2日間で85,800人!悲喜こもごもの富士で、LEXUS TEAM SARD 3年ぶりの表彰台獲得!~LEXUSチャンピオン奪還までの道 vol.7~

ゴールデンウィークの最大のモータースポーツイベント、SUPER GT第2戦が、5月3日(火)、4日(水)の両日に渡り、富士スピードウェイ(静岡県駿東郡)にて開催され、39号車DENSO KOBELCO SARD RC (ヘイキ・コバライネン/平手晃平組)が2位、37号車KeePer TOM'S RC F(ジェームス・ロシター/平川亮組)が3位と開幕戦から連続の表彰台を獲得しました。2日間で85,800人が来場、予選日夜からの悪天候がレースや客足に影響するのでは?と心配されましたが、翌朝の天候回復が早かったせいか、例年同様の来場者があり、いつものにぎやかなムードの中でレースが開催されました。

波乱の二日間のレポートは、こちらの公式レポートをご参照ください。
予選レポート
決勝レポート

開幕ダッシュとならなかった先月の戦いから一ヶ月弱。勝てなかったショックのままに、富士戦を迎えました。そして更なるダメージを受けたのは今回の予選。GT-R勢に負けた…。Q2にレクサス勢が2台しか残らないという予想外の結果でした。朝の走行からコースコンディションが大きく変化したと聞きましたが、そこからの各陣営の作戦が明暗を分けたようです。しかし、長丁場の500キロレース。何が起こるかわかりません。そこはもう信じて、巻き返しに期待をするのみでした。

ライバルの日産GT-R勢12号車、カルソニック IMPUL GT-R(安田 裕信/J.P.デ・オリベイラ組)は、富士にめっぽう強く実績もありますが、前評判通りサクっとポールポジションを獲得、早速必勝体制で固めて来ました。ここは絶対勝ちたいとおっしゃっていた星野一義監督のうれしそうな表情、レクサス勢が苦しむ中、非常にうらやましかったですね。

そして迎えた決勝レースは、予選で振るわなかったものの、終わってみれば上々の結果。他車のトラブルに助けられた部分もありますが、それでもレクサス勢は頑張った。やっぱりレースになると手堅いと実感。余計、下位に沈んだ予選が悔やまれました。

レクサス最上位、予選3番手からスタートした38号車ZENT CERUMO RC Fが燃料切れにより戦線離脱となったことは、ショックが大きすぎました。38号車と言えば、富士マイスターと呼ばれている立川祐路選手がエース。昨年からコンビを組んでいるチームメイトの石浦宏明選手とは、今季は当然チャンピオン獲得を視野に入れているはず。ノーポイントは、非常にツライ。これには言葉がなかったです。

レース終盤、緊迫した中でホンダ勢に不運が起きたところから、非情な展開になりました。100号車、RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本 尚貴/伊沢 拓也組)にタイヤバーストが起こり、クルマがクラッシュ。その際にセーフティーカーが介入しました。レースを安全に運営する為に導入されるセーフティーカーですが、レース展開をがらりと変えてしまうことがあります。運、不運、プラスにもマイナスにも作用します。今回は、優勝争いをしていた日産勢、46号車 S Road CRAFTSPORTS GT-R (本山 哲/千代 勝正組)が燃料切れの心配から、セーフティーカー介入中にペナルティ覚悟でピットイン、優勝戦線から脱落しました。

ルールはルール、セーフティーカーに翻弄されたと表現するのは気が引けますが、ライバルながら残念でした。セーフティーカーが解除になりリスタートしてからは、12号車と1号車MOTUL AUTECH GT-R( 松田 次生/ロニー・クインタレッリ組)が優勝争いから目が離せませんでしたが、残り4周、トップを走行していた12号車に不運が起きます。こちらにもタイヤバーストが発生。優勝目前のこのシーンは痛々しく、無念でした。そんな光景を目の当たりにしたままチェッカーフラッグ。あまりに無情なこのシーン、映し出された12号車J.P.デ・オリベイラ選手の姿は、それまでの彼らしい果敢な走りを思い出すと絶句。ドライバーの体が、100号車と共に無事で良かったのは、幸いでしたが…。

このクラッシュにより、表彰台圏内3番手を走行していた39号車が1つポジションを上げ2位でチェッカー。チームにとって、うれしい3年ぶりの表彰台獲得となりました。レクサス勢もそれに、4台続きました。

LEXUS TEAM SARD、昨年ドライバーを一新し、名エンジニア田中 耕太郎氏がチームへ加入しました。今季は、ファーストドライバーだった平手選手とセカンドライバーのコバライネン選手を入れ替え、チーム体制をさらに変更しました。若手メカニックが頑張っている中、ベテランのレースメカニックも補充した矢先のこの結果で、チームがうまく回っている印象を受けます。

キャリアに関して申し分のない元F1ドライバーのコバライネン選手。日本での経験をさらに伸ばす為、クルマ作りも彼を中心に行っているそうです。その作戦が、さっそく功を奏しました。コバライネン選手は、うちは二人ともエースドライバー、ファーストもセカンドも無いよとオフシーズンテストで話してくれましたが、コバライネン選手に平手選手が多少の我慢をして合わせているスタイルは、オフシーズンから走行結果を見ても良い兆しが見えていました。シーズンが始まったばかりではありますが、今後も楽しみですね!期待しております。おめでとうございました。

レースウィークに、先月発生した熊本地震から「延期」が既に決まっていた第3戦のオートポリス大会が、「延期」ではなく「開催の中止」に変更となった事が、SUPER GTを運営するGTアソシエーションから発表されました。代替戦は、新たに設けられるのではなく、既存の大会の中のどこかで1戦増えるとのこと。注目して発表を待つことにしたいと思います。

次戦は、第4戦のスポーツランド菅生(宮城県)。7月23日(土)~24日(日)の開催と、若干間が開いてしまいますが、今度こそレクサスに優勝してもらわなくてはなりません!コースが近く非常に楽しむことのできるスポーツランド菅生!夏休みに、ぜひお越しくださいね!一緒に応援しましょう!

<第2戦 決勝結果>
1位 MOTUL AUTECH GT-R( 松田 次生/ロニー・クインタレッリ組)
2位 DENSO KOBELCO SARD RC F ( ヘイキ・コバライネン/平手 晃平組)
3位 KeePer TOM'S RC F( ジェームス・ロシター/平川 亮組)
4位 au TOM'S RC F ( 伊藤 大輔/ニック・キャシディ組)
5位 WAKO'S 4CR RC F( 大嶋 和也/A.カルダレッリ組)

8位 WedsSport ADVAN RC F ( 関口 雄飛/国本 雄資組)

14位 ZENT CERUMO RC F( 立川 祐路/石浦 宏明組)

決勝レースダイジェスト

(写真、テキスト:森山俊一、大谷幸子)

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[ガズー編集部]