創業35年の旧車ショップ「Rocky Auto」がオープンしたミュージアムカフェ

愛知県岡崎市にあるRocky Auto (以下:ロッキーオート)は、「2000GT」や初代「フェアレディZ」「ハコスカGT-R」など、日本の名スポーツカーを中心に絶版名車のレストアやカスタマイズを行う専門ショップ。

中古車販売も手掛けており、ストックリストには上に挙げた国産旧車のほかにも、海外メーカー車や1930年ごろの戦前車まで、貴重なクルマが並びます。そこでロッキーオートは、これらのクルマを眺めながらくつろげるミュージアムカフェ「ロッキーカフェ」を2021年4月1日にオープン。どんな素敵なカフェなのか、取材に行ってきました。

旧車ショップがカフェをオープンしたワケ

ロッキーオートが新たにオープンさせたミュージアムカフェ「ロッキーカフェ」は、ロッキーオートの本館から2キロほど離れた愛知県岡崎市茅原沢町(ちはらざわちょう)にあります。緑豊かな大自然の中、近くにきれいな乙川も流れていて、ロケーションは最高です。

車両展示スペースは天井が高く、ガレージのような雰囲気。展示車はほとんどが販売可能であるため、ショールームのような側面もあります。2輪車やレーシングカーまで、多彩な名車を眺めながらいただけるコーヒーは、豆の質にこだわったものを厳選。ほかにも自然由来の身体に優しい原料を使用したココアやジンジャーエールなどカフェとしてのこだわりも忘れません。

ところで、ロッキーオートはなぜミュージアムカフェをオープンしたのでしょうか? ロッキーオート代表 渡辺喜也さんにお聞きしました。

「カフェオープンの理由には、弊社独自の販売体制があります。弊社では、お客様に対してしっかりと納得のいく説明とおもてなしをするため、商談や現車確認を完全予約制としています。しかし、これではクルマに興味があって見てみたいと思っても、来店へのハードルは高いですよね。そこで、自由にクルマを見ることができる空間を作ろうと、このミュージアムカフェを作ったのです」(渡辺さん)

気軽にクルマを見に行くことができれば、クルマ好きを増やすことにもつながりそうです。しかし、ミュージアムカフェをオープンした理由は、これだけではないといいます。

「弊社は2021年で創業35周年を迎えます。ここまでこれたのも、お客様があってこそ。このミュージアムカフェは、お客様への感謝の意を表す形でもあります。これまでたくさんのお客様とお付き合いさせていただきましたが、中には事情があって思い入れのある愛車を手放した方もいます。そういった方にも気軽に来ていただき、当時の思い出を蘇らせてほしい。そんな気持ちも、このミュージアムカフェに込めています」(渡辺さん)

こだわりの空間を造り上げるために

「店内から外を見ると美しく竹が生えていて、その下をきれいな川が流れています。基本的に大きな手入れをせず、自然そのままの状態です。遠方からいらっしゃった方がまず驚かれるのが、この景色ですね。とても落ち着く空間だと、ご好評をいただいています」(渡辺さん)

自然の中にカフェを作る作業は、決して簡単なものではなかったでしょう。渡辺さんは、この空間を守っていくために大切なことを教えてくれました。

「私たちは毎朝、周囲の道の草取りをしています。これは店舗の景観を維持していくためでもありますが、『ロッキーオートさんがカフェ始めてからキレイなった』と思ってもらいたいから。実際に、近隣の方から、そうした声をいただくようになりました。その甲斐あって、近所のクルマに興味のない方にも来ていただいたりしています。その土地で長くお店をやっていくためには、地域の方にとの信頼関係が大切です。今のような関係がなければ、この空間は成り立ちません」(渡辺さん)

美しいクルマと自然を眺めながら優雅な時間が過ごせるロッキーカフェは、“大人の空間”と呼ぶにふさわしい場所でした。細部にまでおよぶこだわりと配慮により生まれたこの雰囲気は、ロッキーオートが造り上げる名車と同じものを感じます。

<ロッキーカフェ>
住所:愛知県岡崎市茅原沢町上平40-5
営業時間:11:00~18:00
定休日:月曜日・火曜日
電話番号:0564-77-5257

(取材・文:西川昇吾/写真:西川昇吾/編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

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