フィットとGT3マシンが同時に走る! 素人対抗4時間耐久レース「Fuji-1GP」
冬はモータースポーツのオフシーズン。でも、レースファンなら注目すべき新春レースがあるんです。それが素人対抗4時間耐久レース「Fuji-1GP(フジワングランプリ)」。例年、1月と8月に開催されており、今年も1月8日(月・成人の日)に、「2018 新春大会」が行われました。ごく一般的な乗用車から本格的なレーシングカーまで、さまざまな車種が富士スピードウェイでバトルを繰り広げる、大規模な草レースです。
ドライバー交代と同時にマシン変更もできるユニークなルール
エントリー表を見るとGT-Rやポルシェといったスポーツカーはもちろん、シビック、ヴィッツ、フィットといったコンパクトカー、そして日本最高峰のハコ車レース「SUPER GT」に参戦していたGT3マシン「アウディ R8 LMS ultra」など、まるでドイツ「ニュルブルクリンク24時間レース」のように幅広い車種が並びます。参加したのは総勢61チーム、200台以上!
- 懐かしい出光シビック(左上)にフェラーリ458チャレンジ(右上)、マクラーレン570S(右下)と車種の幅が広い。左下のインプレッサは本物のWRカーだ!
クラスは、エンジンの排気量・過給器の有無、馬力、使用するタイヤの組み合わせで"ざっくり"8クラスで、ピットイン時にドライバー交代だけではなく、マシンも変更できるのがFuji-1GPのユニークなところ。1チーム5台までマシン登録でき、ドライバーそれぞれが乗り慣れたマシンでチームを勝利に導けます。「"ざっくり"8クラス」とお伝えしたのはそのため。ドライバーとマシンの組み合わせは自由なので、トラブル発生してもピットに戻れることができれば別のマシンに乗り換えて復帰できます。
午前中に慣熟走行を兼ねた予選が行われ、お昼前にローリングスタート形式で決勝レースがスタートする結構まったりとしたイベントです。同じ車種に乗る仲間や職場の同僚、家族でチームを組んで参加する人も多く、新年のあいさつをしながらレースの準備が進められていました。
- 例えば、こちらのチーム「MANABOON」はS2000 x2台、シビックタイプRx1台、フェアレディZx1台の4台体制でエントリー
決勝レースは赤旗中断と雨で番狂わせに
決勝レースでは、予想通り最前列からスタートした「一ツ山レーシング」の2台のアウディ R8が、軽快な走りでレースを引っ張っていきました。スタート直後から抜きつ抜かれつの激しい攻防線がコース中で行われていきます。
- 一ツ山レーシングのアウディR8はSUPER GTに参戦した本物のレーシングカー
- GTマシンの後にはBMW M3やロータス・エキシージ、ポルシェ911など市販のスポーツカーが続く
ところが、スタートから1時間半が過ぎたあたりでマシントラブルによりコースにオイルが撒かれ、安全確保のために赤旗中断。その間に雨が強く降り始め、2台のアウディ R8は一気に戦線離脱。トップを奪ったのは、3チームでエントリーした日産GT-Rのオーナーズクラブ「R35GTRClub」の23号車でした。
- ハイパワーエンジンで最新の全輪駆動システムを持つGT-Rは、安定したレース運びで主導権を握った
一気にウエットコンディションとなったコースでは、あちらこちらでスピンやコースアウトをするマシンが続出。「あわや接触!」という場面もありました。しかし、幸運にも大きなアクシデントはひとつも起こることもなく、23号車が106周、平均速度120.637km/hでトップチェッカーを受けました。
- 左上が総合優勝の23号車(途中でマシン変更している)。戦線離脱したR8も無事チェッカーを受けた。R8と同じレーシングカーカテゴリーでトップチェッカーを受けたのは、右上のマルティニカラーのポルシェ911
普段、街中でよく見かけるコンパクトカーとSUPER GT参戦マシンが同時に走行する様子は、なかなかインパクトある絵面でした。一人ひとりがきちんとマナーを遵守していれば、いろいろな車種が走っていても問題なく楽しい草レースができるものですね。これこそ、このFuji-1GPの最大の魅力でしょう。
参加条件は普通運転免許とクルマがあればOKです。友だち・仲間を集めて、いつも観ているモータースポーツを実際に体験してみてはいかがでしょうか? 次回のFuji-1GPは8月12日(日)開催。参加募集の開始は、4月1日からとのことです!
(取材・文・写真:クリハラジュン 編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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