【トルク・出力の単位換算ツール】それぞれの意味や関係についても解説

（トルク）
自動車のエンジントルクは以前「kgf・m」で表されていました。しかし、1992年に新計量法が公示されて以降、カタログ表記はSI単位に変更されました。この改正によりカタログ表記を「N・m（ニュートン・メートル）」で表記することになりました。ただし、法定計量単位とともに、括弧書きで非法定計量単位を併記することは許容されています。

外部サイト　トルク、長さ・重さ、圧力の単位換算ツール

• そもそもトルクとは？

トルクとは、「1m隔たった定点に向かって直角方向に1Nの力を加えたときの、その定点のまわりの力のモーメント^※」を指します。トルクを表す単位は「Nm（ニュートン・メートル）」です。「N」は力の単位で、「1kgの質量を持つ物体に1m/s²の加速度を生じさせる力」と定義されており、式で表すと「N＝kg·m/s²」。「ｍ」は長さの単位です。つまり、トルクは力（N）と長さ（m）を掛けると算出できます。

※力のモーメント＝物体をある軸、または点のまわりに回転させようとする力のはたらきを表す物理量のこと

例えば、300Nmのトルクを発生するエンジンがあったとすると、このエンジンの動力軸に1mの棒を取り付けたとすれば、棒の先端で300Nの力を発揮する性能を持っていることになります。

諸元表に記載されている「最大トルク」はエンジンが最も効率よく回転したときに発生するトルクの最大値です。最大トルクが大きいほど、力強い加速性能を持っていることを示します。最大トルクの単位は「Nm/r.p.m.」。r.p.mは、1分間の回転数を指します。

（出力）
自動車のエンジン出力は以前「PS（馬力）」で表されていましたが、カタログ表記がSI単位に変更されたのちは「kW（キロ・ワット）」に統一されました。

• そもそもエンジン出力とは？

エンジン出力とは、1秒あたりにエンジンがおこなう仕事量を指します。エンジン出力の単位は「kW（キロ・ワット）」です。ここで示す「仕事」とは、物体を移動（回転）させることです。

「k」は「×1000」を意味しており、「W」は仕事率を示す単位です。「仕事率＝仕事/1秒」であるので、仕事率は「1秒間にどれくらいの仕事をしたか？」という意味になるのです。

諸元表に記載されている「最大出力」はエンジンが出せる最大の仕事量を指し、単位は「kW/r.p.m.」で表されます。例えば、「150kW/4000r.p.m.」という出力表記があったとき、4000回転のときに150kWの出力を発生すると読み解けるのです。

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エンジントルクは簡単に言うとエンジンそのものが持つパワー、エンジン出力は1分間当たりの仕事量を指します。自動車の加速性能を確かめたいときは諸元表に記載されている「最大トルク」や「最大出力」をチェックしましょう。両者の値が高いほど、力強く走れる自動車だということになります。

また、諸元表によっては様々な単位で表示されているものもあるため、換算が難しい方はこのぜひ単位換算ツールを活用してください。

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2019年7月（文：西川昇吾 編集：木谷宗義＋ノオト）
2022年12月（GAZOO編集部　リライト）
[GAZOO編集部]