時間よ止まれ、RC Fの走りに魅了されるも無念の結末 ~LEXUSチャンピオン奪還までの道 vol.11~
2か月半のインターバルが明け、スポーツランド菅生(宮城県柴田郡村田町)にて開催されたSUPER GT第4戦。LEXUS勢は、表彰台を獲得するも非常に悔しいレースとなった。
予選から、もちろん目の離せない展開。ポールポジションを獲得したのは、光る速さを持ちながら中々結果に結びつかず、優勝が渇望される6号車 WAKO'S 4CR RC F 大嶋 和也/アンドレア・カルダレッリ組。今季は、チームに長く籍を置くエース大嶋和也とチームメイトに新たにアンドレア・カルダレッリ選手、脇阪寿一氏を監督に迎え体制を一新した。そんな中でのポールポジション獲得。予選後、チームは、束の間ではあるが笑顔に包まれていた。大嶋本人も、まだ予選ではあるがと前置きしたうえで、心から喜んでいた。
迎えた決勝日、LEXUS勢では6号車が優勝の期待を一身に背負う中で、決勝レース81周はスタートした。 例年、菅生では荒れたレース展開となる。元々2輪用のコースとして作られコース幅も狭く距離も短いため、レース序盤で周回遅れのクルマと出会うことになり、並走するだけでもハラハラするが、競り合いの中からの接触が多くレースが荒れてしまうのだ。コースを縫うように走るGT500クラスと、コースを譲ることになるGT300クラス双方に、さらに高いスキルが要求されるサーキットだ。
ポールスタートの6号車も、まさかの周回遅れと接触しスピン。14番手まで後退した。その後、トップ争いは熾烈になっていった。モノコックを替え、予定されていたペナルティをレース中に消化した36号車も含め、序盤RC F全車が上位を激走。今季初勝利を目指した。
目を見張る大躍進をしたのは、予選、他車の赤旗により、アタックすることができずに泣いた19号車 WedsSport ADVAN RC F 関口 雄飛/国本 雄資組。
14番手からスタートした19号車は、序盤関口の走りで一時2位まで浮上し、トップを脅かした。一週間前のスーパーフォーミュラ第3戦で、初表彰台をデビュー3戦目にして手にした関口。前週同様のアグレッシブな走りに魅了されたのは言うまでもないが、今回の菅生でも、クルマは違えど、関口は健在だった。とても“乗れている”(ら抜き言葉失礼)ドライバーであることがわかる。チームメイト国本も、新たな環境の元、関口とともに伸び代大きく若さを武器に戦っている。今回は、レース中、ピットインの際に少々ミスはあったものの5位フィニッシュ。予選の不運があったとは思えないリザルトを残した。坂東正敬監督も、「みなさんに、うちの走りを魅せられたのではないか」と語っている。
そして、LEXUS勢に最強のタラレバを残した38号車 ZENT CERUMO RC F 立川 祐路/石浦 宏明組。常に安定しクレバーな走りを披露する石浦宏明に、大ベテラン、ルックスだけではない走りのカッコよさも光る41歳立川祐路のコンビは、LEXUS最強。
特に終盤の路面温度を味方につけてからの追い上げは、さらに目を惹くこととなった。3番手のポジションで推移し、最終コーナーからホームストレートへ駆け抜け1コーナーアウト側から一気に攻め2番手につけ、さらにトップと並走とその猛追する姿には、立川らしい強さが伝わって来た。
しかし、76周目、他車のクラッシュにより赤旗の提示。レースを75%以上消化していたため、レース成立となった。が、赤旗が出た周で、75周で2番手に浮上した38号車は、赤旗提示前74周回のリザルトが有効となることから、3位という結果。あのまま続行していたら、きっと立川ならやってくれる、本人もそう思っていただろうという、衰えぬ勢いもあっただけに、無念の結末となった。
まだ走りたいという気迫のままピットに戻って来た立川は、悔しい表情を浮かべていたのが頭から離れないが、表彰式では、いつものすがすがしい笑顔で祝福を受けていた。
4位に、ポールスタートしたものの下位に沈んだ6号車が入ったのは驚き。大嶋が、ここまでポジションを挽回したことは、彼らしく素晴しいの一言。頼もしいLEXUSのエースであることは容易に説明できる。
そして何より、束になってかかっても、GT-Rを止められなかった悔しさは非常に強く。次戦富士で、ぶつけてもらいたい。
とにかく、勝ちたい! 優勝を祝いたい!ただそれだけ!
(写真、森山俊一、大谷幸子 テキスト、大谷幸子)
レポーター(お)ねえさん・大谷幸子
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