トヨタ博物館で結婚式ができるサービスがスタート!どんな式ができる?

人生の一大イベント、結婚式。クルマ好きのカップルならば、愛車と一緒に写真を撮ったり、式場前に並べたりすることもありますよね。では、世界の名車が並ぶトヨタ博物館で式ができるとしたらどうでしょうか?

この春、トヨタ博物館でウェディングフォト撮影や挙式ができるプランが登場しました。クルマ好きにとってはうれしいプランですが、なぜトヨタ博物館で結婚式を?

ウェディング業界と地域事業を盛り上げたいという思い

まず、簡単にサービスを説明しておくと、トヨタ博物館での結婚式は毎月1組限定で休館日である月曜日に博物館を貸し切り、常設展示の名車に乗ってのウェディングフォト撮影や、博物館のシンボルであるトヨダ「AA型乗用車(レプリカ)」の前で挙式を行うというもの。

サービスを提供するのは、引き出物を始めとしたギフトを取り扱う「株式会社オリジナルあい」です。今回は、オリジナルあいでこのサービスを担当する、山田純也さんにお話を伺いました。

「今は、結婚するカップル自体も減っていますが、それ以上に結婚式を挙げない人も増えています。式を挙げる人は、入籍者の半分程度です。長年ウェディング業界に携わってきた私たちからすれば、より多くの人に結婚式のすばらしさを経験してほしいという思いがあります。
そこで、堅苦しさや儀式感といった、これまでの結婚式のイメージを払拭し、カジュアルで利用者の好みに寄り添える式をサポートする事業を始めました」(山田さん)

とはいえ、トヨタ博物館で結婚式とは、なかなかぶっ飛んだ発想に思えます。トヨタ博物館を式場にしようと考えた理由はなんですか?

「新たな事業では、装飾や料理などで理想の式にカスタマイズしていくことと同時に、特別な場所で式を挙げることにも注力しました。そこで、『地元愛知の有名施設であるトヨタ博物館で開催できないか?』と考えたんです。博物館へ打診してみたところ、『当館で式を挙げたいというクルマ好きの方の一生の思い出にしていただけるのであれば』と快諾していただき、今回のサービスが実現しました」(山田さん)

サービス開始前に2組のカップルが式を実施

こうしてトヨタ博物館の協力を得て、実現に向けて動き出したトヨタ博物館での結婚式。実際に博物館で式を挙げた人はいるのでしょうか?

「サービス開始にあたり、まずはクルマ好きのカップルに弊社から提案をしました。このカップルは、いろいろな事情から結婚式を諦めていたのですが、トヨタ博物館での式を提案したところ『ぜひ、やりたい』とお返事をいただきました。ほかにももう一組お声がけし、昨年2組がトヨタ博物館で結婚式を挙げています。もちろん2組とも希望を聞いてそれぞれにカスタマイズしていますから、形式はそれぞれです。この2組の成功を受けて、2021年1月から一般募集を開始しました」(山田さん)

世界の名車たちに囲まれながらの結婚式は、とても華やかでクルマ好きのカップルに喜ばれそうですが、実現にあたっては苦労もあったのではないでしょうか?

「一般に結婚式場は専用に作られた施設ですので、式を執り行うためのさまざまな設備が整っています。しかし、博物館では式場にあって当然の設備がなくて苦労しました。例えば、博物館の会議室を新郎新婦のための控室に使うようにしたのですが、そこには着付けのための鏡がなかったので新たに持ち込みました。実際に式ができるように準備していくと、こうした細かな設備や備品の用意がたくさん必要でしたね。博物館の方にも、通常営業とは異なるレイアウトへの変更などをしていただきました。お互いがともに理想の式を描いていたからこそ、0からでも素敵な結婚式を実現できたと思います。今回の結婚式の成功を受けて、結婚式は専用の式場でなくとも実現でき、素晴らしいものになるという考えが確信に変わりました」(山田さん)

いつでも「思い出の場所」に行けるのは博物館ならでは

さまざまな試行錯誤の上に実現したトヨタ博物館での結婚式。最後に山田さんは、トヨタ博物館ならではのほかにないこんなポイントを教えてくれました。

「一般的な結婚式場の場合は、結婚式を挙げてから再びその会場を訪れることはあまりできません。でも、トヨタ博物館ならばいつでも気軽に訪れることができます。結婚式会場は、2人にとっての特別な場所です。いつでもその場所に行って、思い出に浸れるのはなかなかできない体験だと思います」(山田さん)

感染症予防の観点から、結婚式を延期したり取りやめたりする方も多いそうですが、トヨタ博物館でのウェディングフォト撮影のみのプランもあって、新婚さんはもちろん、5周年10周年といった節目の記念に写真を撮るのもおすすめだそう。クルマ好きカップルの方は、ぜひ問い合わせしてみては?

(取材・文:西川昇吾/写真:株式会社オリジナルあい/編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

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