日本とは違う？　GIIASで見たインドネシアの商用車事情

2018.09.14 10:00

2018年8月2日(木)～12日(日)にかけて、インドネシア・ジャカルタ郊外のインターナショナルコンベンションセンター（ICE）にてガイキンド・インドネシア・インターナショナル・オートショー（GIIAS）が開催されました。日本とは少々異なる商用車事情を織り交ぜながら会場の様子をお届けいたします。

インドネシアのバスはカロセリ（架装業者）製が主流

インドネシアでは、特装トラックや小中大型バスは、一部の例外を除いて「KAROSERI（カロセリ）」と呼ばれる架装業者が、メーカーから「シャシー」と呼ばれるクルマの骨格部分を仕入れ、オリジナルボディを架装する方法が一般的です。日野、いすゞ、三菱ふそう、UDトラックス、メルセデス・ベンツ、スカニアがシャシーを供給し、大中小合わせて100以上あると言われるカロセリがボディを架装しています。バスファンなら、今はなき西日本車体工業（通称：西工）や富士重工業製車体をご存じかと思いますが、それらと同じイメージです。

小型バスからダブルデッカーまでバリエーション豊富なカロセリの作品

GIIASでは、各カロセリの展示も行われていました。

: カロセリの老舗アディ・プトロ製中型バス

: ダブルデッカー（2階建て）に見えるが、実はウルトラハイデッカー（平屋構造）のアディ・プトロ製豪華観光バス。シャシーはメルセデス・ベンツ

: 近年存在感を急速に増しているラクサナから、新発売のレガシィSR2型ダブルデッカー

写真で振り返る！　筆者がチェックした商用車ラインナップ

ほかにも、さまざまな商用車が展示されていました。筆者がチェックしたクルマを写真メインで振り返りましょう。

: 例年通り観光用日本イメージの日野ブース。ポンチョEVを日本から持ち込んだ

: 三菱ふそうのキャンターは、コルト・ディーゼルの名で長く親しまれている

: 中国勢は、このFAWのほか、SACHMANやFOTONも。主に耐久性の問題からか、現地での存在感はイマイチ

: インドからはもう何年も前からタタが参加しているが、筆者が街中で見かけたことは一度もない

インドネシアでは、トラックは日本勢が圧倒しているものの、バスは古くからあるメルセデス・ベンツ、そして近年は連節バスをメインにスカニアがシェアを伸ばしている欧州勢が強い印象でした。一時期は韓国デウ、ヒュンダイ、中国ANKAI、ZHONGTONGなどが増えかけたものの、耐久性とサービス体制の問題で路上での寿命が短く、現在ではほとんど見かけません。

また日本勢の状況ですが、バスの世界で見ると他国に比べ、弱い方だと思います。その要因として、CNG車と連節バスがないということが大きいです。ただ、2020年東京オリンピックに向けてジェイ・バスが連節バスを開発していると聞くので、ちょっと楽しみにしています。

（取材・写真・文：大田中秀一　編集：ミノシマタカコ＋ノオト）

[ガズー編集部]