首都高から降りずに東京駅で人を降ろせる秘密の場所「八重洲乗客降り口」とは？

発車する電車はすべて「下り」で、北海道や九州まで行ける新幹線にも乗れる東京駅。東京に住んでいると、この駅に大切な人を送り届ける機会があるかもしれません。そんなとき、首都高速道路（首都高）から降りることなく、東京駅で同乗者を降ろすことができたら便利だと思いませんか？

実は、首都高にはそれが可能な珍しい施設があります。名称は「八重洲乗客降り口」。

東京駅に直結したその場所は、首都高を使ってクルマで向かったとき、首都高から一般道に降りることなく同乗者を降ろすことができる不思議で便利な場所です。

八重洲乗客降り口があるのは「首都高速八重洲線」。都心環状線の内側にあって地下を走る路線で、東京駅の真下にあります。

都心環状線から向かう場合は、内回りだと汐留ジャンクションから東京高速道路（会社線やKK線と呼ばれ、厳密には首都高ではない一般自動車道路）を抜けてまっすぐのトンネル内。外回りからは神田橋ジャンクションで右側にそれて、トンネルに入ると現れます。上下線それぞれに用意されているので、進んできた方向により場所が異なります。

いずれも「東京駅八重洲パーキング」という首都高速道路とも直結した地下駐車場があり、上下線とも八重洲乗客降り口は、その脇にあります。向かう際は、東京駅八重洲パーキングを目指すといいでしょう。

八重洲乗客降り口に到着したら、バス停のようなスペース（車寄せ）にクルマを止めて同乗者を降ろします。スペースが限られているので、サッと降ろしましょう。

この場所を利用しても首都高を降りたことにはならないので、追加で通行料金を取られないのがうれしいところ。もちろん、乗客降り口を使うための利用料金もかかりません。

クルマから降りた人は案内に従ってドアを開けて東京駅へ向かいますが、このドアの先にあるのは階段。その階段を上がると、八重洲の地下街へ出られるというわけです。東京駅へ行くだけでなく、八重洲や京橋、丸の内周辺のオフィス街など、東京駅近くの施設へ向かうのにも便利です。

東京駅で人を降ろすには便利な八重洲乗客降り口には、いくつか利用上の注意があります。まず、この場所は人を降ろすための施設であるため、ここから人を乗せることはできません。八重洲地下街に進んで行くドアは首都高側からのみ開き、八重洲地下街から首都高へ向かおうとしても開かない、一方通行になっています。

また、この場所での待機は禁止。さらに2.1mの高さ制限があるのでどんなクルマでも利用できるというわけではありません。また夜間はドアが閉鎖されます。

八重洲乗客降り口では人を降ろすことしかできません。では、東京駅に誰かを迎えに行って人を乗せたいときはどうすればいいでしょうか？

そのときは、隣接する東京駅八重洲パーキングを利用するといいでしょう。東京駅八重洲パーキング利用時は、首都高速からいったん降りることになります（再び首都高へ入る際には別料金が発生する）が、出入り口は首都高に直結しているのでこちらも便利です。

都内の移動や、神奈川から千葉へといった都内をまたぐ移動に便利な首都高速には、このようにあまり知られていない施設や使い方があるものです。あまり使う機会はないかもしれませんが、知っていると「首都高ツウ」に思われること間違いなしでしょう！

（文・写真：工藤貴宏　編集：木谷宗義 type-e＋ノオト）

［GAZOO編集部］

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