1950年代からのカタログや自動車書籍を扱うクルマの本屋「ノスタルヂ屋」@茨城つくば市

カーディーラーへ行くと無料でもらうことができるクルマのカタログは、内外装の写真や詳細な仕様が記載される、クルマの魅力が詰まった冊子。ディーラーへ行くたびについついもらってきて集めてしまう人もいるのではないでしょうか? そんなカタログ好きな人に紹介したいのが、カタログを中心に自動車の関連書籍を取り扱っている茨城県つくば市の古本屋さん「ノスタルヂ屋」です。

東京で書店を開業。つくば市にやってきたワケは?

店内には年代とメーカーごとに整理されたカタログがところ狭しと並んでおり、国産車はもちろん輸入車のカタログもあります。普通のカタログのみならず、限定車のカタログやメーカー系チューニングメーカーの車種別カタログも販売。当時の新車特集が組まれた雑誌なんかもあって、クルマ好きならいつまででも飽きずに見ていられそうです。

幼い頃から本が好きだったという店主の松浦さんに、「ノスタルヂ屋」を始めた経緯を伺いました。

「1980年に、東京で新刊の美術洋書を取り扱う書店を始めました。しかし、あまり売り上げが伸びず、1984年から古本屋を始めたんです。古本屋にスイッチしても順風満帆とはいきませんでした。そんなとき。ふとした思い付きで自分の手元にあった自動車のカタログを店頭に置いてみたんです。するとすぐに売れました。また置いてみると、ほかの古本よりも早く売れていったんです。そこで、1986年に、自動車のカタログを中心とする古本屋にリニューアルしました」(松浦さん)

茨城県つくば市に移転したのは、1996年だそう。

「筑波サーキットで行われたイベントに出店したとき、筑波山が美しく見えて、筑波サーキットが近くにあって、谷田部のテストコースがある。つくば市は、国内自動車の発展に貢献してきた地。そんな場所でお店をやりたいなと、移転したんです」(松浦さん)

貴重なカタログや自動車書籍の数々は、集めるだけでも相当な苦労な必要です。インターネットオークションなどを通じて仕入れているのかと思いきや、販売している商品はすべて店頭での買い取りだけで仕入れているのだと言います。

「実はインターネットに弱くて……。店のホームページはありますが、インターネット販売はもちろん、メールでのやり取りもしていないんです。基本的に店頭での買い取りのみでしか在庫は増えません。月に1度くらい、ダンボールで5~6箱ほどのカタログや書籍を持ち込まれる方がいるので、そのような方々に支えられていますね。店頭で買い取りを行うからこそ、それぞれの買い取りにエピソードもあるものです」(松浦さん)

いつまでもお店を開け続けたい

長年、自動車に関する古本屋を営んでいる松浦さん。今後はどのような展望を描かれているのでしょうか?

「やはり今の形で続けていくことが大事だと考えています。これは以前、お客様との会話で気が付いたのですが、お店があってもシャッターが開いていなければ、お店がないのと一緒。もちろん定休日はありますが、可能な限りシャッターを開いて、お店を続けていこうと思っています」(松浦さん)

店内も店主の松浦さんの雰囲気もとっても柔らかく暖かみがあり、「ノスタルヂ屋」という名前がピッタリのお店でした。クルマ好きならぜひ一度実際に訪れて、気になったカタログを手に取ってみてください。筆者も思わず話に花を咲かせてしまい、カタログを数冊購入してしまいました。

▼ノスタルヂ屋
住所:茨城県つくば市花畑1-12-17
定休日:毎週木曜日・第3水曜日
営業時間:12時~20時
問い合わせ:029-879-0361
Webサイト:http://www.nostalgia-tsukuba.com

(取材・文・写真:西川昇吾 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

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