吉野家のキッチンカー「オレンジドリーム号」について詳しく聞いてみた!
ネットでは「激レア」などとも書かれている吉野家のキッチンカー「オレンジドリーム号」。オフィス街から災害被災地と、実は出没地は多岐に渡ります。秘伝のタレで煮込まれた牛肉とタマネギの“あの味”。実はこれからもっと手軽に楽しめるようになりそうです。
移動販売は90年代から
作った弁当をクルマに積み込んで屋外で販売する、いわゆる「移動販売」は1990年代から行っている吉野家。キッチンカーというスタイルがスタートしたのは2007年頃からです。
現在、全国を走る「オレンジドリーム号」は全13台。栃木、山梨、東京、神奈川、埼玉、千葉を中心とした首都圏と大阪や福岡に出没します。
いすゞ「エルフ」をベースとした4トン車「オレンジドリーム号」(首都圏、大阪、福岡)を筆頭に、トヨタ「ダイナ」を使用した2トン車「オレンジドリーム号・Jr」(首都圏、栃木)、ダイハツ「ハイゼット」が変身した「オレンジドリーム号・軽」(首都圏、大阪)とさまざまな種類が存在。ちなみに首都圏を走る4トン車は「オレンジドリーム号・匠」と名前が付けられています。
外装はその名の通り、吉野家を瞬時にイメージさせるオレンジ色ベースが基本です。しかしもう一色、黒色ベースもあり、出店場所の景観や出店条件などによって臨機応変に登場するそうです。
2トン車や4トン車はイベントや被災地への支援に使われることが多いとのこと。これらの大きなオレンジドリーム号では、牛肉の煮込みなどの調理すべてができる炊飯機能を搭載。冷蔵庫と上下水道の部分が車内の多くを占めているそうですが、実店舗さながらの機械もちゃんと装備されています。そうしたシステマティックな車内で、1,000食以上の牛丼を供給できるとか。材料と水さえあればずっと作り続けることができるので、文字通り「動く吉野家」ですね。
ちなみに、1995年1月に発生した阪神・淡路大震災では野外で料理ができる「スーパーテント」という形で被災地を支援。東日本大震災では、さらに機動性を増したキッチンカーで被災地に向かい支援を行ったそうです。
吉野家ならではのセカンドキャリア
吉野家では、2018年より「オレンジドリーム号・軽」での営業を業務委託する社内制度が始まりました。対象となる人材は、吉野家の実店舗で長年働いた60歳以上のベテラン社員。簡単そうに見えて実は難しい煮込まれた肉やつゆをご飯に盛る技術を、そのまま生かしてほしい、というわけです。また吉野家側としても、機動性を生かして、実店舗がない地域での出店が見込める、というメリットがあります。まさに吉野家ならではのセカンドキャリアですね。
システムとしては、出店場所近くの実店舗で肉の煮込み鍋や炊いたご飯などの商品を積み込むというもの。軽自動車のコンパクトな車内を有効活用し、最低限必要な商品・什器などを載せています。
吉野家としては、この先、ますます力を入れていこうとしている制度のため、「オレンジドリーム号」もどんどん増えていく予定です。
「自分仕様」のカスタマイズも可能!
「うまい、やすい、はやい」のモットーで、素早く牛丼のみを提供する「オレンジドリーム号」。残念ながら保健所の指示から屋外出店でナマモノは提供できないため、生玉子は販売していませんが、代わりに半熟玉子を用意しています。
その他、キムチやチーズなどのトッピング、サラダ、味噌汁などがあります。営業中、外には味噌汁用のポットや七味などが置かれる台もあり、「My吉野家味」へのカスタマイズが可能です。
東京都心部での出店場所は、大手町常盤橋フードトラックストリート、川端緑道フードガーデン、渋谷神泉、恵比寿ビル、銀座6丁目スクエア、水天宮リバーゲート、杏林大学付属病院、慶應義塾大学付属病院など(曜日によって販売場所の変更あり)。お昼休みともなると、おいしさはもちろん、手軽さと長年の企業ブランドの安心感から多くの人が並びます。
お店での牛丼ももちろんおいしいですが、オレンジドリーム号を見かけたら、青空の下での牛丼をぜひ味わってみてください。
<取材協力>
吉野家
https://www.yoshinoya.com/
(取材・文・写真:別役ちひろ/編集:奥村みよ+ノオト)
[ガズー編集部]
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