「ブランドオーディオ」は何がすごいの? ノーマルとの違いは?
Mark Levinson、Bowers&Wilkins、harman/kardon、BOSE……etc。近年、高級車や上級グレード車に、「ブランドオーディオ」や「ハイエンドオーディオ」と呼ばれる高級ブランド製オーディオを搭載する例が増えています。オプションとして用意されていることも多く、「装着する価値があるの?」「いい音って実感できるの?」と疑問に思う人もいるでしょう。
そこで、こうしたブランドオーディオが標準装着のオーディオとどう違うのか? ハーマン・インターナショナルでトヨタ車に採用されるJBLのオーディオシステムを担当している片山大朗さんにお話を聞きしました。
違い その1:スピーカーと専用アンプ
ブランドオーディオの説明を見ると、まず標準装着のシステムよりもスピーカーの数が多くなっていることに気づきます。しかし、単に数を増やしているだけではないのだそう。
「スピーカーに使用している磁石やコイルがより性能の高いものとなっていて、標準装着品とはスピーカーを構成する部品の一つひとつが違います。また、標準装着品と大きく違う点として、オーディオ専用アンプを搭載することが挙げられます」(片山さん)
たしかに、ブランドオーディオのシステム図を見ると、アンプの存在が目に入ります。このアンプとは、一体どんな役割を果たしているのでしょうか?
「オーディオシステムに送られてくる音楽のレベル信号(電圧)は、1~2Vほどのとても小さなものです。これを人に聴こえる音としてスピーカーから発生させるには、レベル信号の電圧を増幅させる必要があります。その増幅を行うのが、アンプ(アンプリファイア)という装置です」(片山さん)
「標準装着のオーディオでは、アンプはヘッドユニットに内蔵されているため、自動車用バッテリーの電圧である12Vが限界です。対してハイエンドオーディオでは、オーディオ専用アンプを用意して、特にJBLの場合はより高い電圧をスピーカーに送ることを可能としてます。電圧を高められれば、それに対応した高音質のスピーカーを使うことができます。これにより、広いレンジの音が出せるのはもちろん、ノイズや音のひずみを少なくできるのです」(片山さん)
違い その2:専属エンジニアによる音のチューニング
アンプや電圧が異なることはわかりました。でも、オーディオってスピーカーの配置なども大切ですよね。そのあたりも違いはあるのでしょうか?
「もちろんです。車種によって内装の作りが異なるので、スピーカーを配置できる奥行きなどが違いますから、すべて同じシステムで、というわけにはいきません。純正採用のブランドオーディオの場合、車両開発時からオーディオメーカーもシステム開発を行えるため、車種ごとにベストマッチの設計が可能となっています」(片山さん)
車両開発時からオーディオ設計ができるのは、純正採用のシステムならではの強みといえそうですね。開発にあたっては、どんな点がポイントとなるのでしょうか?
「それは“音のチューニング”にあります。JBLの場合、専属のエンジニアが開発中の試作車を使って、専用アンプから各スピーカーへ送る音をチューニングしています。オーディオルームと異なり、自動車は“左右のスピーカーの真ん中”で音を聴くことができないので、どの席に座っても自然に聞こえる音を目指してアンプの中の回路を変更して音を調整するのです。スピーカーの数が多いのも、すべての席で自然に聴こえる音を目指しているためです」(片山さん)
「高音のみ発生するツイーターや低音を担当するウーファーなどを適切に配置することによって、全席で満足のいく音響体験を作るのです。純正ブランドオーディオと同等のチューニングをアフターパーツで実現するのは難しいでしょうね」(片山さん)
素人でも実感できる音の良さ
高性能なアンプやスピーカーを使い、車両開発時から設計を行う。これだけでも「いい音で聴けそう」というのはわかりますが、音を文章で伝えるのはどうしても難しいもの……。これは一度、実車で体験してみたいですね。
「最初はみなさん『自分には違いが分からないよ』とおっしゃるのですが、実際に聴いてみると一発で表情が変わる方がほとんどです。『ライブハウスにいるみたいで音に包まれている』『こんな音響体験は初めて』という声を多くいただきますよ!」(片山さん)
片山さんへの取材時、筆者も実際にJBLのシステムが装着された車両で音楽を試聴させてもらいましたが、自動車のオーディオシステムとは思えないほどクリアで臨場感のある音響に驚かされました。音そのものがキレイだと感じるのはもちろん、音量が小さくても低音から高音まで、どの音も潰れることなくはっきりと聴こえてきて、全体的に音が澄んでいる印象を受けます。
ディーラーによってはブランドオーディオを装着した試乗車を用意していることもあるので、もし装着車両に巡り会えたら、ぜひ試聴してみてください。その際は、自分の好きなCDなどを持ち込んで“いつもの音楽”を聴いてみると、違いがよくわかるでしょう。きっと、カーオーディオに対する印象が大きく変わりますよ!
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