第11回 ドライブ中の音楽がそのデートの「しおり」になる／はあちゅうのドライブデート指南

長距離移動をした時にかけていた曲は、歌詞までしっかり自分のものになっているので、歌詞を頭の中でなぞりながら、必然的に、歌詞に重ねた自分の恋愛を思い出してしまう。

歴代の彼の隣で、様々な音楽を聞きながら「別れた後にこの曲を聞いたら、今この瞬間を懐かしく思い出すんだろうなー」って思っていたけれど、やっぱりその通りになっていて、うっかりドライブ中に思い出の曲がかかると、隣にいる人があの時の彼じゃないことが切なく思えたりもします。

そういう時は、過去の自分と未来の自分が瞬間的に入れ替わったような、あるいはつながったような不思議な感覚がするのですが、そういえば「バック・トゥ・ザ・フューチャー」では、デロリアンがタイムマシーンになっていましたよね。

デロリアンは無くても音楽があれば、過去と未来を行き来できたりするのかも。
あくまで頭の中だけでですけど。

私が学生の頃はＣＤやＭＤの貸し借りで、相手の音楽の好みがわかったけれど、今は、音楽はすごく個人的な体験になっている気がします。

一人一人が自分用にカスタマイズしたミュージックリストをスマホで持ち歩いていて、恋人がどんな音楽と共に青春を歩んできたのかを知る機会はこれからどんどん減るのではないでしょうか。

そうなると、共通の思い出の曲って作ろうとしないと無いことになる。でも、ドライブ中は絶対に音楽も共有するから、「これは俺の思い出の曲なんだよ」などと教えてもらえたおかげで、これまで触れ合ったことのない音楽を知れて、それがお互いのしおりになるかもしれません。

恋愛って人生にいろんな「しおり」を一緒に挟んでいくことなのかもしれませんね。​自分のページにたくさんのしおりが挟まるように、ドライブデート中には、いい音楽をたくさん共有してみてください。​