きっかけはタートルタクシー! 三和交通はなぜ「おもしろタクシー」をやってるの? 狙いや背景を聞いてみた
三和交通株式会社(以下:三和交通)は、「黒子タクシー」や「The 新選組ツアー」などさまざまなサービスを提供するほか、YouTubeでの動画配信やニコニコ生放送なども行っているユニークなタクシー会社。では、なぜこのようなおもしろいタクシーサービスやメディア展開を始めたのでしょうか? その背景をお伺いしてきました。
最初は真面目な企画「タートルタクシー」だった
最初に行ったタクシーサービスの企画は、2013年に始めた「タートルタクシー」だったそう。タートルタクシーは、お客様がボタンを押すとドライバーがゆっくり走るようにするというサービスです。
「それまでタクシードライバーは『お客様は急いでいるものだ』と認識して業務に当たっていましたが、お客様にアンケートをとると意外にも約7割のお客様が『別に急がなくてもいい』と考えていたことがわかりました」
そう話してくれたのは、三和交通広報担当の眞壁さん。この結果から「急がなくていいことを伝えやすくするにはどうすればいいか?」を考えて、「ボタンを押して、ゆっくり走ってもらうことを伝えることにより、エコドライブに協力してもらう」というコンセプトが誕生したと言います。
そして生まれたのが、「タートルタクシー ~バックシートエコドライブ~」という名のサービスです。このサービスは日本国内で好評となり、グッドデザイン賞を受賞しました。最初の企画は、いたって真面目なものだったんですね。
新卒採用を増やすために
では、おもしろ企画が生まれるようになったのは? 眞壁さんに聞いてみると、タートルタクシーがきっかけになったそうです。
「タクシー業界は、新卒採用を中心に若手人材が集まらないことに頭を抱えています。弊社も例外ではありません。そんな中でタートルタクシーがメディアで取り上げられるようになり、『おもしろい企画を実施すれば、メディアに取り上げてもらえて人材採用にもつながるのでは?』と考えたのです」(眞壁さん)
そして、誕生したのが2015年に実施した「心霊スポットツアー」。このツアーを皮切りに次々とユニークなタクシーサービスを実施していくと、次第に注目されるようになり、2015年卒の新卒社員から採用応募が増えてきたのだそう! 「企画を見て三和交通を知りました」という就活生も増えていると言います。
実は社長の思いつきがきっかけ
数多くのユニークなタクシーサービスを提供している三和交通ですが、このような企画の立案はほとんどが代表取締役社長 吉川永一さんの独断によるものなのだとか。
「変わり種タクシーの第一弾『心霊スポットツアー』も社長の思いつきです。発案当初、社内は大反対でしたが、いざ初めて見ると話題になって、メディアでも取り上げられるようになりました。その後の『黒子タクシー』も社長のアイデアですが、サービスが注目されるようになると、社内の雰囲気も少しずつ変化して、自ら企画を出す社員も出てきたんです」(眞壁さん)
「新撰組ツアー」は“歴女”の社員が、「三億円事件ツアー」は府中出身の社員が企画したものだそうです。
普段の社内を知ってもらうための映像配信
三和交通では、自社のYouTubeチャンネルやニコニコ生放送で動画配信も行っています。こちらも狙いは、若手人材の確保だそうです。
「会社説明会だけでは伝わりにくい普段の社内の様子や雰囲気を、動画配信で感じてもらおうというのがコンセプトです。YouTubeでは特に『心霊スポットツアー』関連の動画で反響が大きく、再生回数3万回を超えたものもあります。YouTubeよりもユルい内容でお届けしているニコニコ生放送は、リアルタイムで視聴者とのやり取りができる点を生かして、採用に関する質問・回答をすることも増えてきました」(広報部 動画配信担当 和田さん ※写真右)
なんと、過去にはニコニコ生放送で会社説明会を行ったこともあるそう。アイデアが光りますね。
三和交通から日本のタクシーが変わる?
若手人材の確保を中心に、さまざまな活動を行っている三和交通。若い世代がタクシー業界に興味を持つには? というテーマに対して“真剣にふざけている”そうです。
「ニコニコ生放送のコメントでは、タクシー業界に対して『堅い』『年配者が多い』といったイメージを持たれていることを実感しました。そんなイメージを覆すためにも、これからもいろいろな企画を実施していきますよ!」(眞壁さん)
「タクシー会社のお仕事」と聞くと、イメージするのはどこの会社も同じような内容かもしれませんが、三和交通のようにユニークなタクシーサービスが増えれば、若手が集まりタクシー業界が活気づくかもしれませんね。
(取材・文:西川昇吾 写真:三和交通 編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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