トミカ50周年! 子どもたちの心をつかみ続ける理由を探る
2020年は、トミカの50周年記念イヤー。50年もの歴史を積み重ね、累計6億7,000万台以上を販売したというこの大ヒット商品は、どのように生まれ、子どもたちの心をつかみ続けているのでしょうか? タカラトミーでトミカのマーケティングを担当する安 栄治さんにお話を聞きました。
子どものためのダイキャスト製ミニカー「トミカ」
トミカが生まれる前、日本には海外製のダイキャスト製ミニカーが並んでいました。しかし、当然ですが、どれも外国車ばかり。それを見たトミー(当時)の2代目社長である富山允就氏は「ダイキャスト製の国産車を作りたい」と考えます。そして昭和40年(1965年)頃、海外のダイキャスト製ミニカーの製造工程を見学したことが、トミカを作るきっかけにつながったのだそうです。
「通常、ミニカーは1/43、1/18が主流です。しかし、トミカはあえて子どもの手のひらサイズになるよう、パッケージの横幅を78mmで統一しています」(安さん)
大きなクルマでも、トミカになるとサイズは横並びに。縮小率が商品により異なっているのは、すべて子どもの手のひらを意識したからこそなんですね。
子どもたちの興味に寄り添い続けたラインナップ
50周年記念サイトに並ぶこれまでの商品のラインナップを見てみると、時代の流行や人々の興味と寄り添って作られてきたことがわかります。
「最初の頃は、国産車のみでしたが、1978年には外国車シリーズも登場し、時代に合わせた商品を送り出してきました。1980年代はハイソカーブーム、1990年代はRVブームなど、注目されたクルマもラインナップに入っています」(安さん)
大人の間で流行した車種は、街でよく見かけるので当然、子どもたちも興味を持ちます。例えば、ハイソカーブームの頃は「ソアラ」や「プレリュード」、RVブームの頃は「パジェロ」や「オデッセイ」などがラインナップに並んでいたそうです。一方で、食べ物や動物がデザインに反映された、ちょっと変わり種のトミカも生まれてきました。
「より子どもたちに楽しんでもらうために、子どもたちが好きなテーマを取り上げています。キャビンの部分は実在する車をベースにしておりますが、荷台はオリジナルデザインのものも作っているんですよ。変化がある方が、お子様には喜ばれてきましたね。パンダが載った「動物運搬車」は1980年代からある定番です」(安さん)
ラーメン屋台やパンダのクルマ、ギフトセット商品として恐竜を運搬しているトミカも生まれました。また、キャラクターとのコラボ商品も人気とのこと。長年にわたり子どもたちの心をつかむために、いろいろな工夫をしていることが伝わってきました。
大人向けとして生まれた「トミカプレミアムRS」
おもちゃ売り場で、クルマ好きの大人も手に取っていたというトミカ。そんな人たちがより満足できるようにと、2015年に誕生した大人のためのトミカシリーズ「トミカプレミアム」の派生として2018年から発売されたのが「トミカプレミアムRS」です。細かい部品が多いため、対象年齢は14歳以上と高めに設定。大人でも楽しめる、特別なトミカです。
「トミカプレミアムRSは1/43スケールで作られています。来年1月には『シリーズの5車種目の商品『トミカプレミアム RS ラフェラーリ』も発売されます。本トミカでは、トミカ史上初となるバタフライドアの開閉アクションも搭載しています。」(安さん)
ほかにも、1972年に発売された「トミカNo.33 ニッサン セドリック」「トミカNo.30 コルト ギャランGTO」をより精密、ハイクオリティに再構成した「トミカリミテッド ヴィンテージ ネオ」シリーズも登場。手元にある当時のトミカと見比べるのも楽しそうですね。
子どもたちに寄り添い進化してきたトミカ
どの時代も子どもたちの興味にあわせて進化してきたトミカ。50周年は特別な商品も多くラインナップされています。気になるアイテムを、ぜひ探してみてください。
<関連リンク>
トミカ
https://www.takaratomy.co.jp/products/tomica/
トミカ 50th ANNIVERSARY|トミカ|タカラトミー
https://www.takaratomy.co.jp/products/tomica/sp/50th/
(取材・文・写真:ミノシマタカコ/編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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