王道に秘書風、変わり種も!? 北京モーターショーで感じたコンパニオン事情2018
アジア地域のモーターショーといえば、ブースを彩る女性は外せません。中国のモーターショーも例外ではないのですが、実は少し前とは風向きが変わりました。数年前まで女性のコスチュームがどんどん過激になって露出が増えすぎたために、当局からショーの主催者に、そしてショーの主催者から出展者に「自粛」が要請されました。その結果どこも大人しく……なのですが、よーくみるといろいろな工夫を施しているのが読み取れてけっこうおもしろいのです。
ステージモデルがNGなら、デキる秘書風にすればいいじゃない
通達では露出の高いコスチュームやステージの上に立つモデルが明確に禁止されているわけではなく、指導扱い(だから解釈が厄介)で、あくまで“自主規制”なのだとか。そこで出展社は知恵を絞って考え、「ただ立っているモデルではなく説明員にすればいい」というアイデアを思いつきました。というわけでクルマのまわり、そしてステージの上にも“露出を控えめ”にしたステージモデル代わりの“できる秘書風ウーマン”がたくさん現れました。
- “できる秘書風”なので露出は控えめであくまで清楚に。
- こちらはOLの制服風。ステージに上がっているのにタブレットを持っています。
- こちらも秘書的な雰囲気で素敵。
どうしてタブレットやバインダーを持っているのか?
クルマの横に立っている女性は、手にバインダーやタブレットを持っている人が大多数。これはおそらく、「立っているだけのステージモデルではありません」という目印でしょう。クレームが入った時に「いやそうではなく、彼女たちは説明員ですよ」という言い訳をするための小道具なのです。何が書いてあるのか見てみたいですね。
- ときには本当に説明員を兼ねている場合もあります。日本でいう「イベントコンパニオン」ですね。
- あくまで説明員なので、フォーマルな雰囲気で。
ステージモデルの王道スタイル
ところが、なかには従来通りのステージモデルさんを用意しているブースも。主催者側から何か言われたら、どう言い訳するのでしょうか?
ただ、コスチュームは露出控えめで以前のように過激ではありませんね。数年前は超ミニスカートや背中が大きく開いたドレスなども普通だったのですが。
- こういう“いかにも”な雰囲気のモデルさんは少数派になりました。
- バインダーもタブレットも持っていませんが、ステージモデルとして考えるとやはり服装は地味です。
正統派受付スマイル
「受付」は立派な仕事なので、主催者からのお願いは無視して従来通り。ただ、服装は以前よりも地味な感じですね。
- 北京モーターショーでは珍しく、カメラを向けると微笑みを見せてくれました。
- 清楚な雰囲気が漂っていますね。
- 自然な笑顔で素敵です。
- 髪型も日本のファッションスタイルに近いですね。
- こちらは日産ブース。いくつかの出展社は西洋系の女性を起用していました。
これは過剰な露出ではない……のか?
過剰な露出の服装がNGとされ、牙を抜かれた(!?)中国のモーターショー。このコスチュームデザインは苦肉の策なのかもしれません。服装自体はセクシーなデザインではありませんが、露出は(今年の北京モーターショーでは)多めです。この服装なら「くびれ」は色気ではなく健康的?
そして、こんな変化球も!
やっぱりいました変わり種。これなら主催者側からのクレームはこないでしょ?という感じですかね。
- 首から下の肌の露出はゼロ。見るからにアンドロイド風で、ロボットの動きと静止を繰り返していました。長時間ピクリとも動かず静止しているのはかなり疲れるでしょうね。
- ついに顔まで露出ゼロ!とおもったらマネキンでした(笑)。奥の生身の女性は、しっかり小脇にバインダーを抱えています。
東アジアや東南アジア地域のモーターショーには欠かせない存在のステージモデルやコンパニオンですが、いろんなモーターショーに出かけるとしっかりとお国柄が出ているのが面白いですね。もっとも激しいのはタイで、主催者自らが「モーターショーを彩る女性の質と数はどこにも負けない。今度その多さをギネスブックに申請する」と言っているほどです。いっぽうで中国は数年前まで過激でしたが、当局の指導が入ったので最近はおとなしめ。とはいえ、周囲の状況を伺いながら「これなら大丈夫だろう」と出展社サイドが工夫して、露出控えめかつ説明を装うことで華やかさを盛り返そうとしている雰囲気はしっかり感じました。さて、次回の北京モーターショーではどう変化するでしょうかね。楽しみです。
(写真・文:工藤貴宏 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
[ガズー編集部]
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