チャンピオン奪還！最強LEXUS軍団、有終の美　～LEXUSチャンピオン奪還までの道　vol.14～

2016.11.21 16:00

11月12日（土），13日（日）、ツインリンクもてぎで開催されたスーパー最終戦で、DENSO SARD RC F（ヘイキ・コバライネン/ 平手晃平組）が、ポールトゥウィン！SARD初のタイトル獲得となりました！

今回は、第3戦オートポリス大会が熊本地震の影響で中止となり、史上初の1大会で2レース。土曜日は第3戦、日曜日は第8戦となり、予選決勝がそれぞれ行われ、ドライバーがどちらかの予選をアタックするというレースフォーマットでした。

なかなかタイトなタイムスケジュール、そして土曜朝は雨上がりと路面コンディションが難しい中での予選。サーキットの特性を考えると、抜きどころの少ないもてぎでは、誰もが予選で少しでも前に居たいところ。そんな中でポールポジションを獲得したのは、39号車ヘイキ・コバライネン選手でした。ランキングトップで臨んだ１号車（松田次生/ロニ・クインタレッリ選手）などチャンピオン候補の上位が、下位に沈むなど波乱がありました。

ここで、風は一気に39号車に吹いた気がします。第3戦、決勝レースは、優勝を逃したものの、2位表彰台を獲得。最後までトップを追いかける展開で2位とは言え、非常にアグレッシブな終わり方。ランキングトップに浮上したということもあり、チームの士気は非常にあがりました。心配だったのは、翌日予選アタックをする平手晃平選手。力が入りすぎないだろうか、寝られるだろうかと親のように心配しましたが（笑）、一回チャンピオン獲ってますから…と、あっさりしたものでした。

迎えた第8戦。朝からピットは和やか。過去に他チームでチーフエンジニア経験のあるメカニックが2名もいたり、名エンジニアの田中耕太郎氏を迎えたりと今季は体制を強化したSARD。新体制下で、最終戦目前をランキングトップで迎えるまで大躍進です。

公式予選は、平手選手がコースレコードをマークし、セカンドローまでRC FがつけLEXUS包囲網が築かれ万全の体制。自力タイトル奪還にさらに近づく結果となりました。

レースは、平手選手がスタートドライバー。LEXUSの仲間も駆けつけ勇気づけられながらのスタートとなりました。勢に運びポールトゥウィン。チーム初のタイトル獲得となりました。新体制で臨んだシリーズ、こんなに早くタイトルを獲得するとは、正直びっくり。若いメカニックたちは、しっかりこの光景を目に焼きつけただろうかと、いろんなことを考えながらピットで眺めていました。平手選手は、今年からセカンドドライバーになり少し体制を変えました。インタビューの度に、そのことに触れる平手選手。やはり、そこは当初執着があったように感じます。しかし、チームメイトのコバライネン選手は、ファーストもセカンドも我々には関係なく、二人とも速いドライバーだと強調して来ました。日本のサーキットに慣れれば、コバライネン選手のキャリアは別格ですから無敵。その効果が早々に現れたのかもしれません。チャンピオンを獲ってからも、二人とも速い、強いサードとコメントしていました。

ウィニングラン、RC Fが連なる姿、ほんと良い意味で信じられませんでした…。今シーズンの19号車（関口雄飛/国本雄資組）の成長も、素晴らしかったですね。若い二人、国内モータースポーツの話題をさらいまくりで、応援するこちら側もたくさん元気をいただきました。来季からのLC 500の活躍も楽しみにしています。新車に代わるオフシーズンは、チームのみなさんもさらに激務。あっという間に時間も過ぎていくと思いますが、勇姿を見られる春まで、じっと待ちます。車両開発、そしてクルマづくり、関係者のみなさん頑張ってください！

いつも読んでくださっているみなさま、ありがとうございます。タイトル奪還を果たしたので、こちらの連載は、おしまい！　ありがとうございました！

（写真：トヨタ自動車、森山俊一、テキスト：大谷幸子）