニアシートはすべてISOFIXに対応しているわけではないので、対応品を購入しなければいけません。唯一ともいえるネックは、ISOFIX対応品は一般的な市販品に比べると価格が割高なことでしょうか。しかし、安全性は高いに越したことはありません。万が一の際に子どもをしっかり守るために、チャイルドシートやジュニアシートを購入する際は「ISOFIX対応」を選ぶことをオススメします。

(文・写真:工藤貴宏 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road