カーワックスはどんな風に進化しているの?
クルマのつや出しの定番アイテムといえば、カーワックス。しかし、現在はプロ施工のコーティングが主流となっています。そんな時代の変化にともない、現在のカーワックスはどのように進化しているのでしょうか。株式会社ソフト99コーポレーション広報部 田中亜以子さんに、カーワックスの歴史や現在のカーワックスについてお話を伺いました。
カーワックスのはじまり
――発売当初と現在のワックスの違いを教えてください
当時はシリコーン系のワックスが主流でしたが、水で流れやすいため耐水性が低く、汚れが付着しやすいという難点がありました。また、白いクルマが多く、他の色に比べて汚れが目立ちやすいため、いかに汚れにくくできるかということがワックスを改良するうえで重視されていました。結果、ポリエチレンなどの樹脂成分を含んだワックスやフッ素コートなどを使用した防汚性や耐久性の高いワックスが開発され、現在のワックスへと進化していきました。
――最初に発売されたのは、どんなワックスでしたか?
クルマにも使える木製家具用のつや出しワックスとして、1954年「ゴールデンネオポリッシュ」が発売されました。自動車専用のカーワックスとしては、1957年発売の「ゴールデンネオワックス」がはじまりです。静電気によるホコリや汚れの付着を防ぐための静電気防止剤を配合したカーワックスは、当時の画期的な技術でした。
――当時は固形ワックスが主流ですよね
はい。でも、固形ワックスは、塗りにくく拭き取りにくいという問題がありました。その点を改善した商品が、1969年発売の「ソフト99(ハンネリ)」です。固形ではなく、当時では珍しいペースト状のワックスで、柔らかく作業性が良いため塗りやすいことや、汚れを一緒に落とせるという点もロングセラー商品となった理由だと思います。現在も、レトロなパッケージのまま販売しており、多くの方にご愛用いただいています。
ガラスコーティングとカーワックスの関係
――現在、プロ施工のガラス系のコーティング車が増えています。カーワックスとの最大の違いは、どのような点でしょうか。
ガラス系コーティングは、ガラスの組成に近い被膜を形成するため、汚れやキズが付きにくいのが特長です。普段のメンテナンスも水洗いだけでキレイな状態が長期間にわたって続きます。その反面、施工には技術と経験が必要なので、一般消費者の方がご自身で施工するのが難しいものとなっています。
カーワックスや市販のコーティング剤は、自分で施工できることやコストを抑えられる点が魅力です。
また、いつでも好きなときに自分でメンテナンスができるので、きれいな状態をキープしやすいところ、1,000円程度で購入できるコストパフォーマンスの良さも、カーワックスの良いところだと思います。現在は、石油系溶剤を使用していないコーティング施工車専用のカーワックスも販売しているので、コーティング施工車の撥水性やツヤが気になってきたときにもお使いいただけますよ。
覚えておきたいカーワックスの使い方
――初心者におすすめのカーワックスはありますか?
乾燥時間や拭き取りの必要がないワックスは、作業時間の短縮にもなりますし、仕上がりもムラになりにくいのでおすすめです。ソフト99の商品では、「ミラーシャインWAX固形」や「光鏡面WAX」をおすすめしています。ワックスが不慣れな方には、「スムースエッグ ハイドロフラッシュ」のような施工が簡単なコーティング剤が使用しやすいのではないでしょうか。もちろん、シートで拭くだけで洗車とワックスが一度にできる「フクピカ」も手軽なので、ワックス初心者におすすめです。
――きれいに仕上げるポイントはありますか?
ワックスの量がきれいに仕上げるポイントです。たくさんつけすぎてしまうとムラになりやすく、拭き取りが重くなって乾きにくくなってしまうので、余分なワックスを缶のヘリで落としてから塗りましょう。伸びが良いので、少量ずつ塗りこんでいくことが大切です。
ボンネットや天井など広い面では、50cm四方ずつに分けてタテ・ヨコ・タテと隙間なく塗り込み、最後は水滴が落ちるタテ方向に塗って仕上げるのをおすすめしています。他にも、スポンジは水につけて固く絞った後に使うことで塗りやすくなります。
――ありがとうございました。
ワックスをきれいにかけて長持ちさせるためには、あらかじめボディについたほこりや鉄粉をしっかり落としておくことも大切なんだそうです。耐久性に優れたカーワックスには3〜6ヶ月ほど持つものもありますが、月に1度程度ケアすることで、よりきれいな状態をキープできますよ。
(取材・文:橋本結花 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
[ガズー編集部]
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